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 何度か言っていることだが、ロシアでバター、キュウリ、ガソリンなどの品薄や高騰が生じると、欧米や(それを拝借した)日本のマスコミで、「すわっ、ロシア経済ついに崩壊か」といった感じで大袈裟に取り上げられることが多い。しかし、それらは往々にして一時的・季節的な現象だったりする。むろん、ロシア経済が危機的な様相を見せ始めているのはそのとおりだし、将来的に重いツケを支払うことになると個人的には思っているが、局所的な現象を捉えてロシア経済の全面崩壊が間近に迫っているかのように早合点しない方がいい。

 欧米や日本のマスコミ報道は、特定商品の需給に問題が生じた時には大きく取り上げるが、その問題が沈静化すると、それ以上のフォローアップはしないのが常である。まあ、読者は「ロシア国民は侵攻を受け入れた罰を受けている。ロシアは経済がガタガタで、もう長く侵攻を続けられない」という物語を読みたいものなので、そういう対応になるのは仕方がない。ただ、私は「ロシアが実際にどうあるか」ということにしか興味がないので、時流にはそぐわないひねくれた情報発信を続けているわけである。

 さて、本日は卵について触れたい。卵は、ロシアがウクライナ侵攻を始め、割と早くに需給が不安定化した品目である。2023年末から2024年初頭にかけて問題が持ち上がり、政府は緊急輸入などに追われた。

 こちらの記事によると、ロシア農業省はこのほど、ロシアにおける鶏卵の生産増加により、国内市場の需要を完全に満たすとともに、輸出の拡大も可能になっていると発表した。同省によれば、2026年もロシアの養鶏場は生産拡大を続けており、2026年1~3月に農業組織で生産された鶏卵は100億個を超え、前年同期比3.2%増加した。生産の増加により、国内市場の需要を完全に満たすとともに、輸出の拡大が可能になっている。輸出は企業にとって重要な販路であり、追加的な収益源でもあるため、養鶏業の経済を支え、投資能力を高める。2026年第1四半期のロシアの生鮮鶏卵輸出は暫定で、数量ベースで10%、金額ベースで21%増加している。また同省は、社会的に重要な食品である鶏卵を含め、国内市場への安定供給の問題について、業界団体、生産者、小売チェーン、関係省庁と常時連携していると強調した。養鶏業者支援については、ロシア農業省は産業・商業省、連邦反独占庁、経済発展省および下院議員らとともに、食品供給における長期契約の義務的割合を定める法案の検討を引き続き進めている。養鶏企業の収益性を維持するため、短期および投資向けの優遇融資などを含む一連の国家支援措置が講じられている。

 なお、こちらの記事によると、2026年1~3月の鶏卵の主な輸出先は、モンゴル190万ドル、UAE170万ドル、カザフスタン100万ドル、アブハジア70万ドル、キルギス30万ドルなどとなっている。


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