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 こちらの記事が、イラン情勢で、ロシア連邦予算の石油・ガス歳入がどう影響を受けているかを伝えているので、以下抄訳しておく。

 ロシア財務省が5月6日に発表した資料によれば、2026年4月のロシア連邦財政の石油・ガス歳入は前月比38.7%増の8,556億ルーブルとなった(上掲グラフ参照)。年初以来、追加的な石油・ガス歳入がプラス圏に転じたのは初めてである。基準額8,346億ルーブルに対し、追加歳入は210億ルーブルとなった。3月には歳入が2,343億ルーブル不足していた。A.シルアノフ財務相は5月初旬、好調な市場環境により国庫には約2,000億ルーブルの追加歳入が入る見込みだと述べていた。「追加的な石油・ガス歳入を期待している。ただし、この2カ月間の増収・減収の水準はほぼ同程度だ。規模としては約2,000億ルーブルである」と同相は語っていた。

 石油・ガス歳入は基準額からの乖離があるものの、年初以来、月ごとに増加している。1月は3,933億ルーブル、2月は4,323億ルーブル、3月は6,170億ルーブルだった。ただし、2026年4月の数値は前年同月比ではなお21.2%低い。2025年4月の石油・ガス歳入は1兆860億ルーブルであった。

 4月の増収は、3月分の石油・ガス採掘税収によってもたらされた。価格が上昇した背景には、米国とイランの対立激化およびその後のホルムズ海峡封鎖がある。その結果、ロシア産原油やLNG、アルミニウムなど各種資源商品の価格が大幅に上昇した。ウラル原油の平均価格は2月には1バレル44.6ドルだったが、3月には77ドルに上昇した。

 これにより、鉱物資源採掘税による歳入は倍増し、前月の4,430億ルーブルから9,168億ルーブルに達した。この数字は、2025年4月の7,690億ルーブルを19.2%上回る。また、炭化水素採掘に対する追加所得税歳入は3月の1,915億ルーブルから2,600億ルーブルに増加した。輸出関税歳入も、前月の366億ルーブルから562億ルーブルに拡大した。

 もっとも、石油企業への支払い増加が、こうした増収効果を一部相殺した。4月には、国内燃料価格抑制のための「ダンパー制度」に基づき、石油企業は2,075億ルーブルを国から受け取った。一方、3月には逆に150億ルーブル、2月には188億ルーブルを企業側が国庫に支払っていた。ダンパー制度は、輸出の方が国内供給より有利になった際に、国内燃料価格を抑制するため石油会社に補助金を支給する仕組みである。逆に価格差がマイナスの場合には、石油企業が国庫へ支払う。また、石油原料に対する「逆物品税」も、3月の616億ルーブルから1,518億ルーブルへと増加した。

 ロシア財務省は5月8日から6月4日にかけ、2026年3月および4月分の繰り延べ取引を考慮したうえで、1,103億ルーブルを外貨および金の購入に充てる計画である。1日当たりの取引額は58億ルーブルとなる。財務省は2026年3月、予算法における基準原油価格パラメータ変更を予定していることを理由に、2026年7月1日まで財政ルールに基づく取引の実施を停止していた。しかし、4月17日にシルアノフ蔵相は、「状況変化に応じて、より柔軟である必要がある」と述べ、より早期に取引を再開する可能性を示唆した。

 ロシア財務省によれば、2026年4月の国民福祉基金の残高は2,006億ルーブル減少し、13.2兆ルーブルとなった。うち流動資産は3.6兆ルーブルである。前月には1,350億ルーブル、2月には905億ルーブル縮小していた。一方、2026年1月と2025年12月には、それぞれ2,241億ルーブル、1,560億ルーブル増加していた。財務省は、財政ルールで定められた基準価格を超える原油売却歳入を基金に積み立てている。2026年のウラル原油の基準価格は1バレル59ドルであり、歳入がこれを下回る場合には、財務省が外貨や金を売却する。

 専門家のD.カサトキンによれば、4月の石油・ガス歳入が3月比で増加したのは、第1四半期分の追加所得税の四半期納付と、3月の原油価格上昇が鉱物資源採掘税に反映され始めたためである。また、前年同月比21.2%減という数字は、必ずしも税収基盤の弱体化を意味しないという。追加所得税を除外すると、2026年4月の歳入は約5,960億ルーブルであり、2025年4月の約5,970億ルーブルとほぼ同水準で、基礎的部分は実質的に前年レベルに回復しているとカサトキンは指摘する。

 別の専門家のS.テレシキンによれば、石油・ガス歳入増加の主因は石油の鉱物資源採掘税歳入であり、2026年3月の3,270億ルーブルから4月には7,710億ルーブルへと2倍以上に増えた。また、天然ガスおよびガスコンデンセート向け同税も、同期間に合計290億ルーブル増加し、1,450億ルーブルとなった。もっとも、ダンパー制度や逆物品税による逆方向の支払いが、外部環境改善による恩恵を一部相殺したことも確認されている。2026年3月にはダンパー、逆物品税、投資加算分の支払い総額は550億ルーブルだったが、4月には3,780億ルーブルに達したという。

 さらに、追加所得税歳入が前年4月の4,892億ルーブルから2026年には2,597億ルーブルへ減少したのは、この税がルーブル建て利益に依存しているためである。ルーブル高、第1四半期におけるUrals価格のドル建てベースの弱さ、収益性低下への敏感さが、税収減少を招いた。

 カサトキンによれば、現在の市場環境は予算にとってむしろ好ましい。ペルシャ湾からの供給途絶リスクを背景に原油価格が上昇し、Uralsのディスカウント幅も縮小している。また、インドと中国の需要がロシア産輸出を支えている。天然ガスについては効果は限定的で、価格上昇は全体的な追い風にはなっているものの、現時点で予算への主要な恩恵は石油経由でもたらされているという。

 中東情勢によって、年間ベースの石油・ガス歳入不足を完全に埋め合わせることは難しいが、大幅に縮小することは十分可能だとカサトキンはみている。ただし、1~4月ですでに大きな遅れが蓄積しており、完全な回復には一時的な価格高騰ではなく、Urals価格が1バレル80ドル超で長期間維持されること、さらにルーブル安が必要だという。また、予算上限シナリオを実現するには、高値の原油に加え、現在よりも高い為替レート、そして金利低下による新規油井開発コストの軽減が必要だと述べる。

 カサトキンは、5月の石油・ガス歳入は9,500億~1.1兆ルーブルになると予想している。4月分の鉱物資源採掘税は、中東危機を背景としたより高い価格を基に計算されるため、5月の歳入は年初以来初めて2025年5月の水準に並ぶか、あるいはやや上回る可能性があるという。テレシキンも、5月の炭化水素関連歳入は4月を上回るとの見方で一致している。4月のUrals課税価格は3月の77ドルに対し95ドルへ上昇していたためである。ただし同氏は、現在の市場はすでに米国とイランの和平合意の影響を受け始めており、それがBrent価格の上昇を抑制しているとも指摘した。


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