
こちらの記事が、ロシアで物価上昇と実質的な購買力低下が続くなか、消費者がどのように日常の買い物を変えているかを、統計と『ノーヴァヤ・ガゼータ』読者の体験談を組み合わせて描いている。タイトルは「Жить — не чижить(生きることは『チジク』ではない)」で、低価格ディスカウント店「Чижик(チジク)」をもじっている(冒頭画像はその店舗)。記事の要点は以下のとおり。
ロシアの消費者は、単に「高いものを買わなくなった」というより、消費行動そのものをかなり変え始めている。2026年1~6月には、コンビニ型の「近所の店」での購入件数が前年同期比10%減、酒・たばこ店では14%減だった。高等経済学院と「チジク」の調査では、40.2%が実店舗で節約するようになり、ネット通販でも28.2%が節約。別のRomirの調査では、58%が以前買っていた商品の一部を意識的に断念し、57%がより安い代替品を探し、46%が店に行く頻度そのものを減らしているとされる。
その結果、消費者が「消費の階段」を下りている現象が見られる。ロシアの食品小売は、最下層のハードディスカウンター「チジク」「アヴォシカ」→「ピャチョーロチカ」「ディクシー」→「ペレクリョーストク」「フクースヴィル」→高級店「アズブカ・フクーサ」という階層として描くことができるが、ピャチョーロチカの店員も、客が全体として安い店へ移っていると実感しているという。読者の証言から見える変化は、おおむね次のようなもの。
- 高級品・嗜好品の切り捨て。 以前は高級スーパーで黒パンを買っていた家庭も、1斤500ルーブルになると断念。菓子類、ペットフードなども購入頻度を落としている。
- ブランドへのこだわりを捨てる。好きだったチーズが値上がりして安価な銘柄へ移行。輸入チーズやソーセージなどもロシア製の代替品に切り替えたりする。
- 特売・価格比較の常態化。以前は値札を見ずに買っていた人が、いまでは各店の価格を暗記し、会員割引や特売を比較。「黄色い値札(特売表示)を狩る」ことが「新しいスポーツ」になった。
- まとめ買い・購入先の使い分け。魚を卸売市場で箱買いしたり、日用品について商品ごとに最安の店を選んだりするようになった。トイレットペーパーなどの特売品を大量購入する行動も生じている。
- 食生活そのものの質的低下。 象徴的なのが、「以前は住宅ローンを払いながら毎週金曜日にステーキを食べられた」家庭が、現在は普通の肉を買えず、鶏肉中心になったという証言。「鶏肉と米、米の下に鶏肉、米の横に鶏肉……」と自嘲。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします