カテゴリ: ウクライナ
ウクライナ・サッカーで躍進するポリッシャ・ジトーミル

Jリーグが秋春制に移行し、チーム作りのシーズン前キャンプをどこでやるかという点に関し、対応が分かれている。大きく分けると、①日本国内の涼しいところでやる、②あえて日本国内の暑いところ(沖縄など)でやる、③海外でやる(Jリーグから補助も出る)、に大別されるのではないかと思う。我が清水エスパルスは③であり、オーストリアでキャンプを張り、その間に練習試合を2試合やることになっている。
それで、そのうちの一つが、7月14日に行われるウクライナ勢のFCポリッシャ・ジトーミルとの一戦となっている。ただ、私の認識にはないクラブだったので、ちょっと調べてみた。
そうしたところ、FCポリッシャ・ジトーミルは最近急激に力をつけてきた新興勢力で、2025/26シーズンにはプレミア3位に躍進していたことが分かった。あのディナモ・キーウを4位に蹴落としての快挙である。
クラブの起源は1959年までさかのぼるが、一度消滅。2016年頃から再建が始まる。2023年に初めてウクライナ・プレミアリーグへ昇格。わずか数年で上位争いをするクラブになったということだ。
近年は資金力を背景に、元ディナモ・キーウ所属選手、元ウクライナ代表選手、外国人選手を積極的に補強。市場価値もウクライナでは上位クラスで、キーウやドネツクに続くグループへ食い込もうとしている。監督が非常に有名で、かのルスラン・ロタン。元ウクライナ代表主将であり、代表で100試合以上出場し、長年、FCドニプロの中心選手だった。FCポリッシャ・ジトーミルは近年はUEFAカンファレンスリーグ予選にも出場している。
そして、FCポリッシャ・ジトーミルを短期間で強豪に押し上げたのが、ウクライナ財界ではかなり著名な実業家である、ヘンナジー・ブトケヴィチ(Геннадій Буткевич)。ブトケヴィチ氏は、ウクライナ最大級のスーパーマーケットチェーンであるATB(АТБ)の共同創業者・共同オーナー。ATBは全国に1,000店以上を展開するディスカウントスーパーで、戦時下でも事業を維持してきたウクライナ小売業の巨人。加えて、自ら設立した BGV Group Management を通じて、鉱業(ベリリウムなどレアメタル)、エネルギー、不動産開発、など幅広い事業を展開している。特にじとーみる州のペルジャンシク・ベリリウム鉱床の開発は、ウクライナの戦略鉱物政策とも関わる重要案件。2021年にBGV Groupを通じてFCポリッシャを買収。もともとクラブは市の管理下にあったが、資金難から発展が難しく、ジトーミル市長らの働きかけを受けてブトケヴィチ氏が本格的なオーナーとなった。買収前からクラブバスや設備などを支援しており、その延長線上でクラブ経営に乗り出した形ということだ。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ドイツ検察がノルドストリーム爆破へのウクライナ関与につき見解示す

BBCのロシア支局が、こちらの記事で、2022年に起きたバルト海底天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」の爆破事件に関するドイツ検察の見解を伝えているので、以下のとおり抄訳しておく。
ドイツ連邦検察は、ノルドストリームの爆破事件に関与した疑いで逮捕されたウクライナ人について、「ウクライナの国家機関」の指示を受けて行動していたとの見方を示した。同人は、ドイツ刑法の複数の条項に加え、民間インフラへの攻撃という戦争犯罪の容疑でも起訴されている。
ドイツ連邦検察の発表によれば、2022年当時、セルゲイ・K(ドイツでは公式発表で氏名はイニシャル表記となるが、報道では以前、セルゲイ・クズネツォフという氏名が伝えられていた)はウクライナ軍の将校だった。ロシアによる全面侵攻開始後、彼は「他の軍人ら」とともに、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」を爆破する計画を立案した。その目的は、ガス供給を妨害し、ロシアからガス輸出収入を奪うことにあったという。検察は、セルゲイ・Kが「ウクライナの国家機関の命令」に基づいて行動していたと主張している。
彼には、爆発物の使用、施設の破壊、公共サービスの機能妨害というドイツ刑法上の3つの罪に加え、国際法犯罪法典に基づく「民間インフラへの攻撃」という戦争犯罪の容疑もかけられている。
セルゲイ・Kのイタリア人弁護士ニコラ・カネストリーニは、検察が依頼人を戦争犯罪で起訴したことについて、「今回初めて、問題とされる行為が武力紛争、すなわち戦争という文脈の中で行われたものだと検察自身が認めたことになる」と述べた。
検察の見立てでは、セルゲイ・Kは職業ダイバー、ヨットの船長、爆発物の専門家から成るグループを組織した。2022年9月4日、彼は偽造されたウクライナ旅券を使ってポーランドからドイツへ入国し、その後、仲介者が偽造書類を用いて借りた帆船に共犯者らとともに乗り込んだ。
検察によれば、このグループは9月22日まで、デンマーク領ボーンホルム島沖のガスパイプラインに爆発装置を設置していた。そして同年9月26日、これらの装置が爆発し、その結果、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」の双方が損傷した。
検察はさらに、爆破事件以前には、「ノルドストリーム1」はドイツのエネルギー生産に必要な年間天然ガス需要のおよそ半分を輸送していたと指摘している。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
「心」を狙われたウクライナがロシアの「経済」を殴る構図へ…ドローン戦が泥沼化、宗教戦争の様相にも

