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 こちらの記事が、最近のロシア・ルーブルの下落傾向について論じているので、以下要点をまとめておく。上掲グラフはルーブル・レート自体ではなく、それに影響する石油価格(ブレント)の動向。

 2026年6月1日に1ドル=71.02ルーブルだった公式レートは、9月1日に86.3ルーブル、9月4日には86.89ルーブルまで下落した。店頭外取引では一時88.35ルーブルとなり、夏の3カ月余りでドルは対ルーブルで22%以上上昇した。

 最大の原因は、外貨需要の増加と外貨供給の減少が同時に起きたことである。外貨需要側では、まず財政ルールに基づく財務省の外貨購入が8月に日額59.2億ルーブルまで増え、7月比約22%増となった。また、ウクライナによるロシアの製油所への攻撃と燃料不足により、ロシアはガソリン・石油製品を海外から輸入する必要が生じ、外貨需要が増えた。さらに、損傷した製油所を修復するための設備・部品輸入も外貨需要を押し上げた可能性がある。ある専門家は、石油製品輸入だけで約20億ドルに達したと推計している。加えて、戦争激化への警戒から、個人・企業による安全資産としての外貨購入も増えているという。

 他方、供給側では、輸出企業が市場に供給する外貨が急減した。ウクライナのドローン攻撃リスクによって黒海経由の石油・穀物輸出が制約され、輸出収入・外貨収入が減少した。大手輸出企業29社による外貨売却額は7月に76億ドルから22億ドルへ急減しており、これが外貨不足を引き起こした。

 上掲グラフのとおり、原油価格自体は90~95ドル超と高いものの、それが直ちにルーブル高にはつながっていない。高油価の効果が外貨市場に表れるまで1~3カ月のラグがあり、しかも輸出数量の減少が価格上昇効果を相殺している。

 こうした状況を受け、財務省は9月7日~10月6日の外貨・金購入を日額25億ルーブルに縮小する。中銀による日額6億ルーブルの外貨売却を考慮すれば、ネットの外貨購入は8月の59億ルーブルから19億ルーブルへ大幅に減少する。ただし、その効果について専門家の見方は分かれている。これだけで2.5ルーブル程度のルーブル高で、外貨供給回復を合わせれば1ドル=82~83ルーブルまで戻る可能性を指摘する声がある一方、財務省要因による効果を0.3~0.9ルーブル程度と見ている。根本的な外貨不足が続く限り、ルーブル安のトレンドを反転させるほどではないという見方もある。

 ただし専門家はルーブル暴落は予想していない。9月末予想はおおむね1ドル=80~88ルーブル。年末については75~90ルーブル程度と幅がある。最も弱気なシナリオでも、燃料危機が悪化した場合の92~95ルーブル程度。高い原油価格と、ルーブル資産の高い実質金利が下支え要因とされている。


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