ユーラシアリサーチ 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心に旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

カテゴリ: ベラルーシ

210

 ベラルーシは、国内に2箇所の立派な製油所を有し、実は知られざる石油製品輸出国である。今日のようなロシア市場の不足の局面では、ベラルーシからロシアへの輸出を拡大するという動きが出てくるのは自然な成り行きである。しかし、こちらの記事によると、実際にベラルーシからの燃料輸出は急増しているものの、それだけではロシア市場の不足を補い切れないという。以下、記事の要旨を紹介しておく。

 ロシアでは2026年6月、ベラルーシからのガソリン輸入量が過去最高に達した。これはロシア国内のガソリン不足への対応策だが、専門家はベラルーシだけではロシアの需給ギャップを埋めることはできないとみている。

 6月1~25日の輸入量は14.1万tで、5月全体の約2.4倍となり、過去最高を更新した。2025年秋、ロシアで燃料不足が顕在化して以降、輸入が本格的に増え始めた。2026年初からの累計輸入量は42.2万tに達している。

 一方で、ベラルーシはロシア向けを優先した結果、従来中央アジア向けに輸出していたガソリンをロシア市場へ振り向け、第三国向け輸出は大きく減少した。上掲グラフでも、ロシア向け供給が急増する一方、ロシア経由の第三国向け輸送が急減していることが示されている。

 6月末には複数のロシア地域で給油制限が導入された。プーチン大統領は「国内市場には燃料不足があるが、危機的水準ではない」と認めた。ノヴァク副首相はその後、「問題は物流上の一時的混乱であり、国内供給は確保されている」と説明している。また、ロシア政府はユーラシア経済連合諸国国からのガソリン輸入への補助制度(ダンパー制度)を拡充、ナフサを混合してガソリンを製造することも認めるなど、供給拡大策を相次いで打ち出した。

 それでもベラルーシが不足を補うのには、限界がある。専門家によれば、ベラルーシ全体のガソリン輸出能力は年間180~200万t程度(月15~17万t)。楽観的に見ても月20万t程度が限界であり、現在の対ロ輸出はほぼ能力いっぱいに近いという。

 専門家の分析では、2026年5月のロシアの石油製品生産は前年同月比13.5%減。ガソリン生産は20~25%減少した可能性がある。現在の需要に対して1日当たり1.5万~2.5万t程度の供給不足が生じているという。不足を埋めるには、さらに1日1万t程度の輸入が必要であり、ベラルーシだけでは対応できない。

 専門家は、今後は、インド、トルコ、中国、カザフスタン、シンガポールなどからのガソリン輸入も検討せざるを得ない可能性があると指摘している。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

198

 こちらの記事が、ベラルーシの最高権力者であるルカシェンコ氏の最近の外交的な動きについて論じており興味深いので、記事の要旨を以下のとおりまとめておく。

 ベラルーシの最高権力者ルカシェンコは6月末、まずロシア・ヴァルダイでプーチンと約2日間にわたり非公開協議を行った。初日は4時間半以上に及ぶ一対一会談で、翌日も拡大会合を実施したが、内容はほとんど公表されなかった。ルカシェンコはその直後に中国を訪問し、習近平とも3時間以上会談した。習近平は両国を「鉄の兄弟」と表現し、ルカシェンコも中国を「自宅に帰るようなもの」と評した。

 ヴァルダイ会談の中心議題は、ウクライナ情勢だった可能性が高い。ただし、クレムリン報道官ペスコフは、ウクライナ問題を協議したことは認めた一方、「ルカシェンコがモスクワとキーウをつなぐ連絡役なのか」という質問には答えなかった。その理由として、本当に機能する対話ルートは、公になってはいけないと説明している。

 興味深いのは、プーチン自身が、将来停戦交渉になれば、ベラルーシを交渉場所・仲介者として利用できると発言したことだ。また、ベラルーシ外務省は、西欧諸国との対話を継続していること、ウィーンなどで複数回協議を行ったことも明らかにしている。つまり、ロシアとも西側ともパイプを維持しようとしているということである。

 6月にはゼレンスキーが、ロシア軍設備をベラルーシ領から撤去するよう要求。これに対しルカシェンコは、「我々を戦争に巻き込めば戦争の質は一変する」とする一方、「ウクライナ人とは戦いたくない」と発言した。ヴァルダイ会談について注目されるのは、ベラルーシ参戦の憶測が高まる中で開催されたということである。

 専門家ヴァシリー・カシンは、中国訪問は以前から予定されていたもので、今回の緊急情勢とは直接結び付けるべきではないと述べている。中国にとってベラルーシは、欧州向け陸上物流ルート、中国製品のロシア市場への入口として重要であり、今回もその文脈で理解すべきだとしている。

 カシンは、もしベラルーシが戦争に直接参加すれば、前線はほぼ倍に伸び、ベラルーシ軍隊も参戦し、戦略施設が攻撃対象となり、場合によっては核兵器使用に至る危険もあると警告する。その一方で、ルカシェンコ自身はエスカレーションを全く望んでいないとの見方を示している。

 ヴァルダイ・クラブのアンドレイ・コルトゥノフは、ルカシェンコは外交的な行動範囲を広げたい、ロシアへの依存を多少でも緩和したい、一方で経済面ではロシアからより有利な条件も引き出したい、という複数の目的を同時に追っていると分析している。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

192

 ベラルーシ出身の政治評論家V.カルバレヴィチ氏が、こちらのコラムでウクライナ・ベラルーシ関係について論じているので、以下のとおり要旨を整理しておく。

 今回のゼレンスキーの最後通牒的な発言の背景にあるのは、ウクライナが自信を深め、ベラルーシをロシア・ベラルーシ軍事同盟の「弱い環」と見なすようになり、中立を装うミンスクに対し代償を求め始めたことにある。つまり、最近ベラルーシ側が何か新しい挑発をしたからではなく、戦争4年目を経て、ウクライナの対ベラルーシ姿勢が変化したのだ。

 ベラルーシ軍は参戦せず、当国からのミサイル発射も2022年秋以降は行われていない。ベラルーシはその一方で軍需産業や石油製品供給で利益を得た。また、ルカシェンコは「平和の保証人」というイメージを国内で確立した。戦争のマイナスはロシアが負い、ベラルーシは利益を享受してきた。今回のゼレンスキーの圧力は、この比較的快適な状況を壊すものである。

 もしルカシェンコが、ドローン中継設備を撤去したり、軍需支援や燃料供給を縮小するなら、ロシアから裏切りと受け取られる。一方、何もしなければ、ウクライナのドローン攻撃を受ける危険がある。したがって、「良い手が存在しない」という、チェスでいうツークツヴァンクの状態にある。

 もしウクライナがベラルーシ国内を攻撃した場合、ロシアは再びベラルーシからのミサイル攻撃を再開するかもしれず、ベラルーシとロシアは一体化した軍事陣営になる。ベラルーシ主権はさらに失われる。西側諸国も戦争の欧州接近を歓迎しない。ベラルーシ反体制派への弾圧も激化する。このように、ウクライナ側にも利益があるとは限らない。

 ゼレンスキーの要求は曖昧に書かれている。20日の発言は19日よりもトーンダウンしている。ウクライナもリスクを理解している。したがって、当面は心理的圧力と見るべきだ。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