Wedge ONLINEに、「『心』を狙われたウクライナがロシアの『経済』を殴る構図へ…ドローン戦が泥沼化、宗教戦争の様相にも」という論考を寄稿しましたので、ぜひご覧ください。ドローン戦に関し、独自の視点から考察してみたものです。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナのドローン大攻勢を支える「遺産」と「革新」

「ウクライナのドローン大攻勢を支える『遺産』と『革新』」と題するエキスパートトピを書きましたので、よかったらご利用ください。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
月報7月号「特集◆制裁下で進むロシア貿易の新常態」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年7月号のご案内。今号は「制裁下で進むロシア貿易の新常態」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今号では、私は貿易特集に合わせて「ロシア輸出産業・企業の動向 ―石炭・鉄鋼・非鉄・肥料・ダイヤ」というレポートを書き、また特集の枠外で「労働力の輸出国から不足国に転換するウクライナ」という連載記事を書いております。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナ出身識者が描く戦争の行方

正直私は知らなかったのだが、ウクライナ出身で現在は英在住のアリョーナ・フリウコという女性の政治評論家がいるそうである。こちらの記事で、同氏がロシア・ウクライナ戦争とそれをめぐる諸問題についてのインタビューに答えているので、以下発言要旨を整理しておく。
ウクライナによる製油所・石油インフラ攻撃は、すでにロシアの石油収入に目に見える打撃を与えている。2026年5月だけでロシアの石油収入は計画比7.1億ドル減少し、月間計画を10%下回った。 モスクワやサンクトペテルブルグ周辺にまで及ぶ長距離攻撃能力は、ロシアの戦争遂行能力を徐々に削いでいる。
米イラン間の緊張が収まれば、ワシントンの関心は再びウクライナに向かうだろう。ホルムズ海峡正常化で原油価格が下落すれば、ロシアの戦費調達能力も低下する。ただ、最近の米国は親ウクライナ的でも中立的でもなく、むしろロシア寄りの姿勢すら見せている。
ロシア軍は戦場で戦術的に劣勢にあり、春季攻勢は事実上失敗した。Starlink利用制限やウクライナの中距離攻撃能力がロシア軍の計画を狂わせた。ロシアは地上戦で成果が出ないため、民間人へのテロ攻撃を強化してウクライナの士気をくじこうとしている。
ウクライナの弱点は防空能力である。パトリオット迎撃ミサイルの供給国は限られており、米国在庫も中東情勢で消耗している。ウクライナには将来的に、自国製の「安価なパトリオット」を開発できる可能性がある。
ロシアのエリート層には、戦争への満足感はない。しかし、軍需経済から利益を得ており、体制転覆に向かうほどの不満もない。反戦感情は徐々に育つだろうが、独裁国家なので時間がかかる。いずれ異論が形成されるのは不可避だが、いつ誰かがプーチンを排除するかは分からない。
ウクライナは防衛している側であり、戦争を止めるかどうかを決める立場ではない。戦争を終わらせられる唯一の主体は侵略者であるロシア。欧州は当初米国任せだったが、米国の後退により主導的役割を果たそうとしている。欧州が米国のように領土放棄をウクライナに迫るべきではない。
戦争後、制裁解除やエネルギー収入回復が進めば、ロシアがさらに大胆になる可能性がある。ロシアの目的はバルト三国占領そのものよりも、「NATOは実際には機能しない」ことを証明することかもしれない。NATO諸国はロシアとの直接戦争を恐れており、その弱さをクレムリンは試そうとしている。NATOが機能しないと示されれば、中国も勢いづき、第三次世界大戦の危険が高まる恐れがある。
ベラルーシのルカシェンコがゼレンスキーに融和的な姿勢を見せたのは、自立した指導者としての立場を演出しようとしているため。ウクライナによる攻撃を恐れている面もある。しかし、こうした東西間のバランス外交は従来からの常套手段であり、信用すべきではない。
考えられる停戦の姿は、東部に厳格な停戦ラインを設ける、英仏を中心とする西側部隊をウクライナに駐留させる、強力に武装したウクライナを維持する、ロシアの脅威は次世代にも続くと覚悟するというもので、「公正で永続的な平和」は現状の西側指導者の下では困難。
プーチン・ゼレンスキー会談が動き出すのは、プーチンが行き詰まった時。プーチンが軍事的にこれ以上得るものがなくなり、欧米を揺さぶる余地も失われ、ウクライナ優勢が長期間続く、そのような状況になって初めてプーチンはゼレンスキーとの直接会談に応じるだろう。また、今年の冬はウクライナのインフラが傷んでいるため厳しい季節になるが、ロシア側にとっても厳しい冬になる。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
クリミアに「歴史」が戻ってきた
微妙なバランスが崩れるウクライナ・ベラルーシ関係

