
こちらの記事は、ロシアが軍事支出を優先するあまり、大規模な経済プロジェクトが軒並み停止されていることを伝えている。以下要旨をまとめておく。
ロステクのチェメゾフ社長は2025年6月にプーチン大統領と面談し、「廃棄物焼却施設3基の建設を『金利が下がるまで』凍結せざるを得ない」と報告した。ロステクはロシア兵器の約8割を生産する中核企業であり、利益は大幅に増えたにもかかわらず、長期インフラ投資は断念せざるを得ない状況にある。
過去3年間で38件、総額約23億ドル相当のデータセンター建設計画が停止された。ロシア政府は「主権AI」の構築を掲げているが、その基盤となるデータセンター整備が進まないという矛盾がある。その原因は、政策金利が2025年には21%、2026年でも14%超と高水準であること、データセンターは投資回収まで約10年を要するため、この金利では採算が合わないこと、モスクワ周辺では電力容量にも余裕がなく新規接続がほぼ不可能になっていることである。
もう一つ、投資プロジェクトが止まっている実例が、ムルマンスクのラヴナ港である。港自体は2025年に開業しているが、接続鉄道の建設はロシア鉄道の資金不足で中断された。その結果、開業後7か月間の取扱量は設計能力のわずか3%にとどまった。さらに、ムルマンスク商業港の石炭取扱量も前年より40%以上減少し、ラヴナ港の主な供給元であるクズバス炭田では石炭生産そのものが落ち込んでいる。こうしたことから、たとえ鉄道が完成しても、積み出す石炭自体が不足する可能性がある。
2026年上半期の財政赤字は年間目標を大幅に上回っている。政府は軍事・防衛産業への資金供給を最優先している。その結果、それ以外の戦略的投資は後回しになっているのである。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします