
ベラルーシ出身の政治評論家V.カルバレヴィチ氏が、こちらのコラムでウクライナ・ベラルーシ関係について論じているので、以下のとおり要旨を整理しておく。
今回のゼレンスキーの最後通牒的な発言の背景にあるのは、ウクライナが自信を深め、ベラルーシをロシア・ベラルーシ軍事同盟の「弱い環」と見なすようになり、中立を装うミンスクに対し代償を求め始めたことにある。つまり、最近ベラルーシ側が何か新しい挑発をしたからではなく、戦争4年目を経て、ウクライナの対ベラルーシ姿勢が変化したのだ。
ベラルーシ軍は参戦せず、当国からのミサイル発射も2022年秋以降は行われていない。ベラルーシはその一方で軍需産業や石油製品供給で利益を得た。また、ルカシェンコは「平和の保証人」というイメージを国内で確立した。戦争のマイナスはロシアが負い、ベラルーシは利益を享受してきた。今回のゼレンスキーの圧力は、この比較的快適な状況を壊すものである。
もしルカシェンコが、ドローン中継設備を撤去したり、軍需支援や燃料供給を縮小するなら、ロシアから裏切りと受け取られる。一方、何もしなければ、ウクライナのドローン攻撃を受ける危険がある。したがって、「良い手が存在しない」という、チェスでいうツークツヴァンクの状態にある。
もしウクライナがベラルーシ国内を攻撃した場合、ロシアは再びベラルーシからのミサイル攻撃を再開するかもしれず、ベラルーシとロシアは一体化した軍事陣営になる。ベラルーシ主権はさらに失われる。西側諸国も戦争の欧州接近を歓迎しない。ベラルーシ反体制派への弾圧も激化する。このように、ウクライナ側にも利益があるとは限らない。
ゼレンスキーの要求は曖昧に書かれている。20日の発言は19日よりもトーンダウンしている。ウクライナもリスクを理解している。したがって、当面は心理的圧力と見るべきだ。
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