ベラルーシ出身の政治評論家V.カルバレヴィチ氏が、こちらのコラムでウクライナ・ベラルーシ関係について論じているので、以下のとおり要旨を整理しておく。
今回のゼレンスキーの最後通牒的な発言の背景にあるのは、ウクライナが自信を深め、ベラルーシをロシア・ベラルーシ軍事同盟の「弱い環」と見なすようになり、中立を装うミンスクに対し代償を求め始めたことにある。つまり、最近ベラルーシ側が何か新しい挑発をしたからではなく、戦争4年目を経て、ウクライナの対ベラルーシ姿勢が変化したのだ。
ベラルーシ軍は参戦せず、当国からのミサイル発射も2022年秋以降は行われていない。ベラルーシはその一方で軍需産業や石油製品供給で利益を得た。また、ルカシェンコは「平和の保証人」というイメージを国内で確立した。戦争のマイナスはロシアが負い、ベラルーシは利益を享受してきた。今回のゼレンスキーの圧力は、この比較的快適な状況を壊すものである。
もしルカシェンコが、ドローン中継設備を撤去したり、軍需支援や燃料供給を縮小するなら、ロシアから裏切りと受け取られる。一方、何もしなければ、ウクライナのドローン攻撃を受ける危険がある。したがって、「良い手が存在しない」という、チェスでいうツークツヴァンクの状態にある。
もしウクライナがベラルーシ国内を攻撃した場合、ロシアは再びベラルーシからのミサイル攻撃を再開するかもしれず、ベラルーシとロシアは一体化した軍事陣営になる。ベラルーシ主権はさらに失われる。西側諸国も戦争の欧州接近を歓迎しない。ベラルーシ反体制派への弾圧も激化する。このように、ウクライナ側にも利益があるとは限らない。
ゼレンスキーの要求は曖昧に書かれている。20日の発言は19日よりもトーンダウンしている。ウクライナもリスクを理解している。したがって、当面は心理的圧力と見るべきだ。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
キーウ・ペチェールシク修道院への攻撃に見る「救いのなさ」
ウクライナの攻撃でクリミア・ロシア南部で燃料不足深刻化
BBCのこちらの記事が、最近になりウクライナがロシア占領地およびロシア南部の燃料供給網に対するドローン攻撃を強化しており、その影響で現地では深刻な燃料不足が発生していることを伝えている。上掲地図も記事に添えられていたもの。
記事によると、ウクライナ軍はここに来て、ロシア占領地およびロシア南部の燃料供給網に対するドローン攻撃を強化している。その影響で、クリミアでは深刻な燃料不足が発生している。とくにロストフ州からマリウポリを経由してクリミアへ至る補給路は、ロシア軍の南部占領統治を支える大動脈とされるが、ウクライナは5月以降、このルート上の輸送車両に約300回の攻撃を実施し、その中には燃料輸送車も含まれる。その結果、クリミアではガソリンスタンドに長蛇の列ができ、購入制限や公共交通への影響も生じている。さらに、チョンハル橋(その位置は上掲地図参照)などの重要インフラへの攻撃も、補給を困難にしている。
専門家は、ウクライナの戦略が、従来の大規模製油所攻撃から、地域の燃料配送網や物流網への攻撃へと重点を移しつつあると分析する。こうした攻撃はロシア側の市民生活にも影響を与えているが、ロシア軍の兵站能力を低下させる効果もあるとみられ、占領地統治のコストを高めるとともに、ゼレンスキー大統領の掲げる「戦争をロシア側に持ち帰らせる」戦略の一環となっている。BBCは以上のように伝えている。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
月報6月号「特集◆安定と成長を模索するNIS経済」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年6月号のご案内。毎年6月号はロシア以外の旧ソ連新興独立諸国(NIS)に関する特集となっており、今回の特集は「安定と成長を模索するNIS経済」と題しております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
ただし、今般ROTOBOのウェブサイトがリニューアルされ、その結果、以前は各記事の前書きレベルの概要が掲載されていたものが、新しい仕様ではタイトルと執筆者だけになってしまいました。少々惜しいところです。
服部は今号では、NIS特集の枠内で、まず「2025~2026年のロシア・NIS諸国の経済トレンド」のウクライナの部分を担当しました。また、「気候変化と戦争が塗り替えるウクライナ農業地図」、「不退転で脱露入欧に進むモルドバ」という短いレポートと、照井希衣著『ベラルーシ獄中留学記』の書評を執筆。さらに、特集の枠外で、「急激に悪化するロシアの消費者信頼感指数」を書いております。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
月報5月号「特集◆混迷する国際情勢とロシア経済の行方」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年5月号のご案内。毎年5月号はロシアに関する総論的な特集となっており、今回の特集は「混迷する国際情勢とロシア経済の行方」と題しております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今回私は、「戦争と制裁下で再編されるロシアの企業城下町」と題する比較的まとまった調査レポートを書きました。「安全保障にかかわるロシアの政策文書体系」、「戦禍に耐えるウクライナ鉄鋼業」という短い連載記事も執筆。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
EUの国境炭素税とウクライナ鉄鋼業の苦境

