
米ウォールストリートジャーナルがこちらの記事で、米トランプ大統領がゼレンスキーに対し非常に好意的になっていることを伝えている。要するに、トランプは価値観や民主主義よりも、実績・強さ・成功を重視する人物だという話である。以下、記事の要点をまとめておく。
トランプは1年以上にわたり、側近との私的な会話で「ウクライナは戦争に負けつつある」と語っていた。しかしここ数週間で、ゼレンスキーの粘り強さ、ロシア領奥深くまで及ぶ攻撃能力に感銘を受け、より前向きな評価を示すようになった。政権高官は、トランプは「勝者」が好きであり、最近ではゼレンスキーがそのように見え始めていると証言する。
この変化は自然に起きたのではなく、国際会議でのゼレンスキーとの度重なる会談、欧州首脳による継続的な説得の結果である。ゼレンスキー自身も、トランプとの個人的関係改善に相当力を入れてきた。
トランプは特に、ウクライナのドローン産業に強い印象を持った。ロシア領深部攻撃、シャヘド型ドローンへの防空、ドローン大量生産能力を高く評価しているとされる。ホワイトハウス関係者によれば、イランとの戦争を経験した米国にとっても、ウクライナの経験は極めて参考になるという認識が強まっている。
一方、トランプは当初、「ロシア軍はいずれウクライナを圧倒する」と考えていた。しかし、ロシア軍の大きな損害、ウクライナの継続的な攻撃を見て、プーチンに対して以前ほど好意的ではなくなっている。
ただし、この変化がずっと続くかは不透明だ。トランプは見解を素早く変えることがあり、またプーチンもこれまでトランプに対して一定の影響力を発揮してきたため、今回の「雪解け」が恒久的なものかどうかは依然として不透明である。ホワイトハウスは依然として双方と対話し和平を目指す姿勢を維持している。
トランプのウクライナ観を変える上で、重要な人物が2人いた。まず、オレクサンドル・ウシクであり、現在世界を代表するヘビー級ボクサーである彼は、ホワイトハウスでトランプと会談した際、「ウクライナ人は戦う民族であり、勝者だ」と語り、家族がキーウで砲撃を受けた経験も話した。トランプが「ロシア人とウクライナ人は何が違うのか」と尋ねると、ウシクは「頭と心」を指差して答えたということである。
もう1人が、米国の保守系政治活動家・インフルエンサーであるローラ・ルーマーである。彼女はキーウ訪問後に立場を大きく変え、「ロシアのプロパガンダにだまされていた」「ゼレンスキーは戦時の指導者だ」と評価するようになった。彼女は帰国後、トランプと何度も電話で話したとされる。
内外の政治家によるロビー活動も重要であり、トランプへの働きかけを続けた人物としては、マルク・ルッテNATO事務総長、フィンランドのストゥッブ大統領、故リンゼー・グラム上院議員らがいた。特にグラムは、ロシア制裁法案への支持をホワイトハウスに働き掛けていた。
トランプ政権は、パトリオット迎撃ミサイルのウクライナ・ライセンス生産、ドローン共同生産 を検討し始めた。また、ウクライナが2022年には年間約5,000機だったドローン生産を、2026年には年間数百万機規模へ拡大した。さらに、ウクライナがカスピ海経由でイランからロシアへ武器を運ぶ船舶を攻撃したことにも言及し、これはイランとロシアの補給線を狙う新たな能力を示したものであり、トランプの評価をさらに高める可能性がある。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします