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 こちらの記事で、A.コリャンドル氏とA.プロコペンコ氏が、ロシアの地域財政赤字の問題について論じているので、記事を以下のとおり抄訳しておく。

 今年これまでに、ロシア政府は68の連邦構成主体が連邦政府に負っていた債務2,774億ルーブル(約36億ドル)を帳消しにしたと、財務省が発表した。この金額は、2025年通年の債務免除額2,269億ルーブルをすでに22%上回っている。2024年のクレムリンの指示に基づき、政府は地域が連邦財政に対して負っている債務約1兆1,000億ルーブル(約140億ドル)を免除することになっている。この制度が始まった2024年以降、これまでに74地域で総額5,043億ルーブル(約65億ドル)の債務が帳消しにされている。

 表向きには、これは地域への支援策のように見える。地域政府が住宅インフラの近代化や交通網の整備に独自資金を投じれば、その投資額に相当する債務が免除される仕組みだからである。しかし、実態は異なる。連邦政府は低利の財政融資を帳消しにする一方で、地域政府は依然として残る財政不足を埋めるために、高利の民間借入を余儀なくされている。問題の根底にあるのは、やはり戦争である。過去3年間、地域政府にとって最大の支出項目は住宅や社会サービスではなく、ウクライナ戦争を支えるための費用、すなわち契約兵募集の一時金や戦死兵士への補償金などとなっている。

 会計検査院によれば、2025年には地方債務に占める財政融資の割合が78.4%から67.3%へ低下した一方、商業銀行からの借入は7%から19.4%へと急増した。金額ベースでは、銀行借入は1年間で2,270億ルーブル(約30億ドル)から6,760億ルーブル(約89億ドル)へと約3倍に膨らんだ。格付会社エクスペルトRAの試算では、17地域が史上初めて商業銀行から融資を受け、さらに16地域では銀行借入が大幅に増加した。

 低利の財政融資の枠はすでに使い尽くされているものの、地域政府の資金需要は依然として大きい。政策金利がなお14%を超える水準にあるため、商業銀行からの借入は財務省からの財政融資に比べてはるかに高コストであり、その結果、2025年の債務利払い費は前年比39%増の1,050億ルーブル(約14億ドル)に達した。

 2025年を通じて、ロシア全地域の債務残高は11%増加し、3兆4,800億ルーブル(約450億ドル)となった。今年中には3兆6,000億ルーブル(約470億ドル)に達する可能性がある。また、ロシア全地域を合わせた財政収支は過去最大となる1兆5,000億ルーブル(約200億ドル)の赤字で終わった。今年第1四半期に入っても状況は改善していない。3カ月間の財政黒字は前年同期の半分に縮小し、85地域中56地域では歳入の伸びを歳出の増加が上回っている。地域財政の主要な収入源である法人税収も11.7%減少したと会計検査院は報告している。先月には下院が財務省の提案を承認し、地域政府が2026年から2030年にかけて返済予定だった債務の一部を繰り延べられるようになったが、これは地域政府が現時点では返済能力を十分に持ち合わせていないことを改めて示している。

 表向きには、財政融資の債務免除は地域政府の債務負担を軽減する政策のように見える。しかし実際には、連邦政府に対する低利の債務が、高金利の市場性債務へと置き換えられているだけである。モスクワからの低利融資に頼れなくなり、企業収益の悪化によって税収も落ち込む地域政府は、二桁金利を要求する商業銀行から借り入れざるを得ない。その結果、債務利払い費は際限なく膨らんでいく。この債務免除プログラムは問題を覆い隠しているにすぎない。というのも、連邦政府は税収の中央集権化や付加価値税の引き上げによって地域の税源を大きく吸い上げる一方で、地域政府には社会保障支出や戦争関連支出という重い負担を課しているからである。


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