162

 ベラルーシとロシアは、カリ肥料の世界的な生産・輸出国という共通点がある。一時は両者による価格カルテルが成立したのだが、利害の対立から喧嘩別れして現在に至っている。そうした中、先日、ロシア側のカリ肥料産業の大立者であるD.マゼピン氏(実はベラルーシ出身)が、ベラルーシの独裁者A.ルカシェンコ氏と対面する機会があった。この動きに関し、こちらの記事が詳しく分析しているので(I.レンケヴィチ氏署名)、以下主な内容をまとめておく。

 2005年、ロシアのウラルカリとベラルーシのベラルーシカリは提携を結んだ。両カリ肥料大手の製品を共同輸出するためのトレーダーとして、ベラルーシ・カリ会社(BKK)が設立された。BKKの株式は、ベラルーシカリが45%、ベラルーシ鉄道が5%、ウラルカリが50%を保有していた。

 しかし、2012年までには両国間で意見の対立が生じていた。ベラルーシ側は、共同トレーダーを通じたロシア側の輸出比率が増加し、その分ベラルーシカリが不利益を被っていることを快く思っていなかった。実際、2011年にはBKKの輸出に占めるウラルカリの比率は40%だったが、2012年には52%に達していた。この時点で、BKKは世界のカリ市場の43%を占めていた。事実上、カリ肥料市場のほぼ半分を支配するカルテルが形成されていたのである。

 両国の対立は深まった。2012年末、ルカシェンコはBKKによるベラルーシカリ製品の独占販売権を剥奪し、同社はBKKを介さずに自社製品を輸出するようになった。これに対し、2013年7月、ウラルカリはBKK経由での輸出を停止し、自社のスイス系トレーダーであるUralkali Tradingを唯一の輸出ルートとすることを決定した。ウラルカリのバウムゲルトネル社長は8月、ベラルーシのM.ミャスニコヴィチ首相との交渉のためミンスクを訪れるが、そこで逮捕された。彼は私的利益のための職権乱用およびベラルーシの国家・社会的利益への重大な損害を与えたとして告発された。9月には、BKK幹部らに対する刑事事件の被告として、ロシアのオリガルヒでありウラルカリ株の最大保有者(21.75%)であったS.ケリモフも訴追対象となった。彼は国際刑事警察機構(インターポール)を通じても指名手配された。スキャンダルは11月まで続き、最終的にバウムゲルトネルはロシアへ引き渡された。モスクワからの圧力の下で、ルカシェンコは譲歩を余儀なくされたが、ベラルーシ側が求めていた「損害」の補償を勝ち取ることはできなかった。

 2013年12月、カリ肥料戦争を終結させるため、ケリモフが保有していたウラルカリ株は、M.プロホロフのオネクシムと、ベラルーシ出身のロシア実業家D.マゼピンのウラルヒムによって買い取られた。一説には、プロホロフがマゼピンをこの取引に誘ったのは、彼ならルカシェンコと意思疎通を図り、ベラルーシカリとの提携を復活させられると期待したからだという。そして2014年、新たなウラルカリ株主となったマゼピンはルカシェンコと交渉を行った。マゼピンは1990年代末からルカシェンコと面識があったとされ、ベラルーシカリとのカルテルを迅速に復活させ、カリ価格の暴落を食い止められると期待された。交渉の場で双方は、カリ肥料をめぐる対立がどちらにも利益をもたらさなかったことでは一致したものの、協力関係を復活させることはできなかった。2017年にはベラルーシカリのI.ゴロヴァティ社長が、新たな提携の必要性は見いだせないと述べている。彼によれば、ベラルーシ企業は単独でも十分にうまくやっているということであった。

 その後、マゼピン自身も、ルカシェンコの怒りを買う一因となった。2020年8月、ベラルーシ政治危機の真っただ中で、マゼピンは「国民を代表して当局と対等に対話できる国家救済委員会を設立する」よう呼びかけた。マゼピンは「ロシアおよびベラルーシのビジネス界を代表して」、ルカシェンコに対し、「社会における抗議的緊張という明白な事実を認め、時間を失うことなく平和的かつ詳細な交渉のテーブルにつくこと」を求めた。その交渉は「政治的不安定からの脱却という結果に結実しなければならない」とされた。マゼピンの提案は、2020年の選挙で候補となれなかったV.ツェプカロによって即座に支持された。一部の観測筋は、ツェプカロが多くのロシア企業とつながりを持ち、彼の政治キャンペーンへの資金支援はマゼピンのウラルカリを通じて行われていたと指摘した。1980年代末から1990年代初頭にかけて、マゼピンとツェプカロは同じ時期にモスクワ国際関係大学で学んでいた。

 マゼピンは、EUによる制裁発動後にウラルヒムの持ち株比率を引き下げ、ウラルカリの支配株主ではなくなり、同社の経営からも退いている。では、ルカシェンコが今なおマゼピンに関心を示しているのはなぜなのだろうか。その答えは、マゼピン本人の発言に見て取れる。「私は依然としてウラルカリの株主。会社の経営には携わっていないが、それでもウラルカリとベラルーシカリの利益、そして市場で起きていることは重要な問題だ」。ルカシェンコとの会談後、マゼピンはこう述べた。彼によれば、会談ではカリ肥料分野における協力についても話し合われたという。

 どうやら、マゼピンがルカシェンコの信頼を回復する機会を得られた背景には、独裁者の息子V.ルカシェンコと、ベラルーシ首相A.トゥルチンの後押しがあったようだ。2024年からロシア水泳・水上競技連盟会長を務めるマゼピンは、昨年、ベラルーシ国家オリンピック委員会会長のヴィクトルと会談した。そしてヴィクトルは、ロシアとベラルーシの選手たちを国際舞台へ復帰させるために共同で取り組もうと提案した。実際、国際競技連盟は水上競技におけるロシアおよびベラルーシの選手の大会参加を認めた。したがって、マゼピンのロビー活動能力こそが、今度は彼自身をルカシェンコに売り込む根拠となったのかもしれない。

 今回ルカシェンコは、ベラルーシの出自を持つマゼピンに対し、「祖国」のために働くことで過去の「罪」を償うよう提案したという。マゼピンがベラルーシを助ける方法は、ウラルカリが多少譲歩し、ベラルーシカリ製品により有利な輸出条件を提供することかもしれない。ベラルーシ産カリ肥料の輸出に利用されているロシアの港湾能力には限界がある。ロシアの荷主およびロシアの物流事業者は、依然として自国のインフラにおける船積み枠や物流枠の配分で優先権を維持している。実際には、鉄道による貨物搬入が安定していても、ベラルーシ側はロシアの港湾段階で定期的に遅延に直面していると、ベラルーシ側は問題視している。つまり、自国産とベラルーシ産のカリ肥料のどちらを積み出すかとなれば、ロシア側は自国メーカーを優先するのである。バラ積みターミナルへのアクセスもウラルカリが握っており、ベラルーシカリは採算の劣るコンテナ輸送を余儀なくされている。マゼピンが必要とされたのは、こうした問題の解決を後押しするためなのかもしれない。

