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 当ブログで累次お伝えしているとおり、ロシア税関はウクライナ侵攻後に詳細な通関統計の刊行を停止し、現在一般向けに開示しているデータは輸出入の総額とその大陸別内訳、ごく大掴みな商品グループ別内訳だけである。まあ、それでも一応は重要な経済指標であり、このほど2025年通年の数字が発表されたので、それを表にまとめてお目にかける。

 ところで、当ブログでは先日、「2025年のロシア輸出入額はほとんど横這い」と題し、中央銀行が発表した国際収支ベースの2025年輸出入額速報値をご紹介した。同じ輸出入額でも、中銀の国際収支ベースと、税関の通関統計ベースでは、額が微妙に異なるのが通例である。通関統計では輸入がFOBではなくCIFであり、また税関を通さない貿易取引も少額ながら存在するからだ。それでも、貿易額が増える・減るといったトレンドに関しては、国際収支ベースも通関統計ベースもだいたい連動するものである。

 前回のエントリーでお伝えしたとおり、国際収支では、2025年の輸出は4,194億ドルで前年比3.3%減、輸入は3,027億ドルで前年比0.4%増だった。ところが、今般発表された通関統計では、輸出は4,183億ドルで前年比3.7%減、輸入は2,790億ドルで前年比1.4%減となっており、輸入のトレンドが乖離している。

 そのヒントになるかもしれない、気になる情報が昨年の暮れに出た。A.ザヤキンという論者の論考によると、2025年分の統計から、軍需関連の高度技術製品は、輸入されても通関統計に計上されなくなったというのだ。つまり、ロシアはただ単に半導体のような機微な製品の輸入額を公表していないだけでなく、2025年からはそれを通関統計の輸入総額に加算することすらしなくなったということのようなのだ。もちろん、中銀の国際収支表は国民経済計算と整合させる必要から、そのような「漏れ」を適宜補っているはずであり、それにより国際収支表と通関統計とで貿易トレンドにズレが生じてきているのではないか。

 話が逸れて、大陸別、商品別の動向についてはあまりコメントできなかったけど、まあ表をご覧になってください。

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