鉄鋼関係の調査会社であるGMKが発表したこちらのレポートは、EUの国境炭素調整措置(CBAM)がウクライナの鉄鋼産業とマクロ経済に及ぼす影響を評価し、CBAMがはウクライナの鉄鋼産業に重大な競争上の不利をもたらし、長期的には産業縮小とGDP低下を引き起こす恐れがあると論じている。以下、レポートの要旨をざっとまとめておく。
ウクライナの鉄鋼業は、サプライチェーンを含めGDPの約7%を占める中核産業であり、輸出主導型の経済構造の柱でもある。しかしロシアの侵攻によって設備投資や脱炭素化プロジェクトが停止し、エネルギー価格の上昇もあって産業の競争力はすでに低下している。このような状況でEUがCBAMを導入したことは、ウクライナの鉄鋼産業にとって重大な追加的負担になる。
ウクライナの鉄鋼輸出は現在EU市場への依存度が非常に高く、2025年には輸出の約8割がEU向けだった。中国やロシアの鋼材が中東・トルコなどウクライナにとってのこれまでの主力市場で競争力を持つようになったため、EUが事実上唯一の大規模市場になっている。このためEUの環境規制はウクライナ鉄鋼産業の存続を左右する要因となる。
さらに、ウクライナの鉄鋼生産構造自体がCBAMに対して脆弱である。同国では高炉を中心とした従来型の製鋼プロセス(BF系)が生産の約9割を占めており、電炉主体の生産に比べて炭素排出量が大きい。このためEU域内の電炉メーカーやEAF型の輸出国と比較して、CBAMによる負担が相対的に重くなる。
制度設計上の問題もある。CBAMでは排出量データが検証されるまで暫定的に「デフォルト値」が使われるが、この値が実際より高く設定されているため、輸入鋼材に過大な負担を課す可能性がある。また検証作業を2026年に実施することが難しいこと(戦時下での監査困難など)も取引不確実性を高める。結果としてEU向け取引ではリスクが輸出側に転嫁される契約形態が増えている。
EUのCBAMは、2023~2025年が移行期間(報告のみ)で、今年2026年から課金制度が開始された(ただし精算は翌年)。2027年以降に制度が完全に運用されることになっている。
実際の貿易データを見ると、CBAM導入直後から影響が表れている。2026年初めにはEUの鉄鋼輸入が前年比18%減少し、ウクライナの鉄鋼輸出も14%減少した。特に条鋼では輸出が64%減少するなど打撃が大きく、ウクライナの条鋼メーカーはEU市場から事実上締め出されつつある。一方で熱延鋼板などのフラット製品は、EU市場での価格上昇によってCBAMコストをある程度価格転嫁できるため、影響は比較的小さい。
将来見通しとしては、CBAM負担は年々増加する仕組みになっているため、影響は時間とともに拡大する。特に2029〜2030年には負担が大きくなり、ウクライナの条鋼やビレット輸出はほぼ停止する可能性がある。また銑鉄輸出も低炭素原料であるHBIとの競争に敗れ、EU市場から押し出される可能性が高い。
ウクライナのマクロ経済への影響として、CBAMにより2030年までに鉄鋼輸出が大幅に減少し、サプライチェーンを含めGDPが最大2.1%押し下げられると推計される。さらに条鋼生産の高炉など複数の設備が停止し、主要製鉄所が閉鎖される可能性もある。鉄鋼産業は前線に近い東部地域の雇用を支えているため、社会的・安全保障的影響も大きい。
以上がGMKの報告要旨だった。CBAMそのものを否定するというよりも、ウクライナに対しては特別措置が必要だという主張になっている。戦争により投資が停滞している状況で脱炭素投資を自力で進めることは困難であり、CBAMの適用延期やEUによる脱炭素投資の資金支援が不可欠だとされている。そうした措置がなければ、ウクライナは鉄鋼など輸出産業を失い、外国援助への依存がさらに強まる可能性があると警告している。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ロシア国民のビーチ崇拝を裏付ける調査、だが背後に闇が

こちらの記事が、ある不動産開発会社がロシア国民を対象に行った調査結果を伝えている。住宅開発会社「白い砂浜」が行ったアンケート調査の結果、ロシア国民のおよそ50%が、退職する前に海辺へ移住してリモートワークをする計画を立てていることが明らかになった。回答者の73%が、山よりも海の方により強く魅力を感じると答えた。またほぼ同程度の72%が、海辺の住宅購入を単なる夢としてではなく、現実的な選択肢として検討している。さらに回答者の47%は、退職前の段階で海辺に移住し、リモートで働くことを計画している。海を選ぶ主な理由として回答者が挙げたのは、温暖な気候(回答者の49%)と、好きなときに泳げること(40%)だった。また回答者の44%は、水辺での生活は常に休暇を過ごしているような感覚をもたらすと考えている。さらに回答者の4分の1は、海辺にアパートを所有し、自ら住みながら収益も得るという形を望んでいる。一方、山については、景観の美しさ、雄大な風景、独特の雰囲気などが評価されているが、山間部の住宅を恒久的な居住地として検討する用意があると答えたのは回答者の28%にとどまった。購入の障害としては、回答者の25%がインフラからの距離を挙げ、22%が道路事情の不便さを指摘した。また約20%は、気圧の問題や頭痛などの健康上の問題を訴えている。
この記事をぱっと見た時には、ロシア国民の南国ビーチリゾート好きが改めて裏付けられたなという感想だった。しかし、調査を行ったくだんの住宅開発会社「白い砂浜」のことをちょっと調べてみたところ、この会社はウクライナ・ヘルソン州のロシア側占領地であるスカドフスクにおいてリゾートマンションを開発しているところであることが明らかになった。現に、同プロジェクトでは住宅ローンが年利2%という破格の低水準であることを売りにしているが、これはロシア政府が「新領土」を対象に設定している優遇ローンに他ならない。ということは、今回のタス通信の記事自体、ロシア国民の南国ビーチリゾート好きに訴求するような形で、占領地への移住を促進するキャンペーン的な位置付けの記事であると受け取って、それほど的外れではないだろう。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナの天然ガス輸入相手国は?
ウクライナがドルージバ原油パイプラインの復旧に消極的なことに反発したハンガリーは、ハンガリーからウクライナへの天然ガス輸出を停止する構えを見せている。それに関連して、ウクライナの「経済戦略センター」がFBページ上で上掲のような図を掲載していたので、拝見することにする。2025年にウクライナが輸入した天然ガスの相手国別内訳を示したものである。整理すると以下のとおりとなっている。
- ハンガリー:29.4億立米(45.5%)
- ポーランド:21.0億立米(32.5%)
- スロバキア:13.3億立米(20.6%)
- 南ルート1.0億立米(1.5%)
もっとも、ハンガリーからの輸入が最も多いと言っても、当然ハンガリー産のガスというわけではなく、パイプライン容量が大きくバルカン・トルコ系ガスに接続しているハンガリーから入ってきているという形であり、状況は複雑である。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
月報4月号「特集◆ユーラシアのエネルギー最新トレンド」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年4月号のご案内。今号は「ユーラシアのエネルギー最新トレンド」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今号では私は、「ロシア鉱工業生産の異変 ―外需・民需の崩壊と軍需の限界」、「2025年のウクライナ貿易統計 ―食料輸出減と戦時輸入増で赤字拡大」という短い連載記事のみ書きました。
在露ジャーナリストの徳山あすかさんによる連載「ロシアメディア最新事情」は今号で終了ということです。日本からは見えにくいロシア社会の「ひだ」の部分を伝えてくれる貴重な情報源だっただけに、残念。
なお、『ロシアNIS調査月報』は、今号をもって紙の冊子としての印刷は終了し、全面的に電子版に移行する由。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
小泉悠『現代戦争論 ―ロシア・ウクライナから考える世界の行方』

小泉悠さんの新著『現代戦争論 ―ロシア・ウクライナから考える世界の行方』(ちくま新書)を読了したので、簡単にご紹介。サイトから紹介文をコピーさせていただくと、
わずか3日で終わると予想されたウクライナ戦争は、開戦からもう4年を迎える。なぜここまで長期化したのか。どれだけの人が死んだのか。米トランプ政権成立で激変した世界秩序の中、日本はいかにふるまうべきか。21世紀における戦争を私たちはどう考えたらいいのか。ロシア情勢の第一人者として悲惨な実態を伝え、ロシアへの無期限入国禁止処分を受けた著者が、詳細なデータとともに戦争の本質に迫る。著者個人の経験や信念までも込められた、今最も読むべき戦争論。
正直言うと、タイトルから、ロシア・ウクライナ戦争を踏まえ、世界における今日と今後の戦争のありようを一般論として論じた内容なのかと想像していたのだが、実際には、主にロシア・ウクライナ戦争そのものを論じた作品と位置付けられそうである。構成は以下のとおりとなっている。
第1章 どれだけの人が死んだのか?──データで見るウクライナ戦争
第2章 なぜ終わらないのか?──軍事戦略理論から見たウクライナ戦争
第3章 いかにして軍事国家となったのか?──戦時下ロシアの横顔
第4章 この国はどこへ向かうのか?──世界の中のロシア
第5章 日本はいかにロシアと向き合うべきか?──ウクライナ戦争と安全保障
「あとがき」によると、編集側から当初提示されたテーマは、ウクライナ侵攻を引き起こしたロシアとは一体どんな国であるのかという問題であったということである。その問いを踏まえ、ロシア・ウクライナ戦争につき5つの問いを設定し(それが上掲の5つの章に対応)、2025年秋に一気に書き上げたということだ。
本書の中でも、第3章の「いかにして軍事国家となったのか?──戦時下ロシアの横顔」は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの社会・経済に迫ったものであり、私自身も研究に注力したいと思っている分野なのだが、本書の完成度を目の当たりにすると、なかなかこれを超えるのは容易ではなさそうだと実感する。まあ、何とかしたいものである。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
研究報告会「戦争が変える国際安全保障と経済 ―欧州から北極へ広がる戦略空間―」を動画にしました
月報3月号「特集◆「中央アジア+日本」が切り拓く新たなステージ」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年3月号のご案内。今号は「「中央アジア+日本」が切り拓く新たなステージ」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
前号は私が主役級の活躍でしたが(自分で言うな)、今号はまた脇役に戻り、「ロシアの愚行で斜陽化する中欧班列」、「ウクライナ大統領府の新布陣」という短い連載記事のみ書きました。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
中国の対ウクライナ貿易:穀物取引が激減