 あるいは、もっと野心的な計画が存在する可能性もある。最近、米国はベラルーシカリおよびBKKに対する制裁を解除した。ならば今こそ、ベラルーシカリとウラルカリによるカルテルを復活させ、米国市場で大きなシェアを獲得し、共同で価格を維持する時ではないのだろうか。ウラルヒムは米国市場でかなり順調に事業を展開しているようだ。しかし、ベラルーシのパートナーと共にさらに大きな成果を狙わない理由があるだろうか。マゼピンは、ルカシェンコと組み、米国市場で大きな利益を得ることを期待してゲームに参加する用意があるのだ。米国にも独自の利害がある。ベラルーシ産カリ肥料の輸入は、現在米国の総輸入量の少なくとも60~70%を占めるカナダ産肥料への依存を減らすことを可能にする。また、カナダに価格引き下げを迫ることもできるはず、という指摘がある。そして、マゼピンとの関係が指摘されるツェプカロは、自分が週に一度、米大統領特使ジョン・コールと電話で話し、助言まで与えていると自慢していた。しかも報道によれば、コールはベラルーシ産カリ肥料のバルト海港経由輸出を妨げている欧州制裁の解除を働きかける中心人物の一人である。リトアニアおよびポーランドの当局に対し、ベラルーシ産カリ肥料の通過を認めるよう非公式に要請したのも彼だった。

 ロシア側にとっても、ベラルーシが米国市場へ参入することは重要である。現在ベラルーシは中国やインドの買い手とかなり安い価格で契約を結んでおり、それが市場全体に悪影響を与えている。もしミンスクに米国市場という代替先が生まれれば、中国やインド向けに極端な値引きをしなくなる可能性がある。そうなればロシア企業はアジア市場でより高い価格水準を実現する機会を得られるだろう、という指摘がある。

 ルカシェンコにとって、米国市場へのアクセスと、マゼピンとのカルテルは大きな追い風となるはずだ。そのためなら、多くのことを許す価値がある。2020年のマゼピンの政治的振る舞いさえも。今回、ルカシェンコはマゼピンに、マゼピンの母親がまだミンスクに住んでいることに言及し、人質的なニュアンスをほのめかした。それは、2013年のような事態が再び起きず、カルテル参加者間で達した合意が少なくともロシア側によって破られないことを保証する、なかなか有力な担保でもあるのだ。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

15-04

 ウクライナの地名をウクライナ語読みで読みましょうというのは分かるのだが、ことチェルノブイリに関してだけは、個人的に依然としてロシア語読みがしっくり来る。そんなわけで、昨日4月26日、1986年の原発事故から40周年という節目を迎えた。

 この事故では、実は最大の被害国はベラルーシであり、放射性降下物の7割がベラルーシに降り注いだと言われている。それに関連し、こちらの記事が目に留まった。ベラルーシ戦略研究所のアナリストであるS.ジューク氏がタス通信に語ったところによると、40年前に起きたこの災害は、20世紀においてベラルーシ国民にとって、大祖国戦争に次ぐ規模の存亡的危機であった。ベラルーシ領土の放射能汚染は程度の差こそあれ共和国全体に及んだ。国土の23%以上が、心血管疾患や代謝障害を引き起こす可能性のある放射性核種セシウム137に汚染された。特に大きな被害を受けたのは、ベラルーシのゴメリ州、モギリョフ州、ブレスト州であった。汚染地域には3,678の居住地が含まれ、そこには約220万人が暮らしていた。479の居住地は消滅した。立入禁止区域の面積は約1,700平方キロメートルに及ぶ。13.7万人以上が強制移住を余儀なくされた。この災害の規模を踏まえ、1990年にはベラルーシ・ソビエト社会主義共和国は環境災害地域と宣言された。しかし、ベラルーシは汚染地域における経済の回復に成功した。数十万ヘクタールの土地が再び経済活動に復帰し、産業構造の転換が図られ、世界に類例のない放射線管理システムが構築されたと、ジューク氏は語った。

 他方、この間、ベラルーシ自身が独自の原発「ベラルーシ原発」を手にし、これが今日ではベラルーシの電力供給の主力となっている現実がある。こちらの記事によると、このほどベラルーシ・エネルギー省は、その成果につき次のように誇示した。ベラルーシ原発はこれまでの累計で、600億キロワット時の電力を発電した。これにより、約160億立方メートルの天然ガスの節約が可能となった。発電所の各発電ユニットは、1日あたり約2,800万キロワット時の電力を生産している。ベラルーシにおける総発電量に占める原子力発電の割合は、およそ40%に達している。ベラルーシ原発は、我が国のエネルギー安全保障に寄与し、国民および経済への安定した電力供給を確保するとともに、天然ガスの使用削減を可能にしていると、エネルギー省は成果を誇ってみせた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

101

 以前、照井希衣著『ベラルーシ獄中留学記』を紹介しましたが、それに関連する企画として、ベラルーシ情勢について私がインタビューに応じたものがこちらこちらに出てますので、よかったらご笑覧ください。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

20260319_180345

 このほど、こんな本が出ることになった。照井希衣著『ベラルーシ獄中留学記』(小学館)というものである。

 旧ソ連での撮り鉄活動に傾倒した「私」は、2024年12月、新たな”被写体”を求め、ヨーロッパ最後の独裁国家・ベラルーシへ向かった。撮り鉄活動は警察沙汰になってしまう。取り調べのさなか、迷惑をかけまいと友人との連絡を隠そうとしたことが仇となり、「私」は拘束され、そして投獄された。孤独の中、獄中でロシア語を学びながら「私」は考える。自身の性同一性障害のこと、父親との関係、そして人生について―― 200 日にわたる獄中”留学”記。ノンフィクション・エッセイです。

 ここだけの話だが、私はこの本の監修を引き受けた。ただ、編集側より、名前を出しても、出さなくてもいいと言われたので、熟慮の末、出さないことにした。もうベラルーシには10年以上行けていないが、もしかしたら、私自身そのうちベラルーシ渡航を試みる機会もあるかもしれない。その時に、この本の監修者として名が刻まれていたら、入国を拒否されたり現地で嫌がらせを受けるリスクはいくばくかでも高まるだろう。最初はそうしたことも含め「覚悟」をして監修を引き受けたつもりだったが、名前を出さなくてもいいというのであれば、ここは実利的に対応しておこうかと、最終的に判断した。

 著者の照井希衣さんは「海外撮り鉄」であり、旧ソ連圏自体には必ずしも詳しいわけではない。というか、現地事情を知らない著者が、投獄という逆境を逆手に取り、獄中でベラルーシという国やロシア語を学んでいくというのが、この本のストーリーである。

 そうでありながら、この本は旧ソ連圏に精通した皆さんにとっても、興味深く読め、学ぶところが多いだろう。今日、ロシアやベラルーシに渡航すること自体は難しくなく、実際に普通に行って何のトラブルもなく帰ってこられる人が大半だろう。しかし、本人も気付かぬうちに、実は塀の上を歩くきわどい状況になっていることがある。そして、ちょっと足を踏み外しただけで、塀の向こう側に転げ落ちてしまう。日本人にありがちな性善説的な発想で、「鉄道を撮って見付かれば多少は怒られたりするかもしれないが、趣味で撮っていることを説明すれば許してくれるはずだ」などとタカをくくるのは、禁物だ。現地当局は、少しでも疑うべき点があれば、徹底的に取り締まろうとする。そして、いったんその餌食になれば、先方にとっては貴重な外交カード、「飯のタネ」に化ける、というわけである。この恐ろしいメカニズムを、実際の体験者が綴ったのが、本書である。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

4344a

 先日来、当ブログで中国絡みの話題が多いとお感じになったかもしれないが、お察しの通り、とあるところの原稿を書く用事があり、それに向けて中国とロシア・NIS諸国との経済関係の情報を収集したものだった。今回もその残り物。

 すでに、中国とロシアおよびウクライナとの貿易動向のグラフはお目にかけたので、本日は残りの個人的関心が強いベラルーシ、モルドバ、カザフスタン、ウズベキスタンを取り上げる。まず中国とベラルーシの貿易動向が上図の通り。ベラルーシ側の意気込みにもかかわらず、2024年、2025年と対中輸出が低下しており、これは主力のカリ肥料の不振によると見られる。

 中国とモルドバの貿易動向が下図のとおり。モルドバとしては、中国向けにワイン等食品や家具の輸出を増やしたいという意向があり、それゆえに中国とのFTA交渉も進めているのだが、現実には対中輸出は伸び悩み、対中貿易赤字は膨らむ一方である。

4344b

 対中輸出が伸び悩み、対中貿易赤字が定着しているという意味では、以下の中央アジア2カ国も同じである。

4344c

4344d

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

101

 中国と欧州をコンテナ貨物列車で結ぶ「中欧班列」に関しては、当ブログで定期的に取り上げている。今般、2025年の運行・輸送データが発表されたので、上図のとおりグラフを更新した。

 2025年の中欧班列は、運行本数こそ20,022本で前年比3.2%増だったが、貨物量は205万TEUで前年比1.3%減だった。立ち上げ以来、右肩上がりで成長してきた中欧班列の輸送量が、ついに減少に転じたことになる。

 実は中欧班列はもっと早くに危機に直面しており、2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を始めたことで欧州を中心に顧客が侵略国ロシアおよびその同盟国ベラルーシ領を経由する中欧班列を敬遠するようになった。その結果、中欧班列の中国~欧州間のトランジット輸送は大幅減となったのだが、中国鉄道では中国~ユーラシア諸国(カザフスタン、ロシア、ベラルーシ)も中欧班列の実績にカウントしているので、この間に伸びてきた中露貿易を背景に、中欧班列のパフォーマンスも一見低下していなかったのである。2024年には、紅海危機で中欧班列の利用価値が見直され、トランジット輸送も若干盛り返した。しかし、その追い風も長続きせず、また2025年には肝心の中露貿易も減少に転じたため(特に中国からロシアへの自動車輸出減がコンテナ輸送に響いたはず)、ついに中欧班列トータルとしての貨物量が低下する事態となったのである。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

65

 2012年、中国の吉利汽車(Geely)がベラルーシ政府と投資契約を結び、合弁企業「ベルジー(BELGEE)」を設立、ベラルーシでのGeelyブランド車の現地生産に乗り出した。2017年11月、ベルジーによるベラルーシでの量産が始まった。独裁者のルカシェンコは、ベルジー社によるベラルーシ国民車の生産立ち上げを「私の夢」とまで呼んで熱心に推進してきた経緯があり、ついにその夢が実現した形であった。工場は当初、Geelyブランド車の生産に注力していたが、最近になり独自のBELGEEブランドにシフト、ロシア市場への供給実績も挙げている。

 そして、そのベルジー社の最近の経営実績に関し、こちらの記事が伝えているので、以下抄訳しておく。

 ベラルーシの自動車工場ベルジーは、2025年を同社にとって過去最高となる生産台数、9万台超で終える見通しで、設定された計画を上回る結果となる。同社のG.スヴィデルスキー社長が明らかにした。社長は、工場の近代化における第1段階がすでに成功裏に完了したと強調した。

 社長によれば、近代化の過程で最大の課題となったのは塗装ラインの最適化だった。この問題を解決するため、同工場ではシーリング材の塗布工程および車体塗装工程の双方において、追加のロボット化設備を導入した。さらに、「ウェット・オン・ウェット(湿式重ね塗り)」技術への移行も実施され、これによりエネルギー消費の削減だけでなく、塗装工場の生産能力を2倍に高めることが可能となった。

 ベラルーシ国内市場では、2025年に2万8,500台のベルジー車が販売される見込みで、これは前年の実績を14%上回る数字である。消費者の間で最も人気が高いのは、Belgee X50、Belgee S50、Belgee X70の各モデルで、なかでもX50が販売台数で圧倒的な首位を維持している。

 2026年の計画としては、Belgee X50のフェイスリフト(マイナーチェンジ)版の投入に加え、新型コンパクトクロスオーバーGeely Cityrayの販売開始が予定されており、同モデルはBelgeeブランドのラインナップに加えられる。これらのプロジェクトは、2026年の最優先事項となる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

Foreign_Trade

 これまで何度も触れてきた問題だが、とにかく私の研究の必要上、ロシアの詳しい貿易統計が手に入らないのが困る。現時点でロシア当局が発表しているのは、輸出入の総額、その大陸別の内訳、ごく大まかな商品分類(「鉱物」とか「農産物・食品」とか「機械」というレベルに留まる)だけである。2025年にロシアが日本とどれだけ輸出入を行ったかということすら、ロシア側の統計からは確認できない。もちろん、いわゆるミラーデータ、つまり日本側の統計を見れば、日露貿易のトレンドは掴めるわけだが、すべての国が日本のように貿易統計を迅速・的確に発表するわけではないので、その方法でロシア貿易の全体像を把握するのは至難なのである。意外にもロシア税関が2023年分までは紙の通関統計集を発行していることが明らかになったので、私などはそれを使って懸命に分析作業を試みたが、それとて2023年分で途切れてしまった。

 それで、このほど所属先のスラ研図書館より、『CIS貿易統計集』の最新版が入荷するという情報が届いた。まだその現物は目にしていないが、もしかしたらCIS国際統計委員会のサイトからダウンロードできるかもしれないと思いチェックしてみたら、こちらのページから最新版(2024年のデータを採録した2025年版)がバッチリダウンロードできた。このあたりは時代の進歩を感じる。

 しかし、くだんの貿易統計集をダウンロードし目を通してみたら、その内容には失望した。この統計集は、前半はCIS全体の貿易パフォーマンスを示し、後半は国ごとにより詳しい情報を掲載するという構成になっている。ところが、ロシアとベラルーシは、後半への詳細情報の提供を一切行っていないのである。以前はデータ開示に消極的だったウズベキスタンは今ではちゃんとデータを出しているし、CIS脱退に動きつつあるモルドバですらも律儀にデータを提供しているのに、ユーラシア経済統合の中核を自任するロシアとベラルーシがCIS貿易統計集にデータを出さなくなったとは、嘆かわしい限りだ。

 私はここ3年ほど、CIS貿易統計集を見る機会がなかったので、過去に遡って調べてみた。そしたら、2022年のデータを採録した2023年版から、ロシアとベラルーシは詳細情報を出さなくなっていたようだ。不思議なことに紙のロシア通関統計集は2023年版まで出たわけだが、CIS貿易統計集での情報シャットアウトはそれより早く徹底していたことになる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1765

 こちらの記事に出ている、ロシアとベラルーシが共同で19席クラスの軽多用途航空機「ЛМС-192 «Освей»」(オスヴェイ)を開発しているという話は、個人的に今まで知らなかったので、以下で記事の要旨をまとめておく。なお、オスヴェイという機種の名前は、ベラルーシ北部にある湖の名前からとられており、ロシア語圏ではバイカルとかラドガとか、飛行機に湖の名前を付けることが多いそうだ。

 なお、生産拠点となるのは、ベラルーシのバラノヴィチ市にある第558航空機修理工場というところである。

 記事によると、19人乗り小型機「オスヴェイ」の開発および、公開株式会社「第558航空機修理工場」を拠点とする量産体制の構築に関する投資プロジェクトは、航空機製造分野におけるロシアとベラルーシの包括的な省庁間協力プログラムの枠組みの中で実施されている。本プロジェクトに関し、このほどベラルーシ下院のA.ライコ議員が国営テレビで以下のように発言した。小型航空機「オスヴェイ」の試作機は2026年に完成する予定で、そのデザインは当初のものとは異なる可能性がある。来年には最初の試作機がすでに完成する見込み。実際のところ、この技術で複数の試作機を製作し、それらを試験運用にかける必要がある。当初示された試作機が、そのままのデザイン、そのままの姿で量産される保証はない。つまり、ロシア政府、ロシアの軍需産業との技術的な協力体制は常に変化し、試行錯誤が続けられており、そうして具体的な製品を作り上げていくのだ。議員は以上のように説明した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

000019

 ベラルーシは北部のオストロヴェツに「ベラルーシ原発」を建設し、すでに2号機までが稼働しているが、こちらの記事によると、さらに原発を増設することを検討しているということである。

 記事によると、11月14日に最高権力者のルカシェンコ氏を交えて、原発の増設に関する政権幹部会議が開催された。ルカシェンコによれば、第1案は、オストロヴェツ原発に追加で新しい原子炉を建設すること。その場合、設置場所、生産、技術、社会インフラなど、必要な条件と専門家がすべて揃っている。つまり、より安価に建設できる。しかも、そこの土壌はすでに徹底的に調査済みで、これ以上調査する必要はない。第2案は、地質条件が許す国の東部に新たな原発を建設することである。この建設用地は、ベラルーシ原発の建設検討時に既に精査されていた。新たな場所でのゼロからの建設は、より多くの資金と組織的な決定を必要とするが、東部地域の発展に強力な推進力をもたらすだろう。東部を、ベラルーシの高度に発展した地域へと変貌させる。それは、新たな雇用創出、投資誘致、革新的なプロジェクトの実施、新技術の導入につながるだろうと、ルカシェンコは述べた。その上でルカシェンコは、「ロシアのプーチン大統領とは、9月末に開催された世界原子力週間での会談において、原子力分野における協力について協議した。ロシア側の理解と支持は得られている。次は我々の番だ。まず、我々は進めるかどうかを決定しなければない。進めるのであれば、いつ、どこで進めるのか、だ。原子力エネルギーはベラルーシにとって奇跡だ」と述べた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

20250906_080920

 前のエントリーで、個人的には不案内な「hi」という家電ブランドについて触れたが、気になったのでChatGPTに訊いてみた。最初は中国ブランドだと思い、そのように質問したところ要領を得ない回答だったのだが、上掲の画像を見せたところ合点が行ったようで、これはむしろベラルーシ発の家電ブランドということだった。ベラルーシ・ブランドながら、中国でも生産をしているので、その点で個人的に勘違いしてしまった。以下がChatGPT回答のとりまとめ。

 右上の「hi!」のロゴは、中国ブランドではなく、ベラルーシの家電ブランド「hi!」 のものです。「hi!」は、ベラルーシの首都ミンスクに本社を持つHome Appliances LLCが展開している家電ブランド。電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機など、生活家電を取り扱っています。ロシアやCIS(独立国家共同体)向けに流通しており、パッケージや説明はロシア語表記が多いです。中国の Haier(ハイアール)、Hisense(ハイセンス)とは無関係。結論:ご覧になった「hi」ブランドは中国製ではなく、ベラルーシ発のローカル家電ブランドです。

 実は「hi!」は、ベラルーシの家電ブランドとして広く展開されている一方で、ロシア発の自社ブランド(プライベートブランド、PB)という側面も持ち合わせています。「Hi」はロシアの家電量販チェーン「Эльдорадо(エルドラド)」が2007年に自社向けPBとして立ち上げたブランドで、英語表記では「HITECHNIC」ともされます。元々テレビ向けにスタートし、後に電子レンジや冷蔵庫、洗濯機など家電全般へと展開が拡大されました。このブランドは価格を抑えつつも幅広い機能を備えることを重視した製品展開をしています。「Hi」シリーズの製品生産は多国籍な体制で行われており、「ロシア」「トルコ」「中国」「ベラルーシ」が主な生産国として挙げられています。そのため、今回お手元にある電子レンジが「ベラルーシ製(Made in Belarus)」であることは、この多国間調達戦略の結果と考えられます。このブランドは2019年に本格的に展開され、ロシア国内外の市場で存在感を拡大しています。主に量販店「Эльдорадо」および「M.Video」などのチェーン店舗が販売元となっています。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

a

 ロシア旅行中につき、ブログは手抜きとさせていただいているが、現在滞在中のスルグトのショッピングセンターでMヴィデオの店舗に出向き、店頭調査を行ったので、忘れないように記事にしておく。昔はロシア出張のたびに必ず家電店に出向いていたものだったが、超久し振りだ。

 ちなみに、今回ロシアに来て、写真撮影に関する許容度がかなり上がったと感じている。昔は、ショッピングセンターで写真を撮っていると、守衛や店員に見付かって咎められたものだった(守衛などは写真撮影を阻止することを主要業務と信じているフシがあった)。しかし、スマホが普及し、写真を撮るという行為がカジュアルになったからか、今回はそのような場面に出くわしていない。

 ロシアのテレビ市場と言えば、以前はロシア現地工場を構えるサムスン、LGという韓国勢に席巻されていた。それが、今回は韓国ブランドはLGが1台あっただけで(ロシア製ではなく中国製)、サムスンは見当たらなかった。TCL、ハイアールを中心とした中国製が圧倒的である。ベラルーシ製のhiというブランドが小型テレビをラインナップしていたが、素性は分からず。日本ブランドではなぜか東芝だけが売られていた(中国製)。

b

 とはいえ、韓国ブランドがロシアから消えたわけではなく、特にスマホなどではサムスンが最高級ブランドの地位を占めている印象。さすがに現地生産は取りやめたが、ロシアへの輸出に関しては実質放置というのが、韓国勢のスタンスか。

c

 なお、スマホ繋がりで言うと、これはMヴィデオ店内ではないが、ショッピングセンターにはなんちゃってアップルストア的なものがあり、そこにアップル製品がラインナップされている。並行輸入品であり、必ずしも最新機種でない、割高、アクティベイトがややこしいなど、障害はあるのだろうが、一応iPhoneを購入することは引き続き可能。

