
これまで何度も触れてきた問題だが、とにかく私の研究の必要上、ロシアの詳しい貿易統計が手に入らないのが困る。現時点でロシア当局が発表しているのは、輸出入の総額、その大陸別の内訳、ごく大まかな商品分類(「鉱物」とか「農産物・食品」とか「機械」というレベルに留まる)だけである。2025年にロシアが日本とどれだけ輸出入を行ったかということすら、ロシア側の統計からは確認できない。もちろん、いわゆるミラーデータ、つまり日本側の統計を見れば、日露貿易のトレンドは掴めるわけだが、すべての国が日本のように貿易統計を迅速・的確に発表するわけではないので、その方法でロシア貿易の全体像を把握するのは至難なのである。意外にもロシア税関が2023年分までは紙の通関統計集を発行していることが明らかになったので、私などはそれを使って懸命に分析作業を試みたが、それとて2023年分で途切れてしまった。
それで、このほど所属先のスラ研図書館より、『CIS貿易統計集』の最新版が入荷するという情報が届いた。まだその現物は目にしていないが、もしかしたらCIS国際統計委員会のサイトからダウンロードできるかもしれないと思いチェックしてみたら、こちらのページから最新版(2024年のデータを採録した2025年版)がバッチリダウンロードできた。このあたりは時代の進歩を感じる。
しかし、くだんの貿易統計集をダウンロードし目を通してみたら、その内容には失望した。この統計集は、前半はCIS全体の貿易パフォーマンスを示し、後半は国ごとにより詳しい情報を掲載するという構成になっている。ところが、ロシアとベラルーシは、後半への詳細情報の提供を一切行っていないのである。以前はデータ開示に消極的だったウズベキスタンは今ではちゃんとデータを出しているし、CIS脱退に動きつつあるモルドバですらも律儀にデータを提供しているのに、ユーラシア経済統合の中核を自任するロシアとベラルーシがCIS貿易統計集にデータを出さなくなったとは、嘆かわしい限りだ。
私はここ3年ほど、CIS貿易統計集を見る機会がなかったので、過去に遡って調べてみた。そしたら、2022年のデータを採録した2023年版から、ロシアとベラルーシは詳細情報を出さなくなっていたようだ。不思議なことに紙のロシア通関統計集は2023年版まで出たわけだが、CIS貿易統計集での情報シャットアウトはそれより早く徹底していたことになる。
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