昨日は中国の対露貿易のデータを概観したが、本日は中国の対ウクライナ貿易をチェックしてみることにする。過去十余年の動向が上図のとおりで、2025年には中国側の輸出が50億4,003万ドルで前年比36.9%増、中国側の輸入が27億4,900万ドルで前年比36.5%減と、輸出入でパフォーマンスが正反対となった。
このうち、中国側の輸出に関しては、自動車をはじめ万遍なく伸びている感じであり、あまり際立った傾向性は見られない。中国側の輸入減は、穀物の取引が激減したことが大きい。2024年の19億9,541万ドルが、2025年には1億8,293万ドルに急減したもので、ちょっとまだ原因は突き詰められていないが、これが大きかった。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ロシア・ウクライナ戦争3つのシナリオ

WSJのこちらの記事が、ロシア・ウクライナ戦争の3つのシナリオということを論じている。しかし、個人的に今はWSJの有料版記事を読むことはできないので、ウクライナのウニアン通信がWSJの内容を紹介したこちらの記事に基づき、3つのシナリオを整理しておく。
シナリオその1:戦闘の継続、交渉の継続。最も可能性が高いシナリオは、消耗戦が続く中で迎える5年目の消耗しきった戦争であり、その一方で交渉は堂々巡りを続けるというものである。最大の問題は、プーチンが自らの最大限の目標以外のいかなるものも検討しようとしないことだ」と、元NATO駐在米国大使のダグ・ルートは指摘する。「それは単なる領土の問題にとどまらず、より広い意味でウクライナを支配したいという欲求の問題でもある。対してウクライナは、従属することを断固として拒んでいる。」こうした中、クレムリンは依然として、ロシア経済が先に崩れるよりも先にウクライナ軍が折れると確信しているが、ウクライナはまだ崩壊には程遠い。しかし同時に、双方とも、膠着状態にトランプが怒れば、米国が自分たちに不利な行動を取るのではないかと恐れている。ウクライナはいまだに米国の諜報およびその他の支援を必要としている。ロシアは、より厳しい制裁に対して脆弱だ。そのため双方とも、トランプに対して自分たちは建設的に行動しており、戦争が続いている責任は敵にあるのだと示そうとしている。
シナリオその2:ウクライナが先に折れる。ウクライナにとって最大のリスクは、最終的に自国軍が消耗しきってしまうことにある。軍は歩兵不足を補うため、無人機能力を継続的に高度化させてきたが、ロシアは最近、この分野で追いついてきた。一方で軍事専門家たちは、今年になって消耗戦の性質が変わるとは見ていない。2023年末以降ほぼ途切れなく続いているドンバスでのロシアの攻勢は、軍事史上でも最も遅く、かつ最も高コストな部類に入る作戦の一つとなっている。上空にドローンがあふれている状況では、大規模な機動作戦は事実上不可能になっている。しかし、ウクライナでは予備兵力の不足により、昨年の東部防衛の強化は、ロシアが南方へ徐々に前進すること――ドニプロペトロウシク州やザポリージャ州を含む地域への進出――と引き換えに行われた。その結果、ウクライナ軍は、首か脚のどちらかを必ず露出させてしまうほど短い毛布のような状態になりつつある。もしウクライナの戦力が尽きれば、耐えがたい内容ではあるが、他の選択肢よりはましな取引を受け入れざるを得なくなるかもしれない。それには、モスクワの領土要求を受け入れること、ウクライナ軍の規模を制限すること、そして米国からの安全保障の保証が弱いまま、国内生活に対するロシアの影響力が回復することなどが含まれる可能性がある。
シナリオその3:ロシアが疲弊する。ロシア経済は停滞しており、多くの非軍事部門が縮小し、高金利が打撃を与えている。原油価格の低迷、ウクライナによる精油所への長距離攻撃、そしてロシアの「影のタンカー船団」に対する米欧の対抗措置が、クレムリンの歳入を支えるエネルギー部門に圧力をかけている。現時点では、プーチンがエリート層やロシア社会からの否定的反応を懸念している兆候はほとんど見られない。それでも、ロシアが無期限に戦争を続けられるわけではない。制裁とその履行措置が強化されれば、その期限はさらに短くなる可能性がある。もしロシア、あるいは双方が、これ以上長く戦争を続けられないと判断すれば、交渉は、ウクライナとロシアの双方にとって最低限受け入れ可能な合意を真剣に模索する段階へと変わる可能性がある。しかし、多くのウクライナ人は、ロシアがすでにその段階に達したとは考えていない。なぜなら、プーチンはなお自らの勝利に賭け続けているからである。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
『調査月報』2月号「特集◆戦争長期化が映し出すロシアとウクライナの今」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年2月号のご案内。今号は「戦争長期化が映し出すロシアとウクライナの今」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今号では、私が久し振りに「主役」で、特集巻頭に「ロシアの貿易統計に見る東方シフトの虚実」と題する論文を寄稿したほか、連載記事として「ウクライナで目立ってきた『戦後論』」、「ウクライナ侵攻で一変したロシアの財政シナリオ」も執筆。さらに、表紙の写真も私の撮影によるものです。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナの港湾貨物量発表ににじみ出る苦しさ