h

 電子レンジは韓国勢が目立ち、マレーシア製サムスン、中国製LGなどが多い。ここでも謎ブランド「hi」が多く、半分は中国製、半分はベラルーシ製だった。この「hi」ブランド、ハイアールともハイセンスとも違うと思うのだが、ちょっと調べたものの、素性は突き止められなかった。ミンスクに工場がある中国系のMideaは、中国製とベラルーシ製が半々。なお、電子レンジも、やはり中国製の東芝がチラホラ。

e

 冷蔵庫は、空洞部分が大きく、輸送するのが非効率なアイテムなので、現地生産化が進みやすい。今回の調査でも、BEKO、Grundig、Indesitなどのロシア製が多いことが確認できた。ただ、ハイセンス、Gorenjeといったブランドのセルビア製の製品が結構あったのが意外だった。それと、EU圏のハンガリー製「AEG」が1台あったのが、ご愛敬。「hi」の冷蔵庫には中国製とベラルーシ製とロシア製とがあり、このブランドの謎がますます深まる。昔はベラルーシのアトラントがもっと多かったのだが、今回は冷凍庫を1台見かけただけで、悲哀を感じた。

f

 洗濯機もやはり現地生産化しやすい商品で、今回の調査でもロシア製のCandy(香港をベースとしたブランドらしい)がかなり多かった。Indesitも一応あった。あとはブランドを問わず中国製という印象。

d

 そんなわけで、中国ブランド、中国工場製品が圧倒的に幅を利かしているという、予想通りの結果ではあった。ちなみに、Mヴィデオ店舗の向かい側には、ハイアールの専門店も店を構えていた。

g

 「hi」ブランドにつき、事実誤認があったので、次のエントリーで補足。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

47

 あるところでやった講演に向け、上掲のようなグラフを作成したのだけど、他に使う予定はないので、もったいないからここに掲載することにする。ウクライナ・モルドバ・ベラルーシは、ロシアとEUの狭間に位置し、過去10年あまり、地政学的帰属をめぐって揺れてきた。そこで、危機前と位置付けられる2012年と、最新の2024年で、それら3国の商品輸出入相手地域がどのように変化したかを図示したものである。

 ウクライナは、元々、対ロシアと対EUの比率が同じくらいだったのが、決然とEU路線を選択し、今やロシアとの貿易は法的に禁止されゼロになっており、構造が一変した。モルドバも、かつては輸出市場としてもガス輸入相手国としてもロシアへの依存度が高かったが、大幅にEUへとシフトした。

 それに対し、従来以上にロシアへの依存度を増しているのがベラルーシであり、それは特に輸出において顕著である。一方、輸入において対ロシアの比率が低下しているのが奇異に思われるが、それはベラルーシ原発が稼働しロシアから輸入するガスの需要が低下したこと、またベラルーシ石油精製業が制裁で輸出不振に陥りロシアから原油を輸入する必要性が低下したことに起因していよう。

 ここで興味深いのは、「その他CIS」という項目である(なおウクライナはすでにCIS離脱を表明しているがここでは便宜的にCISにカウントする)。ウクライナとベラルーシはその比率がかなり縮小し、モルドバはあまり変わっていない。ウクライナとベラルーシは両国間での相互貿易がかなり大きかったが、それが戦争で途絶えたため、両国とも「その他CIS」が減少したものである。一方、モルドバの「その他CIS」取引は大部分が対ウクライナで、モルドバはウクライナ向けの石油製品供給の中継拠点となっていることなどから、「その他CIS」の数字があまり減っていないということになる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

000

 ベラルーシは以前は自国の主力輸出品であるカリ肥料や石油製品をEU圏のバルト諸国の港から積み出していたのだが、2020年以降のEUとの対立を背景に、ロシアの港(主にバルト海港湾)にシフトした経緯がある。こちらの記事が、ロシア鉄道がそのオペレーションのためのインフラを増強するという話題を伝えている。

 記事によると、4月10日にミンスクで鉄道輸送関係の国際会議が開催され、その席でロシア鉄道のA.コズロフ外国プロジェクト・国際協力局長が、ベラルーシ貨物を拡大するためのインフラ開発について論じた。

 コズロフ局長いわく、ベラルーシ鉄道は我々にとって戦略的で重要なパートナーだ。2024年には、ロシア・ベラルーシ間のコンテナその他の鉄道輸送量が増加した。輸送量を増加させるため、2024年から2026年にかけてのロシア・ベラルーシ連合国家の輸送システム機能計画の枠組みを含め、インフラ整備を進めている。重要なのは、2027年末までに最大2,000万tのベラルーシ貨物の輸送を可能にするための、ロシア北西部の港湾方向へのインフラ整備だ。作業は予定より早く進んでおり、最初の成果は今年中に現れるだろう。コズロフ局長は以上のように述べた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

m202504cover

 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2025年4月号のご案内。4月号は、「ロシア・NISの石油ガスと脱炭素の展望」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。

 服部は今号では、特集の枠内で、「独裁が長期化するベラルーシの経済・産業模様」という長目のレポートを書きました。そのほか、特集の枠外の連載記事として、「国交75周年の中の2024年ロ中経済協力」「2024年のウクライナ貿易は完全復調とは行かず」を執筆。久し振りの3ヵ国揃い踏み。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

000022

 例のウクライナのレアアース騒ぎを受け、何を色めき立ったか、ベラルーシの独裁者ルカシェンコまでもが「我が国でもレアアース資源を探せ」などという指示を出したものだから、関連の情報がいくつか出ている。

 まず、こちらの記事で、ベラルーシの地質研究・生産センターのV.コルブ副所長が、ベラルーシの資源状況につき以下のように述べている。ベラルーシのレアアース資源は、ソ連時代に確認された。特にモリブデンとツリウムである(注:モリブデンはレアアースには該当しないが)。これらは200~250mとかなり深いところにある。しかし、現時点ではより詳細な調査を行っているところで、商業生産を語るのは時期尚早。生産に入るためには、一連の地質学的探査作業を実施する必要がある。具体的な産出深度を決定し、資源量と埋蔵量を計算する。最も重要なことは、これらの元素の抽出技術を決めること。ベラルーシにはそのような経験がない。世界の技術を研究したり、ロシアの専門機関に照会したりしなければならない。そして、経済的に採算が合うかどうか、さらに詳細な作業を行うのが理に適っているかどうかを見極めることになる。(ゴメリとドブルシのエリアでゲルマニウム、ツリウム、銀、金を含む約15の元素の含有量の増加がそこで検出され、関連作業が行われてかどうかに関し)深度のマッピング作業が行われている。このエリアはかなり困難な場所で、700~900m付近に資源がある。今のところ、その見込みについて地域を特定している。どの地点で特定の金属や元素の含有量が最も高いか。その後、実現可能性についてさらに詳しく検討する。コルブは以上のように述べた。

