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 昨日に引き続き、ロシア版フォーブスに掲載された同編集部M.ペレヴォシチコヴァによる2026年のロシア経済展望の後編をお届けする。

 2024年に財務省は、次の3カ年を対象とする連邦予算を編成する際、2025年の財政赤字を1兆1,700億ルーブル(GDP比0.5%)と予測し、その後の年も2兆8,000億ルーブルを超えないと見込んでいた。しかし実際には、状況はまったく異なるものとなった。2025年1~11月の累計で、赤字はすでに4兆3,000億ルーブル、GDP比2.0%に達し、通年では5兆7,000億ルーブルに拡大すると予測されている。原因は、2025年に個人および企業の税負担が増加したにもかかわらず、非石油・ガス歳入が想定を下回った(「取りこぼし」が生じた)ためである。2026年の財政赤字は、財務省の見通しでは約3兆8,000億ルーブル(GDP比1.6%)となり、その後は縮小し、2027年には約3兆2,000億ルーブル(GDP比1.2%)、2028年には3兆5,000億ルーブル(GDP比1.3%)になるとされている。

 赤字拡大の問題に対処するため、財務省は不人気な措置に踏み切ることを決めた。それが増税である(付加価値税の引き上げ、簡易課税制度を利用する企業の免除上限の引き下げ、中小企業向け社会保険料優遇の廃止など)。「我々は単純な選択に直面していた。予算には原資が必要だが、それをどうするのか。経済から資金を吸い上げるのか、それとも借入を増やすのか。最終的に、債務を増やせば、商業銀行から借り入れる形でより多くの資金を経済から吸い上げ、その資金が再び商業銀行に戻り、結果としてマネーサプライの増加につながる、という結論に至った」と、A.シルアノフ蔵相は説明している。

 2028年時点の非石油・ガス歳入は、名目ベースで2025年比約30%増の36兆1,640億ルーブルに達し、石油・ガス歳入は約13%増加する見通しだ。今後3年間を通じて、非石油・ガス歳入はGDP比13%以上を維持する一方、石油・ガス収入は4%未満にとどまることになる。しかしブクレミシェフは、予算の前提となっている歳入見通しは過度に楽観的であり、「結局は財政赤字を膨らませざるを得なくなるだろう」と指摘する。

 こうした状況下では、税務当局は税務調査において非常に財政重視(プロ・フィスカル)な姿勢を取るようになるだろうと、税務・法務コンサルタントのM.オルロフは述べる。さらに、すでに実施された税負担の変更も「これで最後ではない」と彼は見ている。

 2026年のロシア経済にとって主要なリスクの一つは、「財政部門の利害やニーズが、他のすべてに対して絶対的な優先順位を持つようになること」だと、格付け会社エクスペルトRAのチーフエコノミスト、A.タバフは語る。「我々は、厳格なマクロ経済政策を維持しようとする姿勢、税制分野でかなり強硬かつ急進的な措置を取る用意、そして全体として国家による圧力が強まっていることを目の当たりにしている。ある意味では、2016~2018年の状況に戻りつつある。あの時期は、金融政策も財政政策も厳しかったが、今回はより高い水準の政府支出のもとでそれが行われている」と彼は分析する。財政問題は主として経済活動の減速と高いルーブル相場に起因している。主要な政策金利の水準以上に重要なのは、2026年に財政がどのように乗り切れるのか、そして予算上の必要によって国債市場や金融政策全体が押しつぶされないかどうかだと、同氏は結論づけている。

 ロシア経済に対する外的リスクとして、Forbesの取材に応じた専門家たちは、世界市場の環境、すなわち輸出品や原油の価格、そして制裁圧力の強化を挙げている。

 戦闘開始以降、貿易フローは再編されたものの、ロシア経済が世界の資源市場の動向に依存している状況は依然として変わらないと、ガイダル研究所の金融政策ラボ所長Ye.ゴリュノフは述べる。JPモルガンやゴールドマン・サックスといった投資銀行のアナリストによれば、現在は原油が供給過剰の状態にあるため、近い将来価格は下落し始める見込みだ。2025年12月12日時点で、ブレント原油の価格は1バレル61.19ドルである。経済発展省は、2026~2027年のブレント原油価格をバレル70~72ドルと予測している。一方、米エネルギー省は、2025年の平均価格を68.91ドル、2026年は55.08ドルと見込んでいる。

 同時に、ロシアにとって重要なのはブレント価格そのものだけでなく、そこからのディスカウント、物流や保険に対する制限、さらに輸出企業に対する制裁であると、「テクノロジー・オブ・トラスト」のA.ヴィノグラードフは指摘する。すでに原油および石油製品からの収入は減少しており、インフラは頻繁に攻撃や制裁の対象となっているため、供給と収入の変動性は高まっている。「その結果、財政と国際収支は、あらゆる新たな外部ショックに対して極めて脆弱なままだ」と彼は述べる。

 シバノフによれば、米国が対ロ圧力をさらに強化し、ロシア産原油や石油製品を購入する国々からの輸入品に非常に高い関税(500%関税)を課す可能性もあるという。一方で、2026年には原油供給が需要を上回ると見込まれており、「仮にロシアの供給が減少しても、他国にとっては大きな問題にはならない」と彼は述べる。

 最近の痛みを伴う制裁の一つとしては、米財務省外国資産管理局(OFAC)が秋に発動した、ロスネフチおよびルクオイルというロシア最大の石油会社、ならびにそれらの子会社に対する制裁が挙げられる。これらの制裁には、米国およびその他の外国組織がこれらの企業と取引することを禁じる措置も含まれている。

 今後、状況を大きく悪化させ得るのは、原油および石油製品輸出に対する制限の大幅な強化、たとえば「影の船団」の相当部分に対する保険や用船の禁止、決済や物流を担う第三国のトレーダーや銀行に対する攻撃的な二次制裁だと、ヴィノグラードフは予測する。さらに、仲介企業への罰則強化、技術やサービス輸出に対する禁止措置の拡大も、状況を悪化させる要因になり得るという。

 ロシア経済にとって最大のリスクは地政学的なものであり、特別軍事作戦の行方に関連していると、国立研究大学高等経済学院の経済学部准教授V.ベソノフは総括する。「現在、我が国の経済が直面している問題は、第1に軍事行動を遂行することによる負担が原因だ。制裁も一定の影響を及ぼしているが、特に鉱物資源の採掘分野において顕著だ」と彼は語る。「特別軍事作戦向けの生産は、消費財やサービスに裏付けられていない所得を生み出す。この不均衡はインフレを招き、その抑制策が『民生』部門の活動を圧迫する。問題は特別軍事作戦が終了するまで続くだろう」と、同氏は結論づけている。


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