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 Bloombergの以下の記事が、ロシアのオリガルヒらの興味深い動きを伝えている。ロシアの富豪たちは、アリシェル・ウスマノフとミハイル・フリードマンがEU制裁から外れた経緯を検討しており、できればそれにあやかりたいが、それを自らの制裁解除に直ちに応用できると考える者は少ないという。記事のあらましは以下のとおり。

 資産凍結や複数の制裁制度をめぐる法廷闘争が何年も続くなか、多くのロシア富豪は、自らの「好ましからざる人物」としての扱いを短期間で解消する方法はないと考えている。ウスマノフとフリードマンの制裁解除についても、それぞれに固有の事情が作用した特殊なケースだと受け止められている。それでも、Bloombergが調査したロシア人実業家のうち少なくとも2人は、フリードマンの事例が自らの法的異議申し立てにも利用できる先例となることを期待し、詳細に検討する意向を示した。

 制裁法を専門とするモスクワの法律事務所BGP Litigationのセルゲイ・グランディンは、フリードマンのケースが一種の「攻略法」になりうるとみている。投資仲裁を利用すれば、政府に交渉を促したり、場合によっては制裁リストからの除外につなげたりする有効な圧力手段となりうる。請求額が大きければ大きいほど、交渉が迅速に進む可能性もある。ウスマノフとフリードマンは、これまでEU制裁から解除されたロシア人の中でも特に著名な人物であり、しかもEU主要加盟国による継続的な働きかけを経て解除された最初の事例となった。

 ウスマノフの制裁解除を求めたフランスの動きは他のEU加盟国を驚かせ、個人・企業に対する約3,000件の制裁措置の更新そのものが危うくなるほどの対立を引き起こした。最終的には妥協が成立し、ウスマノフとフリードマンを制裁対象から外す一方、それ以外の対象者に対する制裁を36カ月延長することになった。フランスがウスマノフの解除を求めたことに対応する形で、ルクセンブルクはフリードマンの制裁解除を求めた。フリードマンは、EU制裁に基づく資産凍結が投資保護条約に違反するとして、ルクセンブルクを相手に約160億ドルの投資仲裁を起こしていた。

 2022年の全面侵攻開始後、ロシアの富裕層の多くは資産や企業をロシアへ戻し、国内の銀行、消費関連企業、工業資産、テクノロジー企業などに資金を投入してきた。ウスマノフやフリードマンの制裁解除を歓迎しながらも、自分たちにとっての実際の意味は限定的だと考える富豪もいる。中には、自分たちの制裁解除のために利用できる「欧州人の囚人」を友好的な国で見つけられるわけではない、とブラックユーモアを交えて語る者もいた。 これは、フランスがウスマノフの制裁解除を働きかけた背景に、アゼルバイジャンとの囚人交換問題があったことを指している。EUがウスマノフの制裁解除に合意した翌日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、スパイ罪で収監されていたフランス人マルタン・ライアンを恩赦した。フランス政府は両者を公には結び付けていないものの、事情を知る関係者によると、フランスはアゼルバイジャンとの囚人取引の一環としてウスマノフの制裁解除を働きかけていた。

 一方、一部のロシア富豪は、ウスマノフとフリードマンの解除によって、欧州で事業を続けるロシア企業をめぐる状況がかえって悪化する可能性を懸念している。今回の決定によってEUの制裁政策が傷つけられたとの認識が広がれば、その反動として加盟国が他のロシア企業や富豪への制裁を強化する可能性があるためである。ウクライナ大統領府の制裁政策担当コミッショナー、ウラジスラフ・ヴラシュークはPoliticoに対し、ウスマノフとフリードマンを解除したのであれば、ノリリスクニッケルの主要投資家ウラジーミル・ポターニンと、ノヴォリペツク製鉄所を支配するウラジーミル・リシンをEUの制裁対象に加えるべきだとの考えを示した。ポターニンはすでに米国と英国の制裁対象であり、リシンはオーストラリアとカナダの制裁対象となっている。

 世界最大のパラジウム生産者であり、主要ニッケルメーカーでもあるノリリスクニッケルは、一部の金属を欧州に輸出し、フィンランドには精錬所を保有している。ノヴォリペツク製鉄所は、ベルギー・ワロン地域政府所有の投資ファンドSOGEPAと共同で欧州の複数の工場を所有している。また、EU制裁の適用除外措置により、2028年9月30日までEU向けに鉄鋼スラブを輸出することが認められている。


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