
BBCのロシア支局が、こちらの記事で、2022年に起きたバルト海底天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」の爆破事件に関するドイツ検察の見解を伝えているので、以下のとおり抄訳しておく。
ドイツ連邦検察は、ノルドストリームの爆破事件に関与した疑いで逮捕されたウクライナ人について、「ウクライナの国家機関」の指示を受けて行動していたとの見方を示した。同人は、ドイツ刑法の複数の条項に加え、民間インフラへの攻撃という戦争犯罪の容疑でも起訴されている。
ドイツ連邦検察の発表によれば、2022年当時、セルゲイ・K(ドイツでは公式発表で氏名はイニシャル表記となるが、報道では以前、セルゲイ・クズネツォフという氏名が伝えられていた)はウクライナ軍の将校だった。ロシアによる全面侵攻開始後、彼は「他の軍人ら」とともに、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」を爆破する計画を立案した。その目的は、ガス供給を妨害し、ロシアからガス輸出収入を奪うことにあったという。検察は、セルゲイ・Kが「ウクライナの国家機関の命令」に基づいて行動していたと主張している。
彼には、爆発物の使用、施設の破壊、公共サービスの機能妨害というドイツ刑法上の3つの罪に加え、国際法犯罪法典に基づく「民間インフラへの攻撃」という戦争犯罪の容疑もかけられている。
セルゲイ・Kのイタリア人弁護士ニコラ・カネストリーニは、検察が依頼人を戦争犯罪で起訴したことについて、「今回初めて、問題とされる行為が武力紛争、すなわち戦争という文脈の中で行われたものだと検察自身が認めたことになる」と述べた。
検察の見立てでは、セルゲイ・Kは職業ダイバー、ヨットの船長、爆発物の専門家から成るグループを組織した。2022年9月4日、彼は偽造されたウクライナ旅券を使ってポーランドからドイツへ入国し、その後、仲介者が偽造書類を用いて借りた帆船に共犯者らとともに乗り込んだ。
検察によれば、このグループは9月22日まで、デンマーク領ボーンホルム島沖のガスパイプラインに爆発装置を設置していた。そして同年9月26日、これらの装置が爆発し、その結果、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」の双方が損傷した。
検察はさらに、爆破事件以前には、「ノルドストリーム1」はドイツのエネルギー生産に必要な年間天然ガス需要のおよそ半分を輸送していたと指摘している。
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