
こちらの記事が、船会社がロシアの黒海航路へのサービスを続々と停止していることを伝えているので、以下記事の要点をまとめておく。
黒海での船舶攻撃が相次いだことで、外国コンテナ船社がロシア向けサービスを停止し、ノヴォロシースクを中心とする黒海航路からサンクトペテルブルグなどへの貨物の迂回が急速に進んでいる。影響はコンテナ輸送だけでなく、穀物・石炭輸出や、トルコからロシアへの青果物のフェリー輸送にも広がっている。
トルコのAkkon Linesは8月28日、安全上のリスクを理由にロシア港への寄港を全面的に停止した。同社はすでに8月初めからインド発ノヴォロシースク向け貨物に戦争リスク割増料金(WRS)を導入し、一時はノヴォロシースク向け貨物をサンクトペテルブルグへ振り替え、1TEU当たり2,500ドルを上乗せしていた。その後いったんノヴォロシースク航路を再開したものの、8月21日に同社のコンテナ船RMS Teamがドローン攻撃を受けて火災を起こしたことから、最終的にロシア向けサービス停止に踏み切った。
他社も同様の対応を取っている。世界最大手のMSCは、8月25日にノヴォロシースクを出港したMSC Ulsan IIIが攻撃されたことを受け、翌26日にノヴォロシースク航路を停止した。トルコのArkas Lineも28日に同港へのサービス停止を発表した。この結果、トルコ~ロシア間を運航していた主要コンテナ船社は、ノヴォロシースク航路を停止するか、サンクトペテルブルグへ振り替える状況となっている。
ロシアのFESCOも、8月1日夜の攻撃で自社船「ヤニナ」が沈没したことを受け、黒海経由貨物の新規受け付けを停止し、代替ルートを拡充している。具体的には、ウラジオストクからクラスノダル地方ティマシェフスカヤへ月2本、ロストフナドヌーへ月4本のコンテナ列車を運行し、逆方向では南ロシアの輸出貨物を鉄道でウラジオストクまで運び、そこから東・東南アジアへ海上輸送する。また8月26日にはサンクトペテルブルグからトルコへの最初の船便を出した。Marmed、Alpha Shipping、Ametistなどもノヴォロシースクからサンクトペテルブルグへの転換を進めている。
黒海の制約が年末まで続いた場合、サンクトペテルブルグ港には約10万TEUの追加コンテナ貨物が流入すると予想されている。主な転換対象は中国、インド、東南アジア発着貨物である。ただし、大サンクトペテルブルグ港とブロンカを合わせたコンテナターミナルの年間処理能力は310万TEU以上あり、現在の稼働率は50%以下なので、港湾設備そのものには追加貨物を吸収する十分な余力がある。
さらに深刻なのが、トルコとのフェリー・Ro-Ro輸送である。8月4日にはトルコのKalyoncu Shippingが保有するNadezhdaとLDR Yasarが攻撃され、同社はロシア向け輸送を停止した。船員の大多数が現在の状況での運航継続を拒否しているという。8月26日には、野菜を積んでサムスンからノヴォロシースクへ向かっていたLider Bordo Maviが、ノヴォロシースクを避けてトゥアプセに転進したにもかかわらず、同港沖で3機のドローンに攻撃され、5人が負傷、船体も損傷した。後続のLider Kocatepeも攻撃された。これを受け、ウクライナ大使がトルコ外務省に召喚された。
それでも穀物船など一部のばら積み船は黒海での運航を続けているが、高額の危険手当がその背景にあるとみられる。7月以降だけで、交戦当事者によってトルコに関連する船舶24隻が攻撃されたとされ、黒海・アゾフ海方面の海運リスクが短期間で著しく高まっている。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします