
当ブログで、ゴールデンウィーク読書シリーズをやると言いながら、実は結果的には連休はほとんど本を読めなかった。原稿書き、所属先のウェブサイトリニューアル作業、研究プロジェクト準備と、ずっと普通に働いており、思ったように読書に時間を割けなかったのだ。
なので、3冊目の今回で最終回ということになってしまうのだが、最後に紹介したいのが、石原孝・伊藤弘毅(著)『インドの野心 人口・経済・外交 ―急成長する「大国」の実像』(朝日新書、2025年)である。例によって紹介文を引用すると、
14億人超が暮らし、人口世界一となったインド。マイクロソフトやグーグルなど、世界の名だたる企業のトップに名を連ね、20年代後半にはGDPで、米中に次ぐ世界3位になると予測される。上昇志向と加熱する受験、米政財界への浸透、「モテ期」の到来と中国・パキスタンとの衝突……教育・外交・経済・文化的側面から、注目を集める国の“今”に迫る。

さて、マヌケな話になるのだが、私はこの本を「間違って」買った。防衛大学に伊藤融教授というインドの経済安全保障に詳しい専門家がいて、ロシアの経済安全保障に注力している私としては、今後コラボなどできたら嬉しいパートナー候補なので、この本を見かけた時に、「あ、伊藤先生が新書を出してる」と思い買っておいたのである。しかし、今般よく見たら、本書の著者の伊藤弘毅さんは朝日新聞の記者であり、伊藤違いだったのだ。なお、本書の主たる著者は石原孝記者であり、伊藤記者はビジネス関係の章だけ執筆する形となっている。
このように、「勘違い」で入手した本書だったが、もちろん得るところは大きかった。研究テーマを決めてそれを体系的に解明しようとするのが学者の仕事なら、ジャーナリストの場合は雑食的に関心を広げ、興味を持ったらすぐに取材に飛ぶフットワークの軽さがあり、そうやって駐在国理解の解像度を上げていく点が、学者にはない強みである。特に、本書の第3章「競争社会と教育 数学が得意は本当か?」などは、日本ではまったく知られていない実像であろう。
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