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 こちらの記事は、ウクライナの長距離ドローン攻撃で倉庫を攻撃され窮地に陥ったワイルドベリーズが、経済同盟関係にあるカザフスタンで倉庫探しを始めたということを伝えている。以下が記事の要旨。

 ワイルドベリーズ(WB)を運営するRWB社は、カザフスタンで約10万平米の倉庫を確保しようとしている。背景には、7月中旬以降にロシア国内のWB物流拠点が相次いでドローン攻撃を受けたことがあり、商品の一部をカザフスタン経由で保管・配送することでリスクを分散する狙いがある。

 市場関係者によれば、RWBはカザフスタンに存在する空き倉庫をほぼすべて借り上げる勢いだという。一方、会社側は「各国で計画的に物流施設を建設している」と説明し、アルマトイ(10万平米超)とアスタナ(16万平米)で新物流センターを建設中であることを明らかにした。

 WBはロシア最大のマーケットプレイスで、2025年の国内取扱高は6.1兆ルーブル(前年比49%増)、純利益は1,750億ルーブル(前年比68%増)。物流施設は209カ所、総面積560万平米に及ぶ。

 しかし、7月18日以降、サンクトペテルブルグ、モスクワ州、クリミア、タンボフ州、ヴォロネジ州、スタヴロポリ地方、クラスノダル地方などの倉庫が相次いで攻撃され、少なくとも44.4万平米(全体の約8%)が使用不能になったとされる。政府は状況を注視しているものの、現時点で具体的な支援策は決まっていない。

 実際に10万平米を確保するのも容易ではない。2025年末時点でカザフスタンの高品質物流施設は190万平米、空室率は5.8%で、2026年6月には総供給が240万平米まで増えたものの、10万平米規模のまとまった空き倉庫は存在せず、全国で空いている約13万平米㎡も各都市に分散している。

 コスト面でもメリットは乏しい。カザフスタンの倉庫賃料はモスクワ近郊とほぼ同水準に達しており、「安いから移転する」という話ではない。

 もっとも、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンはいずれもユーラシア経済連合の加盟国であり、域内では商品を自由に移動できる。このため、ロシアとカザフスタンの物流センター間で商品を融通し合うこと自体は制度上容易であり、海外セラーの増加とともに越境物流の比重は変化し得る。ただし、専門家はロシアのセラーの商品を大規模にカザフスタンへ移すことは、輸送コストや配送時間の点で合理的とは言えないとも指摘している。

 一方で、ロシア国内でも新たな倉庫を借りることが難しくなっている。空き倉庫の所有者は、「WBに貸すと自分の施設が攻撃対象になりかねない」と懸念して契約をためらっているという。

 この背景には保険の問題もある。通常の物流施設向け保険はドローン攻撃やテロ被害を補償対象外としており、補償を付けようとしても非常に高額で、実質的に利用しにくい。また保険会社が「軍事行動による損害」と認定して支払いを回避する可能性も指摘されている。


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