4月27日にメドヴェージェフ現大統領/次期首相が与党「統一ロシア」の幹部らと面談し、同党の党首の役割を引き受けることを表明するとともに、自分は保守派であると発言したということで、話題になっている。こちらのサイトに掲載された論評の要旨を、以下のとおり紹介する。
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統一ロシアが下院選でしくじり、プーチンが大統領選で党から明確に距離を置いたことにより、党内には焦燥感が広がった。同党は自立した政治勢力であったことはこれまで一度もなく、上からのシグナルを待っていたが、シグナルはついぞ来なかった。プーチンに代わってメドヴェージェフが党首になりそうだという雲行きになると、統一ロシアとメドヴェージェフは水と油であり、党内で大きな変化が起きてしまうことは必至だといったことが語られた。おそらく、メドヴェージェフが党幹部および主要活動家らと面談した際も、党側にはそうした不安感があったに違いないが、面談後には安心して帰っただろう。この中でメドヴェージェフは、党首に就任するだけでなく、党活動に積極的に参加すると表明し、党側を安心させた。それのみならず、メドヴェージェフは不意に、自分は一度もリベラルであったことはなく、自分は保守派だとまで発言した。さらに、自分はこれまで長らく党と一体であったのであり、統一ロシアは末永く主導的な政治勢力であり続けると述べた。これはつまり、本格的な党改革はないことを意味する。
党のイデオロギーについてメドヴェージェフは、アモルフでは駄目だが、なるべく多くの人々にとって分かりやすいものでなければならない、磁石のようになるべく多くの人々を引き付けるものでなければならない、これは社会的国家の価値観だが決して市場経済や民営化とは矛盾しない、党内に様々な潮流があることは望ましくもあるが分裂は駄目である、ゆえに保守主義、社会的国家、中道がこれからも党の顔となる、誰が党首になってもそれは変わらない、我が党はどこかのリベラル派が望もうと泡沫のセクトになるわけにはいかない、などと述べた。ただし、同時にメドヴェージェフは、イデオロギーは自己目的ではなく、国家的課題を解決するための手段にすぎないと強調し、党内で我々は90%は立場が一致しているので合意することは常に可能であると述べた。
このような文脈に照らすと、メドヴェージェフが「統一ロシアにはいわゆるリベラルも、いわゆる社会民主主義者もおり、そのことは喜ばしい。なぜなら我々は皆、保守主義者だからだ」と述べたことの意味が理解できる。つまりメドヴェージェフにとってそれは、常に政権党でい続けるという意味なのだ。彼が、常に議会の多数派を目指すと言っているのも、そのためである。もっとも、ロシアの現状でそれが可能かどうかは、別問題だが。
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