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 ウクライナ侵攻後のロシアでは、非常に恣意的な形で、民間企業が国に接収される事態が相次いでいる。こちらおよびこちらの記事によると、今度はベアリング・メーカーがその被害にあったということだ。国防産業にも密接にかかわるので、手綱を握ろうとしたということか。以下、記事を抄訳しておく。

 ヨーロッパ・ベアリング・コーポレーション(EPK)は、複数のベアリング工場を統合する形で、元下院議員O.サフチェンコによって2001年に設立された。当時、同グループはロシアのベアリング市場のおよそ50%を支配していた。2007年までに、EPKには「モスクワ・ベアリング」、「モスクワ航空ベアリング工場」、「ステプノゴルスク・ベアリング工場」(カザフスタン)、「ヴォルシスキー・ベアリング工場」(ヴォルゴグラード州)、「航空ベアリング工場」(サマラ)、「サラトフ・ベアリング工場」、EPK研究開発センター、「EPK商社」、そしてEPK管理会社が加わった。年間生産量は約5,000万個に達し、その製品はロシアの鉄道車両のほぼ全分野で使用されていた。2008年にはモスクワ工場が閉鎖され、生産能力はサマラへ移管された。2022年には、EPKの唯一の所有者であったA.モスカレンコが、同社株式の100%を「産業イノベーション基金」という名称の閉鎖型投資信託に売却したが、その実質的受益者は公表されなかった。2023年、EPKは米国の制裁対象となり、SDNリストには子会社も追加された。EPKの2025年の売上高は19億ルーブルであった。

 そして、モスクワの裁判所はこのほど、EPKグループの工場2カ所について、検察総局の請求に基づき資産を差し押さえた。この措置は、サフチェンコ元議員らを被告として提起した訴訟の一環として行われたものである。検察総局は、サフチェンコ氏が自身の議員としての地位を利用し、自らが支配下に置く企業の利益を擁護するロビー活動を行っていたと判断している。ロシア連邦執行官局は、検察総局の請求を受けて裁判所が下したEPKグループ資産差し押さえ命令の執行に着手した。

 差し押さえの根拠となったのは、モスクワのレフォルトヴォ地区裁判所が6月15日、EPKグループ傘下のサマラにある2工場に対する保全措置の実施を認めたことである。この申立ては、検察総局が提起した訴訟の一環として提出されたもので、被告にはサフチェンコ元議員、その息子で実業家のG.サフチェンコ、その他の個人が含まれている。

 検察総局は、サフチェンコ氏が2003年にEPKの取締役会長を退任して下院議員となった後も、ロシアのベアリングメーカー、とりわけ実質的に自身の支配下にあった企業の利益を議会で擁護する活動を続けていたとみている。実際、サフチェンコ氏は議会での演説の一つで、外国企業、特にウクライナ企業がロシアの政府機関向けベアリング供給において不公正な競争を行っていると主張した。その結果、サラトフ、モスクワ、ヴォルシスキーの各ベアリング工場はほぼ操業停止に追い込まれたと述べ、戦略的重要企業が外国からの供給に依存する事態を防ぐよう、政府に働きかけることを議会に求めていた。

 EPKグループの広報担当者は、同グループは現在、この分野における国防発注の唯一の受注企業であると説明した。一方、今回の訴訟については、「この問題には弁護士が対応している」と述べるにとどめた。

 検察総局が、他のベアリング企業グループに対して国有化を目指して提起した訴訟もあった。同局は2025年12月、モスクワのガガーリン地区裁判所に対し、KIMPホールディングの没収を求める訴えを起こしている。同ホールディングには、「10-GPZ」、「OKローザ」、「GPZ-2トヴェリ」の3工場が属しており、これらはロシア軍および主要な防衛産業企業向けにベアリング製品を供給している。

 一方、ロストフ州およびサマラ州では、ベアリング製造企業における横領や職権乱用に関する刑事事件の捜査が進められているか、すでに裁判に付されている。なかでも、10-GPZ工場の所有者らは、国家発注の履行に際して製品価格を水増しし、10億~20億ルーブルを超える資金を不正に取得したとして起訴されている。


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