どうも私の印象ではウクライナの組織というのは大事なことをHP本体よりもフェイスブックページで発表する傾向があるように感じる。以前そのことをウクライナ人に指摘したら、いやそんなことはない、フェイスブックはオワコンといった返事が返ってきたりして、定かではないのだが。
それで、ウクライナ港湾管理局のフェイスブックページに、2025年のウクライナの港湾による取扱貨物量という情報が出たので、以下で訳しておく。
ウクライナの海港は、港湾業界の強靭性と、戦時の脅威下でも稼働できる能力を裏付ける結果をもって、2025年を終えた。
前例のない安全保障上の圧力、港湾インフラへの攻撃、そして度重なる大規模な空襲警報にもかかわらず、2025年のウクライナ港湾の取り扱い貨物量は、計画値の95%強の水準を達成した。
計画によれば、2025年の海港の貨物量は8,620万tと設定されていた。実績は8,220万tで、計画比95.36%に相当し、予測値(8,176万9,000t)に対しては100.5%の達成となった。
2025年の貨物量の中核を成したのは引き続き農産物で、4,420万t、総量の53.7%を占めた。コンテナ輸送は大幅な増加を示し、年間の取扱量は前年の12万9,902TEUに対し、21万5,748TEUに達した。ウクライナの製品は世界55か国に輸出された。
2025年の重大な挑戦の一つは、頻発する空襲警報と港湾インフラへの攻撃であった。オデーサ州だけでも空襲警報は800回以上発表され、累計の操業停止時間は1ヵ月間以上に達し、港の運営において実質1ヵ月分の稼働損失となったのだ。
それにもかかわらず、港湾業界は海上物流と輸出ルートの維持を確保した。ウクライナ港湾管理局は、国防軍、港湾労働者、港湾荷役会社、および業界のすべての専門家に対し、その専門性と忍耐に感謝を表するとともに、航行の安全と海上回廊の機能維持を確保したウクライナ海軍にも謝意を表する。
以上がウクライナ港湾管理局の発表であった。上記で、2025年の実績が、計画値や、予測値と比べて悪くなかったと発表せざるをえないのが、苦しいところである。今回の発表にはないが、2024年のウクライナの港湾貨物量は9,720万tだったことが知られているので、前年比ではマイナス15%ほどの落ち込みだったはずである。だが、戦時でそのような数字を示せば士気にかかわるので、実績を計画値や予測値と比べて発表したのだろう。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
研究報告会「戦争が変える国際安全保障と経済 ―欧州から北極へ広がる戦略空間―」

これはかなりの勝負企画です。2月9日、東京にお邪魔し、ROLESさんと共催で、研究報告会「戦争が変える国際安全保障と経済 ―欧州から北極へ広がる戦略空間―」を開催いたします。対面・リモートのハイブリッドですが、いずれも事前のお申し込みが必要となっております。ぜひチェックしてみてください。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナの人口学者が「戦後」の人口問題に警鐘

ウクライナにいつ「戦後」が訪れるのかはまだ分からないが、停戦に向けた外交が活発化しているためか、ウクライナでは「戦後」についての展望を論じるような議論が散見されるようになっている。そうした中で、ウクライナ科学アカデミー人口・社会研究所のエラ・リバノヴァ所長がこちらで戦後のウクライナの人口問題について語ったインタビューが目に留まったので、以下発言要旨をまとめておく。
第二次世界大戦後のような出生率の急回復、「戦後ベビーブーム」は、現代のウクライナでは起こらない。①現代では子どもは「経済的資産」ではなく、高い教育・生活コストを伴う存在。②避妊と家族計画が普及し、出産は個人の合理的判断に基づく。③戦争による不安、住宅・雇用の不安定さが出産意欲を抑制。
戦前(2021年)にすでに低水準だった出生率は、戦時中に約0.7まで低下したとされ、戦後に回復しても最大で1.6程度が限界で、人口を維持できる水準(約2.15)には届かない。
政府による児童手当や出産支援金は、出生率向上策というより、子育て世帯の貧困対策。金銭的インセンティブだけで出産行動は大きく変わらない。むしろ「給付開始待ち」による出産の先送りが起きる場合もある。つまり、出生率問題は 経済支援だけで解決できる単純な問題ではない。
戦争によって国外に移住したウクライナ人は約500万人規模と推定され、多くの女性や子どもが含まれる。結果として、①国内人口の高齢化が急速に進行。②労働力人口が縮小。③年金・医療など社会保障への負担が増大。戦後に一定の帰還は見込まれるものの、大多数が戻るという楽観的シナリオは現実的ではない。
戦後の人口政策として重視すべきは、①早期の国勢調査による正確な人口把握。②出生率幻想に依存しない長期的人口戦略。③労働移民の受け入れを含む現実的な労働力政策。若年層が「戻り、暮らせる」経済・住宅環境の整備。人口問題は、復興政策の「周辺課題」ではなく、国家存続に直結する中核課題。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
『調査月報』1月号「特集◆ユーラシアのアグリフード最前線」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年1月号のご案内。今号は「ユーラシアのアグリフード最前線」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今回服部は、いずれも特集の枠外ですが、「ロシア国民の消費マインドは落ち込んでいるのか」、「ゼレンスキー最側近辞任の衝撃」という短い連載記事を書きました。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
『調査月報』12月号「特集◆新しい局面に立つコーカサスの国々」

私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2025年12月号のご案内。今号は「新しい局面に立つコーカサスの国々」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。
今回服部は、いずれも特集の枠外ですが、「ロシア鉱工業生産と鉄鋼業の動向」、「EUがウクライナ産農産物・食品に一層の市場開放」という短い連載記事を書きました。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ウクライナ、国際支援の遅れで財政赤字補填目途立たず

こちらの記事が、ウクライナで国際支援の遅れにより財政赤字補填の目途が立っていないという問題を伝えている。以下記事を抄訳しておく。
2026~2027年のウクライナの国家予算の赤字のうち、まだ補填できていない額が約600億ドルに達する。これは、国家歳出の資金調達に深刻な課題を招き、追加的な国際支援の必要性を生じさせている。キーウ安全保障フォーラムのエネルギー・経済情勢に関する緊急会合で、O.カヴァ財務次官が明らかにした。次官によると、2026年の予算編成は2025年よりも難しくなる。なぜなら、赤字を補填する財源についてまだ完全に明確になっていないからだ。2025年の予算編成では、ウクライナは資金調達について明確な合意があったが、現在の状況は、国際的なパートナーが意思決定を遅らせた2024年に似ている。財務省は資金調達のために国際的なパートナーと積極的に交渉しており、良い結果を期待していると、次官は述べた。次官はまた、ウクライナが凍結されたロシア資産を財源とする新たな資金調達メカニズムの構築に取り組んでいることを指摘し、その一環として、こうした資金の大部分が凍結されているEU、特にベルギーとの交渉を進めていると述べた。次官は、米国がウクライナ支援に関する立場を変更したにもかかわらず、欧州のパートナー諸国およびG7諸国はウクライナを支援する姿勢を維持していると強調した。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
ロシアが2024/25年度のひまわり油輸出で世界一に

ひまわり油の貿易では、9月始まり・8月終わりの年度が用いられることが多い。ロシアやウクライナのひまわりは、8~9月頃に収穫され、それ以降に搾油・輸出が本格化するので、収穫期直後の9月を新年度の始まりとし、翌年の8月末を年度の終わりとするという慣習が定着しているということである。それで、こちらの記事によると、8月に終了した2024/25年度の結果、ロシアが世界最大のひまわり油輸出国となったということを伝えている。
記事によると、8月に終了した2024/25年度の結果、ロシアはひまわり油の輸出国として世界でトップになったと、連邦センター「アグロエクスポート」のI.イリューシン所長が明らかにした。同氏の推計によると、ロシアは外国市場に約520万tのひまわり油を供給した。2024/25年シーズンの輸出国トップ3は、ロシア(520万t)、ウクライナ(470万t)、アルゼンチン(130万t)となった。「近年、ロシアは食用油の輸出を積極的に拡大しており、ひまわり油はその旗艦製品である。ロシア企業は、世界有数の輸入業者とのパートナーシップを計画的に拡大・深化させ、南アジア、東南アジア、中東、アフリカの市場で競争に勝ち抜き、新たな市場を開拓している」とイリューシン氏は強調した。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします




