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 時々申し上げるように、私は以前はロシアの地域開発のことを盛んに研究していて、2014年に北大の博士に入学した時にはそのテーマで博論を書こうと思っていたのだが、ちょうどその時にウクライナをめぐる地政学的危機が発生してしまい、ロシア・ウクライナ等を対象とした経済安全保障的なテーマにシフトしていった経緯がある。なので、今でもロシア地域開発の話題が出ると、血が騒いでしまう。

 そうした観点から、非常に興味深い「メンデレーエフ・バレー」というプロジェクトについて、こちらの記事が伝えており、個人的に知らない話だったので、以下で記事を抄訳しておく。

 革新的科学技術センター開発基金「メンデレーエフ・バレー」は、アンガラ・エニセイ大地域における非鉄金属、希少金属、希土類金属の高い加工度のクラスター創設という戦略的プロジェクトの実施のために設立された。基金は、インフラの設計・建設から居住者の誘致、統一された法的・技術的・経済的環境における彼らの効果的な業務の確保に至るまで、クラスターのライフサイクルを実現するための重要な運営手段である。基金は、公的および民間の投資を集め、生産能力と研究エコシステムの構築に充てている。

 アンガラ・エニセイ地域における非鉄金属、希少金属、希土類金属の深加工クラスターは、プーチン大統領の指示によりシベリアに創設される、連邦レベルの分散型科学研究・イノベーション・生産複合体である。このプロジェクトは、超高純度金属、永久磁石、リチウムイオン電池、パワーエレクトロニクスなどの分野をカバーしている。

 プロジェクトには、ロスアトム、ロステク、ルサール、バゾヴィエレメント、ノリリスクニッケル、ロスヒム、ハイランドゴールド、 クラスツヴェトメト、ヒムメド、ロシア科学アカデミー・シベリア支部、シベリア連邦大学、メンデレーエフ記念ロシア化学技術大学が参加している。クラスターの設立は、ロシア連邦安全保障会議、産業・商業省、天然資源省、エネルギー省、経済発展省、VEB.RFの指導下にある。

 クラスターの優先プロジェクトは、タスティグ鉱床の鉱石濃縮物の処理による水酸化リチウムの製造(実施期間:2030年)、 高純度製品向け多品種少量化学プラントの建設(生産開始:2028年)、ならびに人工知能計算センターの設立(稼働開始:2032年)である。

 そしてこのほど、ロスアトムとメンデレーエフ・バレー基金は、アンガラ・エニセイ地域(東シベリア)における非鉄金属、希少金属、希土類金属の深加工クラスター創設に向けた戦略的協力について合意した。同基金とギレドメト研究所(国営企業の科学部門に属する)が関連協定に署名したと、同研究所の広報部が発表した。

 本協定は、パートナーシップの主要分野を定めており、その中には、希少金属および希土類金属の製造・分離技術の開発と導入、新素材および高純度物質の創出、エネルギー貯蔵技術、積層造形技術、化学産業向け人工知能の開発などが含まれる。両当事者は、投資および科学研究プロジェクトの共同開発・実施、人材育成、技術移転、海外市場への製品販売促進を計画している。


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