
Jリーグが秋春制に移行し、チーム作りのシーズン前キャンプをどこでやるかという点に関し、対応が分かれている。大きく分けると、①日本国内の涼しいところでやる、②あえて日本国内の暑いところ(沖縄など)でやる、③海外でやる(Jリーグから補助も出る)、に大別されるのではないかと思う。我が清水エスパルスは③であり、オーストリアでキャンプを張り、その間に練習試合を2試合やることになっている。
それで、そのうちの一つが、7月14日に行われるウクライナ勢のFCポリッシャ・ジトーミルとの一戦となっている。ただ、私の認識にはないクラブだったので、ちょっと調べてみた。
そうしたところ、FCポリッシャ・ジトーミルは最近急激に力をつけてきた新興勢力で、2025/26シーズンにはプレミア3位に躍進していたことが分かった。あのディナモ・キーウを4位に蹴落としての快挙である。
クラブの起源は1959年までさかのぼるが、一度消滅。2016年頃から再建が始まる。2023年に初めてウクライナ・プレミアリーグへ昇格。わずか数年で上位争いをするクラブになったということだ。
近年は資金力を背景に、元ディナモ・キーウ所属選手、元ウクライナ代表選手、外国人選手を積極的に補強。市場価値もウクライナでは上位クラスで、キーウやドネツクに続くグループへ食い込もうとしている。監督が非常に有名で、かのルスラン・ロタン。元ウクライナ代表主将であり、代表で100試合以上出場し、長年、FCドニプロの中心選手だった。FCポリッシャ・ジトーミルは近年はUEFAカンファレンスリーグ予選にも出場している。
そして、FCポリッシャ・ジトーミルを短期間で強豪に押し上げたのが、ウクライナ財界ではかなり著名な実業家である、ヘンナジー・ブトケヴィチ(Геннадій Буткевич)。ブトケヴィチ氏は、ウクライナ最大級のスーパーマーケットチェーンであるATB(АТБ)の共同創業者・共同オーナー。ATBは全国に1,000店以上を展開するディスカウントスーパーで、戦時下でも事業を維持してきたウクライナ小売業の巨人。加えて、自ら設立した BGV Group Management を通じて、鉱業(ベリリウムなどレアメタル)、エネルギー、不動産開発、など幅広い事業を展開している。特にじとーみる州のペルジャンシク・ベリリウム鉱床の開発は、ウクライナの戦略鉱物政策とも関わる重要案件。2021年にBGV Groupを通じてFCポリッシャを買収。もともとクラブは市の管理下にあったが、資金難から発展が難しく、ジトーミル市長らの働きかけを受けてブトケヴィチ氏が本格的なオーナーとなった。買収前からクラブバスや設備などを支援しており、その延長線上でクラブ経営に乗り出した形ということだ。
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