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 こちらの記事が、ロシアの鉄鋼輸出について伝えている。黒海物流の混乱が単なる一時的な輸出減にとどまらず、ロシア鉄鋼業の市場そのものの喪失に繋がる危険性を問題視する内容となっている。記事を以下のとおり抄訳しておく。

 ロシア産鉄鋼半製品の輸入業者は、黒海での海上輸送リスクにより、供給不足に直面している。代替輸送ルートは物流費が高いため採算が合わず、その結果、トルコの買い手は中国産やインド産の製品へと切り替えつつある。もともとロシア国内の需要が弱いことを考えると、こうした状況は鉄鋼メーカーの苦境をさらに深刻化させる可能性がある。

 分析会社BigMintのレポートによると、ロシアの鉄鋼ビレットメーカーは、黒海での海上輸送リスクとノヴォロシースク向け鉄道輸送の制約を背景に、輸出を避けるようになっている。バルト海経由やジョージア経由などの代替ルートについても、物流コストが高いため採算が取れない状態が続いていると、同社のアナリストは指摘する。

 BigMintによれば、ロシアの鉄鋼メーカーから提示されるオファーは散発的なものにとどまり、その多くは利用可能な船舶が限られているため、実質的には名目的なものとみなされていた。「売り手は確定的な納期を提示することに消極的だった」とレポートは述べている。アナリストによれば、8月22日時点のロシア産ビレットの港湾渡し価格は1t当たり463~465ドル(FOB)で、前週より3~4ドル安い。

 ロシア産鉄鋼半製品の供給不足の影響をまず受けたのが、トルコの輸入業者である。BigMintによると、トルコの輸入業者は代替供給源を求め、中国産およびインド産ビレットをマルマラ海沿岸の港への運賃込み(CFR)で1t当たり495~500ドルで購入した。Shanghai Metals Marketは、黒海経由の鉄鋼半製品のトルコ向け供給が事実上麻痺していると指摘している。

 トルコはロシア産鉄鋼半製品の主要な買い手の一つであり、最新の統計によれば、ロシアはトルコにとって最大の鉄鋼ビレット供給国である。SteelOrbisがトルコ統計局のデータとして伝えたところによると、2026年上半期のロシアからトルコへのビレット輸出は前年同期比1.7倍の78万tに増加し、トルコの輸入に占めるロシアのシェアは29%を超えた。第2位は中国で、出荷量は1.9倍の59万tに増加した。インドからの供給も1.8倍の5万tに増え、供給国として第10位となった。

 格付け会社「エクスペルトRA」のコーポレート・レーティング部門ジュニア・ディレクター、オレグ・エメリチェンコフ氏は、黒海物流の問題によって輸出が完全に停止すれば、国内需要が低迷する中で鉄鋼メーカーの状況はさらに悪化すると指摘する。「同時に、トルコの買い手が中国やインドへと調達先を切り替えることで、市場シェアを失うリスクも生じる。出荷が正常化したとしても、一度失ったシェアを取り戻すのは容易ではない。とりわけ競合国の企業が長期契約を通じて市場に定着してしまえば、なおさらである」と同氏は述べている。

 現在の制約によって、下半期の南方ルートにおける輸出減少は700万~800万t程度に達する可能性があると、「インダストリアル・コード」ファンド運用責任者顧問のマクシム・シャポシニコフ氏は推計する。同氏によれば、これほどの量を他市場へ全面的に振り向けることはきわめて困難であり、失われる輸出量の半分程度しか代替販売できない可能性がある。ガスプロムバンク経済予測センターの発表によると、2025年のロシアからの鉄鋼製品輸出(圧延鋼材、半製品、銑鉄の合計)は前年比22%増の2,780万tだった。

 ストルイピン記念成長経済研究所の鉱業・鉄鋼業専門家パヴェル・ガモフ氏は、東南アジア向けの場合、輸送距離が長く物流費も高いうえ、中国や韓国との競争も激しいと指摘する。同氏によれば、バルト海方面への振り替えは可能ではあるものの、物流経路が長くなり、運賃や海上輸送費によって採算性が低下する。バルト海の港湾は上半期に貨物取扱量が減少しており、その役割は主要ルートというより、むしろ予備的なもの。また、トルコ市場に復帰するためには値引きが必要になる可能性があり、それによって利益率が低下することになると、ガモフ氏は指摘する。


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