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 こちらの記事が、モスクワのショッピングセンターの変容について伝えているので、以下要約の上で紹介する。なお、上掲グラフも記事に添えられていたもので、モスクワのショッピングセンターの売り場面積のうち、茶色が埋まっているところ、紫が空室になっているところを示している(単位は1,000平方キロメートル)。

 モスクワのショッピングセンター(SC)では、娯楽・レジャー施設や飲食店が占める面積の割合が急速に拡大している。IBC Real Estateによると、2026年上半期には、こうしたテナントがモスクワのSC全体の31%、約190万㎡を占めた。前年同期は24%(約147万㎡)、2023年には19%(約109万㎡)だった。特に2026年上半期には前年比で7ポイント増となり、それまでの年間2~3ポイント程度から増加ペースが大きく加速した。

 他の調査会社もほぼ同様の傾向を確認しており、Focus Technologiesはモスクワでレジャー系テナントが平均30%程度、新しいSCではそれ以上を占める場合があるとしている。ロシア全体でも、SCによっては25~30%に達する。特に過去2年間に開業した施設でこの傾向が強い。

 最大の要因の一つは、従来SCの中心だった衣料・靴販売の後退である。CMWPによると、新しいSCでは衣料・靴店の割合がこの1年間に平均55%から40~45%へ低下した。また、「ジェーツキー・ミール」や「M.ヴィデオ」のような大手チェーンも、コスト削減と採算維持のため店舗面積を小さくしている。

 別の集計では、2026年上半期のモスクワSCにおける衣料・靴・アクセサリー店の比率はなお34%を占めるものの、過去12年間で21ポイント低下している。一方、SCでは日用品、飲食、サービス、娯楽などの比重が高まっている。

 背景にはSC開発そのものの変化もある。デベロッパーは大型の商業・娯楽施設を以前ほど積極的に新設せず、衣料品店を多数集める必要のない比較的小規模な施設が増えている。

 Pioneerは、この変化を消費者行動の変化と経済状況全般の悪化にも結びつけている。飲食・娯楽分野には中小企業が多く、大手衣料・靴チェーンよりも新規出店を迅速に決定でき、需要の変化にも柔軟に対応できる。

 その典型が2025年開業のSC「Botanica」である。飲食・娯楽・スポーツの比率は2025年2月の17.7%から、フードコートとフィットネスクラブの開業により年末には41.4%へ上昇し、2026年には43.4%となった。年末までには51~52%に達すると見込まれている。「アフィモール・シティ」でも、賃貸可能面積10万7300㎡のうち、レストラン、娯楽、スポーツ(パデルなど)がすでに35%を占めている。

 構造変化のもう一つの大きな要因が、マーケットプレイス=オンライン販売との競争である。SCはもはや店舗を並べるだけではオンライン通販と競争できないため、インターネットに移すことのできないものを増やそうとしている。すなわち、レストラン、フィットネス、スポーツ、娯楽など、現地を訪れること自体に意味があるサービスである。

 外国ブランドのロシア撤退によって大型店舗区画が空いたことも、この転換を後押しした。また、フィットネスクラブ、ファミリー向け娯楽施設、スポーツ施設などは1店舗で数千㎡を使用することがあるため、テナント数が大幅に増えなくても、数件の出店だけでSC全体の面積構成が大きく変化する。したがって、31%という数字はテナント「数」の急増を意味するわけではない点には注意が必要である。

 SC側にとっても、こうした施設には来訪頻度を高め、滞在時間を延ばす効果がある。古いモスクワのSCではレジャー系の割合が約25%にとどまり、そうした施設ほど空室率の上昇が目立つという。

 もっとも、レジャー・飲食部門の拡大によってSC全体の不振が解消されたわけではない。2026年上半期には、ロシアのSCへの来訪者数は前年同期比3%減、衣料・靴店舗への1日平均来店者数は5%減だった。さらに2026年初め以降、カフェ・レストランの注文数も3%減少している。

 したがって今後のSCは、「買い物をする場所」だけでは存続しにくい。買い物、食事、サービス、スポーツ、娯楽など、一度の訪問に複数の目的を提供できる施設が優位になるとみられる。大規模SCでは将来的に、飲食・スポーツ・娯楽・サービスが総面積の約3分の1を占めることが標準になる可能性がある。


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