
こちらの記事によると、ロシアのコンサルティング会社Regroupが、同国のCEOおよびCEO-1(事業部門や機能部門の責任者)へのオンラインアンケートと詳細インタビューを実施したということであり、同記事がその結果概要を伝えている。
今回の調査結果によると、2030年になってもロシア経済における人材危機は解消されず、企業成長の障害となる可能性があると、ロシア企業のCEOたちは考えている。不確実性の高まりと競争激化の中で、経営者たちは、変化する状況への適応力、リスクを引き受ける能力、そして事業拡大を計画する能力が極めて重要になるとみている。
回答者の82%が、企業が2030年に向けて成長していく上で、人材不足の問題を課題として挙げた。次いで、デジタル化(65%)、販売市場における競争激化(57%)、全般的な不確実性(51%)、そして制裁(32%)などの課題が挙がった。
人材不足が一貫して最大の問題とみなされていることは、この問題が通常の人事施策だけでは解決できないことを意味している。調査では、この問題には「経営トップのレベルでの体系的なビジネス対応」が必要であると指摘されている。
Regroupによれば、「制裁のカーテンの希薄化」とアジア企業による代替製品・サービスのロシア市場への流入によって、質的に新しい競争環境が形成されつつある。しかし、大多数の企業はこうした環境変化への体系的な準備を行ってこなかった。また、地政学や制裁の影響力は低下しつつあり、これは企業が外部からの制約の下で事業を行うことを学習したことを示している。
全体として、調査結果から明らかになった2030年に向けたCEOの目標トップ3は、ロシア企業が適応の段階を終え、事業拡大(エクスパンション)の段階へ移行しようとしていることを示している。利益と売上高の拡大という目標が、初めて最重要課題となった(68%。2023年比で9ポイント上昇)。
CEOが掲げる目標のうち、第2位はイノベーションとデジタル変革(回答者の64%)、第3位は強固なチームの構築(61%)であった。これらの課題は、もはや「火急の問題」ではなく、企業の業務運営の論理に組み込まれた、定着した戦略的優先事項へと変化しつつあると指摘されている。
CEOに求められる能力についても、その重点は変化している。柔軟性と適応力が最重要項目となり(回答者の80%、2026年時点の見通しから8ポイント上昇)、第1位に浮上した。これは、不確実性がロシア企業のCEOにとって恒常的な経営環境となったためである。
コンサルティング会社Birgeのマネージング・パートナーであるゲンナジー・ヴァーニン氏は、2030年のCEOにとって最大の課題は、技術・ビジネスモデル・人材の適応スピードを管理するとともに、国家との関係を適切にマネジメントすることになると考えている。「未来の成功するCEOとは、慎重に計算されたリスクを引き受け、自らの意思決定に責任を負う勇気ある人物である。また、年齢、準備状況、忠誠度の異なる人々を迅速にまとめ上げ、緊急課題の解決に向けたチームを構築できる人物でもある」と同氏は述べている。CEOに求められる能力のうち、第2位は計画立案能力(74%)、第3位は有能な人材の獲得・維持能力(66%)であった。Regroupのマネージング・パートナーであるオクサナ・モルシナ氏は、「2030年には、人材の獲得と定着がCEOの重要な能力となるだろう。なぜなら人材危機は解消されるのではなく、管理すべき恒常的な変数として受け入れられているからだ」と述べている。
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