
2025年のロシアのマーケットプレイス市場において、ワイルドベリーズ(WB)のシェアは51.8%、Ozonは35.3%であり、両者が二強を形成していた。しかし、WBがウクライナ長距離ドローン攻撃の集中攻撃を浴び這う這うの体となっているのに対し、Ozonが被害を受けたという情報は伝わってこない。そのあたりの原因に関し、こちらの記事が有益なので、以下要旨を紹介する。
7月中旬以降、WBの物流施設は全国各地で相次いで攻撃を受け、公表物流面積520万㎡のうち17~22%が被害を受け、被災面積は約89~115万㎡に上る。復旧費だけで625~808億ルーブルに達し、出店者(セラー)の商品被害は2,150~2,800億ルーブルと推計されている。被災したセラーの数は、数十万人規模と言われる。
対照的に、Ozonは被害を受けていない。まず、物流網の構造が全く違う。Ozonは、フルフィルメントセンター47か所、ソーティングセンター170か所以上という非常に分散したネットワークになっている。これほど広範囲に分散した構造では、物流全体を麻痺させるような攻撃を行うことは難しい。これが、巨大拠点への依存度が比較的高いWBとの差になった。
また、Ozonは倉庫をほとんど所有していないという事実もある。大規模倉庫はほぼ100%賃借である。つまり、WBが自社インフラに依存するのに対し、Ozonは賃貸中心である。そのため、建物を失っても資産毀損が比較的小さいし、必要なら別の施設へ移転しやすいというメリットがある。
興味深いのは、Ozon自身は攻撃されていないにもかかわらず、7月20日に株価が14%急落した。市場は、物流施設全体が攻撃対象になるリスクを織り込み始めた。WBだけの問題ではないと、投資家は判断したわけである。
重要な点として、セラー向け保険制度はOzonが一歩先を行っていた。Ozonは2026年3月から、ドローン攻撃を含む非常事態保険を導入していた。当初、0.0035%/日という保険料だったが、攻撃激化後には0.0115%/日へ3倍以上値上げされている。つまり、Ozonではリスクを保険市場へ移転する 仕組みがすでに存在していた。それに対しWBでは、保険は会社施設向けには掛けていたものの、テロ・ドローン攻撃は補償対象外だった。さらに、7月7日に利用規約を変更し、ドローン攻撃について会社の責任を免除する条項を追加している。このため、セラーとの紛争が続出している。
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