こちらの記事が、ロシア国家債務膨張の可能性について報じているので、以下のとおり抄訳しておく。
専門家がロシアの政府債務拡大の余地を評価し、他国との比較における債務の維持可能性について分析した。ロシアはGDP比90~100%の「安全な」政府債務水準を維持できる可能性があると、ロシア科学アカデミー中央経済数学研究所(CEMI)の分析官が評価した。
この評価は、国際通貨基金(IMF)が公表した「各国における最大許容債務水準」に基づいている。この手法では財政収支だけでなく、税収基盤、急激な財政ショックのリスク、潜在的な成長率低下、流動性プレミアム(コンビニエンス・イールド)、借入コストなど、国家の「債務許容量」を規定する複数の要因が考慮される。IMFによれば、先進国はGDP比124%、新興国は76%、低所得国は約57%まで安全に債務を維持できるとされている。
国際機関の分類ではロシアは新興国に属するが、IMFモデルでは、同国の持続可能な債務水準はGDP比90~100%とされていると、CEMIの分析官は指摘する。実際の債務水準は現在その5分の1以下、すなわち20%未満にとどまっている。「これはロシアが自国の債務ポテンシャルのごく一部しか活用しておらず、主要国の中でも最も強固な財政余力の一つを有していることを意味する」と、報告書は述べている。
CEMIのA.バフチジン所長は、ロシアは重大なリスクを負うことなく、より多くの借り入れが可能だと考えている。さらに、政策金利の高止まりによるリスクはあるものの、原油収入がさらに減少した場合、財務省は借入を拡大せざるを得なくなる可能性があると述べる。
2025年12月2日時点で、ロシアの政府債務はGDP比15%であり、中期的にも20%を超える予定はないと、A.シルアノフ財務相は同日開催されたフォーラムで述べた。この低水準はロシア経済の利点であると同氏は付け加えた。一方で、債務の利払い費はGDP比7%に達しており、かなり高い水準にあるとも指摘した。これは政策金利の高さが要因である。会計検査院によれば、2025年上半期の政府債務管理費用は1兆5,800億ルーブルに達し、前年同期の1.5倍であった。
2024年の政府債務残高は29兆ルーブル(GDP比14.4%)であった。2025年には38兆5,000億ルーブルに増加し、GDP比17.7%に達する見通しである。これは「2026~2028年の予算・税制・関税政策の基本方針」による。2026年には43兆6,000億ルーブル、2027年には48兆4,000億ルーブル、2028年には53兆7,000億ルーブルに拡大し、GPD比では19.5%に達すると見込まれている。
2025年には債務残高の83.5%(32兆1,800億ルーブル)を国内借入が占める見込みである。財務省はこれを2028年には88.2%まで高める方針で、対外債務は今後も6兆3,000億ルーブル以内に抑える予定である。債務の利払い費も増加する見通しで、2025年は3兆2,000億ルーブル、2026年は3兆9,000億ルーブル、2027年と2028年はそれぞれ3兆7,500億ルーブルと4兆5,200億ルーブルと予想されている。
現在の状況では、政治的要因からロシアには事実上、対外借入の手段がほとんどないとバフチジン氏は指摘する。一方、国内資金に依存することで、他国と比べてロシアの債務構造はより安定しているとも述べている。
「ヴェードモスチ」紙が取材したすべての専門家は、ロシアの債務状況は安定していると評価した。ただし、さらなる借入は可能であるものの、金利と最終的な返済コストが重要である点も指摘された。
A.アブラモフ氏は、政府債務は依然として低いものの、財政負担の増大により財務省は借入を続ける必要があると述べている。しかし、借入の拡大はインフレリスクを高めるため、金融政策と財政政策の連携が重要であると強調した。
K.セレズニョフ氏によれば、国有企業は上層部の指示に従い、多額の借入を行ってきたという。国有企業の債務を含めた総政府債務は、GDP比40%を超えることはおそらくないという。
A.ジオエフ氏は、債務による資金調達は一時的な手段であり、恒久的な解決策ではないと述べている。「そのため財務省は税制を、より安定した財源に適応させている。付加価値税、個人所得税、法人税の引き上げは、まさにその表れである」と説明する。また、原油価格のさらなる下落があれば、借入の必要性は一段と高まる可能性があると付け加えた。
これに同意するのが、M.ニコラエフ氏である。財務省の意向に反して、債務拡大の必要性は今後高まる可能性があると指摘している。近い将来、原油価格は下落すると予想されており、それにより借入の必要性が高まるほか、国民福祉基金の流動性準備の取り崩しも進む可能性があると述べている。
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