
こちらのサイトに、A.プロコペンコ氏とA.コリャンドル氏による共著のコラムが掲載されている。ウクライナ侵攻の4年間で、ロシア経済は崩壊こそしなかったものの、侵攻前とは見分けがつかないほど変質し、その変化は不可逆的に見えるという内容となっている。両氏がロシア経済の変化として具体的に挙げているのが、以下の事柄である。
- ドローン攻撃がロシア本土の日常を恒常的に変え、経済にも継続的な損失とコストをもたらしている。
- ロシアはかつて、デジタル化の先進国の一つと言える存在だったが、2025年には世界最多のインターネット遮断回数を記録する不名誉な国へと転落した。
- ウクライナ侵攻後、ロシアでは国有化が例外的措置から「常態化した政策手段」へと変わり、投資環境を根本から揺るがしている。
- 制裁はロシアの対外貿易を止めはしなかったが、あらゆる取引をより高コスト・低速・高リスクなものへと変え、その負担は最終的に需要家が負担している。
- 戦争はロシアの物流網を根本から組み替え、西側との結びつきを断ち、アジア依存を強めており、元の状態に戻るのは至難。
- 合法的で西側と統合された市場経済モデルは崩れ、代わりに1990年代型の並行輸入・模倣品・海賊版が横行するパチもん経済が戻ってきた。
- 戦時下のロシア経済は、軍事部門が資源を吸い上げ、民間部門が衰退する二重構造へと分裂し、その成長は実体を伴わない。
以上の考察をもとに、著者らは、たとえ2026年に戦争が終わったとしても、ロシアが「正常」に戻る道のりは長く、その代償は想像以上に大きいだろうと結論付けている。
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