 次に、ロシア側の専門家であるN.カルポヴァ氏が、こちらの記事の中でコメントしている。いくつかのデータによれば、ベラルーシにはレアアースの小規模な鉱床がある。イットリウムとイッテルビウムの痕跡が指摘されているゴメリ州ジトコヴィチ地区にある結晶基盤の岩石と、グロドノ州シチュチンスキー地区とグロドノ地区が有望。専門家たちは、利用可能な地質学的資料の調査を開始し、その構成と作業範囲を決定している。2026年から2030年までの国家プログラム「地下資源」の草案に、計画中の活動を含める可能性が検討されている。ただ、現段階では、ベラルーシだけでなく、ロシアのヨーロッパ地域を含むヨーロッパ全体で、大規模な商業的レアアース採掘について語るのは時期尚早。ベラルーシの役割は資源というよりは主に研究開発になる。レアアース・レアメタルを使った仕事の理論と実践を積極的に発展させるための主要な分野になるだろう。ソ連時代から知られている冶金学者の学派は、幅広い開発を行い、ICT、レーザー、医療技術、省エネルギー、バイオテクノロジーの専門家も同様に価値ある貢献ができる。カルポヴァはこのように述べた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

or

 今般ロシアのM.オレーシキン大統領府副長官がベラルーシを訪問し、最高権力者のA.ルカシェンコと会談したということである。その中でロシア側はいくつか具体的なベラルーシへの投資プロジェクトを提案したようだ。オレーシキンはプーチンのお気に入りなどとも言われているので、これはプーチン政権としての正式な提案ということになろう。

 まず、こちらに見るように、ベラルーシにデータセンターを建設することを提案した。ベラルーシ原発が稼働したので、その電力の有効活用という意味合いだろう。記事によるとオレーシキンは、「ミンスク州とオルシャ市にロジスティクス・センターを計画しているが、それだけでなく、我々はベラルーシに大規模なデータ処理センターを建設する可能性を検討している。使用可能な電力容量がある。データ経済における協力の可能な分野としては、デジタル・プラットフォームや標準の作成と導入、原子力発電を利用したデータセンターの建設、人工知能分野における共同研究センターの設立、法律の調和などが挙げられる。ここで、両国はまだやることがあるように思える。科学的な分野、訓練や研究において、私たちはもっと緊密に交流する必要がある。もっと積極的に前進する必要がある」と発言した。

 もう一つ、こちらによると、(軍事用なのか民生用なのかは不明だが)無人機の生産工場をベラルーシに建設することも提案した。こちらは、ベラルーシでは高度人材を得やすいという判断なのか、はたまたロシア本土と違いベラルーシに工場があればウクライナの攻撃を受けにくいという判断なのか。記事によるとオレーシキンは、「基本的な提案は、年間10万台の無人機を生産できる工場を1年以内に建設するというものだ。これがロシア側の提案だ。現在、我々はパラメータについて議論しており、今後合意する予定だ。ベラルーシは、国の経済と安全保障を真に主権的なものにするために、独自の生産設備を持つべきだ。我々は、ロシアで利用可能な技術開発やソリューションを利用することについて話している。そして、共通の技術プラットフォームを使用することで、経済効率を確保することができる」と発言した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

2091

 強権的なルカシェンコ体制下のベラルーシにあって、国鉄のベラルーシ鉄道は、気骨を示したことがある。2020年の脱ルカシェンコ運動時には労働者の団結が見られたし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始時にはロシア軍のための輸送を妨害する地下運動もあった。そして、今般初めて知ったのだが、こちらに見るとおり、そうした流れで、ベラルーシ鉄道の輸送状況や内情を情報発信するサイトが存在することが分かった。

 ロシアもベラルーシも現在、詳しい貿易統計を発表していないので、ロシア・ベラルーシの貿易の実情は、闇の中である。そうした中、くだんのサイトでは、ベラルーシ鉄道によってベラルーシからロシアに運ばれた貨物のきわめて詳細な情報を発信しており、どうやって情報を収集しているのかはちょっと見当がつかないが、とにかく有益である。

 それ以上に驚いたのは、2024年にロシアのどの軍需工場からベラルーシのどの部隊に鉄道で兵器が運ばれたかといった情報まで出ている。これはなかなかシビレる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

Mineral

 米地質調査所は、Mineral Commodity Summariesというレポートを、毎年刊行している。世界各国の鉱物資源の埋蔵量や生産量を網羅した、なかなか有難い資料だ。

 当ブログでは、ロシアにおいて経済統計の開示度が低下していると苦言を呈することが多いが、実はベラルーシはもっと徹底していて、たとえば同国にとり最重要な輸出品目である塩化カリウムの生産動向が、2021年以降国家機密となっている。そこで、2021年以降に関しては、米地質調査所レポートに出ている推計値を用い、個人的に以下のようなグラフを作成している。

122

 ちなみに、同レポートにはレアアースというページもあるのだが、そこにはウクライナが一言も出てこない。スカンジウムのところで、ちょろっと言及されるだけである。このレポートを紐解けば、ウクライナが潤沢なレアアース資源を抱えているわけではないことなど一目瞭然なのだが、果たしてトランプのチームはこのレポートをちゃんと読んだり、あるいは米地質調査所のスタッフから聞き取りをしたりしたのだろうか? それとも職員解雇しちゃった?


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1786

 2023~2024年のロシアにおけるブランド別の乗用車販売を示した上表を見ると、中国系ブランドばかりがずらりと並んでおり、壮観である。1位のLadaこそロシア地場メーカーであるAvtoVAZのブランドだが、他は全部中国系と言って差し支えない。2024年のロシア市場における中国ブランド車の比率は、約6割に上ったということだ。初めて知ったが、10位のTankというのも中国Great Wall Motorのオフロード車サブブランドということである。中国メーカーはサブブランドが多く、覚えるのが大変だ。

 さて、問題は9位のBelgeeなのだが、これは中国のGeelyとベラルーシがミンスク郊外に建設した合弁工場である。同合弁は、当初はGeelyブランド車のみを生産していたが、2023年からは独自のBelgeeブランド車の生産も開始され、2024年の生産内訳はBelgeeが約6万台、Geelyが約3万台となった。2024年に生産された9万台のうち、ベラルーシ国内で販売されたのは2.5万台で、残りはすべてロシアに輸出されたということである。ということは、2024年にロシア市場で売られた15万台弱のGeely車のうち、2万台程度がベラルーシ産であり、残り13万台程度がおそらく中国からの輸入といったところだろうか。Belgeeブランド車に関しては、中国車とはカウントしないのが正解なのだろう。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

2074

 国際情報サイト「Foresight」に、「ロシア・ウクライナ戦争を奇貨に生き延びたベラルーシの独裁者ルカシェンコ」と題する論考を寄稿しました。こちらが上こちらが下となります。なお、全文閲覧には有料購読が必要です。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

2069

 Wedge ONLINEに、「『弾圧のベルトコンベア』で抑圧するルカシェンコ それでも国民がベラルーシに住む理由」を寄稿しました。無料でお読みになれますので、ぜひご利用ください。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

cnru

 私が研究している旧ソ連諸国にとって、中国との関係の重要性が高まっており、多くの国で中国が最大の貿易相手国という状況となっている。他方、ロシアやベラルーシが統計を出し渋る中で、発表されるのが早い中国の貿易統計は、有難い存在だ。そこで、今般発表された中国の2024年通関統計を利用し、中国と私の関係国との輸出入額を図示してお目にかけたい。本日は、国際的な孤立ゆえに中国に期待するところが大きいロシアとベラルーシを取り上げる。後日、ウクライナ、モルドバ、カザフスタン、ウズベキスタンも取り上げたい。

