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 こちらの記事が、ロシアで民間企業のドローン対策出費が膨らんでいる上に、不明点も多く混乱が広がっていることを伝えている。以下、記事の要点をまとめておく。

 ロシアの民間企業による対ドローン防御設備の調達が、2026年になって急増している。Tenderplanの集計によれば、2026年上半期の商業部門による対無人機防御手段の調達額は4億4,130万ルーブルで、前年同期の6.6倍に達した(下図参照)。別の集計であるKontur.Zakupkiでは伸び率はかなり小さいものの、それでも前年比49%増となっており、少なくとも需要が急速に拡大しているという方向性では一致している。特に需要が強まったのは最近で、背景には、5月26日にプーチン大統領が政府・大統領府に対し、企業と共同で事業所をドローン攻撃から守る方策を検討するよう指示したことがある。

 ただし、民間企業が自由に軍用兵器を購入できるようになったわけではない。企業が購入できるのは、防護柵・防護構造物、通信・ドローン探知システム、電子戦・電波妨害装置、爆発物を搭載しない迎撃ドローンなどに限られる。一方、ドローンを実際に銃器などで撃墜する「移動射撃グループ」の武器は、国防省や国家親衛隊が供給・管理する仕組みになるようだ。

 しかし、企業側も何をすればよいのかよく分かっていない。需要は急増しているものの、本格的な多層式の対ドローン防御システムが一斉に導入されているわけではない。専門家によると、そもそも企業には無人機防御についての専門知識がない。統一的な人材育成プログラムもなく、企業内部には「現在の状況における事業上のリスクと脅威」を評価できる軍事・政治分析の専門家もほとんどいない。そのため、企業が個々に機器を買えば済むという問題ではなくなっている。

 さらに専門家は、工場一つを守る発想にも限界があると指摘する。重要産業・インフラを守るなら、工場の敷地境界でドローンを撃ち落とすのではなく、地域全体として遠方で迎撃する仕組みが必要 というわけである。これは民間企業の自衛というより、地域防空システムとの一体化に近い話になってくる。しかも、企業の警備部門などが迎撃して第三者に損害を与えた場合、誰が法的責任を負うのかも未解決だ。

 もう一つ重要なのが保険である。ドローン攻撃による損害が保険で十分カバーされなくなったり、保険料が大幅に上昇したりしているため、これまで直接攻撃を受けたことのない企業まで対策を迫られるようになっている。

 ただし、企業が求めているのは必ずしも高度な統合防空システムではなく、移動射撃グループや迎撃ドローンなど、比較的個別的な対策が中心。ある専門家は、企業の一部はいまだに、一つの装置ですべて解決してくれる「魔法のボタン」を探していると指摘している。

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