
ロシア産業家・企業家連盟(RSPP)と言えば、しばしば「ロシアの経団連」などとも呼ばれるロシア財界の総本山である。コメルサント記事によると、このほど議会審議が始まった2027~2029年連邦予算案に、鉱山・金属企業に対する年間2,000億ルーブル規模の「超過収益税」の案が含まれていることに、連盟が反発しているということである。以下で記事を抄訳しておく。
ロシア産業家・企業家連盟(RSPP)は、財務省が2027~2029年に鉱業部門を対象として導入を提案している「超過収益税」に反対を表明した。この税によって3年間で6,830億ルーブルの予算収入を得ることが想定されている。企業側は、この構想について、2030年まで約束されていた財政上の安定性と公平性の原則に反するものだと考えている。その理由は、税が事実上遡及的に導入され、利益ではなく売上高を基準に算定されるうえ、鉱業部門に対する投資家の信頼を損なうからである。RSPPはアントン・シルアノフ財務相宛てに書簡を送り、導入案に反対する意向を表明した。
RSPPが第一に反発しているのは、この税が事実上遡及的に導入されることである。2027年分の課税標準は、すでに終了している2026年の鉱物資源価格が、基準年である2025年の価格をどれだけ上回ったかに基づいて算定されることになる。連盟によれば、企業が考慮に入れることのできなかった過去の期間に新たな財務負担を適用することは、租税の基本原則に真っ向から反するものであり、法律の遡及適用によって納税者の立場を悪化させることを意味する。
さらにRSPP側によれば、超過収益税の導入は、政府と企業の間で最近成立した合意にも反する。RSPPは、2024~2025年の大規模な税制改革に際して、政府が2030年まで財政上の安定性を確保し、一時的・個別的な徴収措置を行わないと約束したことを指摘している。RSPPは、「状況に応じた非体系的な財政措置」という慣行への回帰を懸念している。「このようなやり方では、生産計画や投資サイクルを立てることができない」と、大企業関係者は指摘する。算定の仕組み自体も批判の対象となっている。政府が財務的成果への課税を優先すると表明してきたのとは異なり、超過収益税は、企業の実際の利益を考慮せず、価格の乖離と計算上の売上高を対象として徴収される。このため同税は、政府が公式には廃止した売上高課税的な性格を帯びることになる。
RSPPは、鉱業部門が過去5年間にすでに何度も財政的な徴収措置の対象とされてきたと強調している。さらに個別的な措置を導入すれば、ロシアの税制の予測可能性に対する投資家の信頼を損ない、経済の長期的な持続可能性に重大なリスクを生じさせる、と同連盟は訴える。
同連盟によれば、財政赤字の問題は、金利を均衡のとれた水準に戻すことや、ルーブル相場を実勢に即した水準にすることなど、マクロ経済的な措置によって解決すべきであり、それ自体が課税ベースを拡大することになる。
それでも負担増が避けられないのであれば、経済全体を対象とする財政措置を優先すべきだとしている。その例として、すべての企業を対象に法人利潤税率を一時的に0.5~1%ポイント引き上げることが挙げられており、これによって国庫に5,000億~1兆ルーブルの収入をもたらしつつ、負担を経済全体に均等に配分できるとしている。RSPPは、現行案のまま法案が採択されれば、鉱業部門の多くの企業に悪影響が及ぶおそれがあると懸念を表明している。
市場環境、販売上の特性、債務負担など、企業活動の成果のあらゆる側面を包括する普遍的な指標は利益である、とノリリスクニッケルの担当者は認めている。財政負担を調整するには、利潤税を通じて行う方がより効率的で、経済的にも合理的である。こうした立場は経済界が以前から表明してきたものであり、その際には利潤税率が20%から25%へ引き上げられた、と同社は指摘する。現行税率を、たとえば3年間にわたって1%ポイント一時的に引き上げれば、財政には少なくとも1兆ルーブルの収入がもたらされ、新税による徴収予定額を上回る。財務省の試算によれば、新たな税制が現行案のまま採用された場合、ノリリスクニッケルの負担額は他社を上回り、3年間で1,710億ルーブルに達する。
この措置は、計画中および実施中の投資プロジェクトに明らかに悪影響を及ぼす、と冶金業界の関係者は述べる。「財務省と政府が企業から、またしても架空の『超過利潤』を取り上げようとしている状況では、産業界には投資に回す資金そのものがなくなってしまう。しかも、この措置は、大統領や政府が繰り返し表明してきた新たな投資サイクルを始動させるという計画にも、明らかに逆行する」と同氏は述べている。
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