ロシア政府から独立した調査機関として定評のあるレヴァダ・センターは、定期的な世論調査において、「貴方が最も憂慮する社会的問題は何か?」ということを継続的に問うている。こちらのページに、2026年5月の最新調査結果が出ており、それが上図のとおりである。
20%を超えた上位だけまとめておくと、以下のとおりとなる。
- 物価の上昇:55%
- 特別軍事作戦、西側との紛争、制裁:35%
- 自分の居住地における爆発その他のテロの脅威:27%
- 汚職・賄賂:26%
- 住宅問題:24%
- 年金受給年齢引き上げ、年金改革:24%
- 外国人・移民の急増:23%
- インターネットへのアクセス、モバイルインターネット遮断、ブロック等の問題:22%
こうやって見ると、物価の問題がダントツのトップで、「やっと制裁が効き始めたのだな」と喜びたくなる人もいるだろうが、ちょっと注意が必要である。確かに物価を気にしている国民は多いが、1990年代から、この回答がほぼ一貫して常にトップであり、歴史的に見ると今はむしろこの回答は低水準にあり、ウクライナ侵攻が始まってから有意に上がったとも言えないからである。
一方、ウクライナ侵攻を開始してから、有意に上昇したのが、自分の居住地における爆発その他のテロの脅威という回答である。ウクライナによるロシア本土へのドローン攻撃が本格化した2023年に上昇し、以来高止まりしている。
また、今回22%に上ったインターネットへのアクセス、モバイルインターネット遮断、ブロック等の問題という回答は、今回調査から新たに加わった選択肢であり、これも新しい現象と言える。
以上に鑑みるに、ロシア国民は自分の身に直接影響が及ばない限り、戦争のことを自分事として捉えにくいが、現状ではその影響は経済面よりも(経済的な憂慮を示す回答は歴史的に見て現在はむしろ低目)、ドローン攻撃が身近に迫ったり、またそれとも関連してインターネット規制が発動されるといった形で実感されていると言えそうである。
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