 まず、中国とロシアの貿易動向が上図のとおり。2024年の中国の対露輸出が1,155億ドルで前年比4.0%増、輸入が1,293億ドルで0.7%増だった。一応は拡大し、過去最高を更新はしたが、明らかに伸びは鈍化している。2024年に米バイデン政権が中国の銀行に二次制裁を適用し、中国の銀行や企業が対露取引を見合わせたことが大きかったと思われる。

 一方、2024年の中国の対ベラルーシ貿易は、輸出こそ65.8億ドルで前年比12.8%増だったが、輸入は18.1億ドルで30.5%減となった。ベラルーシが欧州で売れなくなったカリ肥料をコンテナに詰めてせっせと中国に輸出していると聞いていたので、中国の対ベラルーシ輸入減は少々意外だった。

cnby

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

2065

 ロシア『イズベスチヤ』のこちらのインタビュー記事で、ベラルーシのM.ルィジェンコフ外相が同国の対外政策について語っているので、気になった部分だけ発言内容を以下のとおりまとておく。2022年以降、ベラルーシは相手国別の貿易額を発表しなくなっているので、大まかにでもそれに言及した箇所が、貴重と言えば貴重である。

 今日、ロシアとの貿易はベラルーシの貿易総額の65~70%に近づいている。今日のロシアとの政治的な交流は非常に強力で強固なものであり、我が国の外交政策において他のいかなる戦略的方向性もそのレベルに到達することはできない。ロシアとの文化的、人道的な結びつき、共通の歴史ゆえに、他の国家や国家グループとこのような関係を繰り返すことは不可能である。伝統的な家庭生活からスラブ的な正教の価値観に至るまで、現代のあらゆる物事に対する両国によるアプローチのメンタリティも、他のいかなる相手とも再現することは不可能である。したがって、ロシアは常に最も重要な位置を占めている。今日、我々が置かれている状況により、この関係は発展のピークにあり、相互統合の道を最大限早く進むことができる。多くの輸入代替策や革新的な開発プログラムが実施されており、両国にとって強力な経済基盤となっている。ロシア抜きで我が国経済のあらゆる分野の発展を想像することは不可能である。2020年という年は、我々の真のパートナーが誰なのか、そして誰がベラルーシを、経済的観点から、あるいは資源基盤や地政学的野心の実現という観点から、常にパートナーとして見ているのかを如実に示している。

 あらゆる制裁にもかかわらず、ベラルーシとEUの貿易額は依然として約80億ドルに及んでいる。興味深いことに、この額のほとんどは、EU内でベラルーシを批判し、反ベラルーシのレトリックを展開する急先鋒の国に属している。つまり、ベラルーシ当局の違法性を訴え、制裁を唱える一方で、商売はしているのである。というわけで、今日、ベラルーシとの貿易と経済協力への関心は存在する。EUの中核諸国が、ますます関心を示している。このことは経済関係の各種のイベントによっても裏付けられている。

  ベラルーシはBRICSのパートナー国となったが、正式メンバーになる可能性も常にある。しかし、正式なメンバーになるためには、まずこの組織の主な参加者すべてに、我が国の意図が本気であること、そしてベラルーシがこの組織に求められていることを証明する必要があるだろう。BRICSのメンバーになることは、ベラルーシの課題である。しかし、組織内を見渡し、他の人々が私たちに慣れ、私たちの加盟希望が安定していることを確認してもらうことも必要だ。そうすれば展望が見えてくるだろう。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

bd

 講演動画「ルカシェンコの30年を経てベラルーシはどこへ向かうか?」をSRCのYouTubeチャンネルにアップしたので、ぜひご利用ください。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

22

 本日行う「ルカシェンコの30年を経てベラルーシはどこへ向かうか?」という講演に向け、準備しているところ。それに関連して、ちょっと面白いデータを見付けたので、紹介したい。

 反動化する一方のルカシェンコ体制下では、もはや自由な世論調査を大掛かりに実施したりはできない。そうした中、英国のチャタムハウスが、ベラルーシでのアンケート調査を細々と続けており、もはやベラルーシ国民の本音を垣間見る最後の手段のようになっている。

 今回私が注目したのは、2024年2月に実施されたアンケート調査で、貴方が最近「ベラルーシに生きていてよかった」と実感したのはどんな点か?と問うた設問の結果である。それをまとめたのが上図。ご覧のとおり、「戦争がない」という回答者が最多で、64%に上った。思うに、戦争アレルギーがどこよりも強いベラルーシにあっては、これは権力者と国民の社会契約のようなものであり、その最低限の合意を破ったら、いかに強権ルカシェンコといえども、国民に盛大に「ノー」を突き付けられそうである。以下、上位は「美しい自然」、「親切な国民」と続き、全然ルカシェンコの手柄ちゃうやんとなる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

56

 最近ロシアの経済・社会で一番問題となっているバターの不足・高騰につき、ちょっと考えてみた。

 まず、基礎的な指標として、ロシアにおける各種基礎商品の輸入依存度をまとめた表を、上掲のとおりお目にかける。これを見てお分かりのとおり、総じて自給率が高いロシアながら、牛肉、乳製品という「牛さん関係」は輸入依存度が高く、3割前後に上っている。ただ、乳製品などはベラルーシから輸入している分が多く、その場合には実質的に国内生産と言って差し支えない(?)。

 なお、上表は2021年で更新が止まってしまっているが、確認したところ、ロシア統計局は2022年以降の当該指標を発表しなくなったようだ。食料安全保障にかかわる機微なデータということなのだろう。

 他方、ロシアは以前、EU諸国からかなりバターをはじめとする乳製品を輸入していた。しかし、2014年のクリミア併合で、欧米がロシアに経済制裁を科すと、ロシアはそれへの対抗制裁として欧米からの主要食品の輸入を禁止した。EUからのバターの輸入も止まり、ロシアはベラルーシと南米から輸入してしのいできたが、従来の主要供給国を切り捨てたことで、バターの輸入条件は悪化していたと言えるだろう。世界的にもバターは価格が上昇しているし、今般のようにルーブル安が加われば、ロシア国内市場が不安定化しやすい条件が整ってしまったのだろう。

 別の問題として、ロシアの場合、主要食品の自給率が一見高くても、それを生産するのに必要な原料や資材等を輸入に依存しているパターンがある。バターの場合は、7割が国産ということになっているが、原料となる生乳はかなり輸入している。したがって、国際的に生乳が不足したり価格上昇したりすれば、ルーブル安のロシアは苦しい。

 なお、先日テレビに出演した際に、「ロシアはバターの消費量が多いのか?」と訊かれ、さしたる根拠もなく「もちろんです」と答えてしまったのだが、その後改めてデータを確認してみた。こちらのサイトによると、ロシアにおける国民一人当たりの年間バター消費量は2.74kgで、世界36位ということだ。世界平均の1.55kg、日本の0.67kgよりはもちろん多いけれど、割と平凡な数字という気はする。他の私の関係国では、ベラルーシが4.44kgで18位、アゼルバイジャンが3.93kgで20位、モルドバが2.91kgで31位だった。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

↑このページのトップヘ