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 正直知らなかったが、ロシア政府は18年間というスパンの財政見通しを作成しており、それを6年に1回改訂しているとのことである。そして、こちらのページに見るように、ロシア政府は12月11日付の政府指令で、2042年までの連邦財政の見通しを示した。

 付属文書に様々な数値指標が示されているが、一番分かりやすいのは連邦財政赤字の対GDP比なので、とりあえずそれを上掲のとおりグラフにまとめてみた。なお、ロシアの通例どおり、見通しはベースとなる「基礎シナリオ」に加えて、より慎重な「保守シナリオ」という二段構えとなっており、グラフではそれを青と赤で示した。

 基礎シナリオでは、当面は財政赤字は2025年の2.6%がピークであり、2026年以降は低下していくことになっている。だが、2030年代半ばから再び赤字が拡大するのは、たぶん人口動態が悪化し社会保障負担が増えると想定しているからだろう。他方、保守シナリオでは、2026年以降も財政赤字は横ばいで、それが2030年代に入ると大きく膨らむと想定されている。というわけで、ロシアの連邦財政は、少なくとも今回見通しが示された2042年まではずっと赤字が続くと考えられ、しかも図に見るトレンドからして、2043年以降に改善に向かうとも考えにくく、保守シナリオでは赤字がさらに膨張することになる。

 当然、毎年赤字を出し続ければ、政府債務残高が拡大していく。それを、やはり2つのシナリオに沿ってまとめたのが、下図となる。ロシアは、ウクライナ侵攻を始める前までが超健全財政だったので、出発点の債務残高が国際的に見てきわめて低い水準だったことが見逃せない。したがって、基礎シナリオにあるように2042年に債務残高がGDP比32.2%になっても痛くも痒くもないし、保守シナリオの69.4%でも、国際的に見て決してものすごく高い水準ではない。

 この見通し自体が甘いのではないかということはひとまず置くとして、問題は債務の絶対的な水準というわけではあるまい。ロシアの場合、これからずっと赤字が続くことが確実で、債務に歯止めをかける仕組みが用意されておらず、しかも戦争・制裁や「中国ショック」などでさらに条件が悪化しかねないなど、構造的な不安要素が大きいことが問題と言えそうである。

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