レヴァダ・センターのこちらの調査結果が興味深かったので、取り上げてみたい。ロシア国民が自国の経済・政治状況をどのように評価しているかという長期的な調査であり、2026年1月の直近の調査結果までが反映されている。
一言で言うと、ウクライナ侵攻開始以来、人々の政治実感は悪いが、経済実感はそれほど悪くないということになる。それは上掲の経済情勢指数(緑)と政治情勢指数(オレンジ)の推移から容易に読み取れる。
ちなみに、この指数が意味するのは、平均を100として、たとえば2026年1月の直近の調査結果では、経済情勢を「普通」と回答したのが56%、「良い」と回答したのが19%、「悪い」と回答したのが22%だったので、22ー19=3であり、100から3を引いて97が経済情勢指数ということになる。
経済情勢指数が100を割り込んでいるので、では国民の経済情勢認識が戦争と制裁でものすごく悪化しているかというと、それは現実から程遠い。下図は、経済情勢の評価に関し、「普通」を緑、「良い」を青、「悪い」を赤で示したものである(無回答がグレー)。こうやって見ると、長期的に見て、「良い」という回答は、むしろウクライナ侵攻後の水準が歴史的に最も高いことが分かる。
しかも、「良い」と「悪い」の指標の上下は、明確な季節変動を描いている。ロシアは寒冷国なので、経済情勢の季節変動が激しいのだ。冬になれば、生鮮食品を中心に物価が値上がりし(最近もキュウリがどうのこうのという騒ぎがあったが)、そもそも気分が陰鬱になる。したがって、直近の1月の調査結果で「悪い」が「良い」をわずかに上回ったのは、戦争と制裁による趨勢的な変化というよりは、恒例の季節変動である可能性が高い。
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