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 ロシアにとっての命綱である中国との貿易が、今年に入ってから低迷している。こちらの記事を、以下のとおり抄訳しておく。

 露中貿易は、2024年には往復2,440億ドルと過去最高を記録した、2025年に入り第1~3四半期にかけて、3四半期連続で前年の水準を下回った。これは市場の状況と「ネガティブな外的要因」によるものだと、ロシアのD.マントゥロフ第一副首相が11月1日、北京で開催されたロシア・中国政府間委員会会議で述べた。これに先立ち、中国税関は、1~9月の露中貿易が3四半期連続で減少し、1~9月累計では前年同期比9.4%減少し、1,636.2億ドルとなったと発表した。中国からロシアへの輸出は11.3%減の735.7億ドル、ロシアから中国への輸出は7.7%減の900.5億ドルとなった。

 ロシアの主な輸出品は、金額ベースで石油、ガス、石炭であり、次いで銅、鉱石、木材、液体燃料、水産物が続く。中国はロシアに自動車、特殊機械、電子機器、設備、繊維製品を輸出している。中国側のデータによると、1~9月のロシアから中国へのエネルギー資源の供給額は590億ドル(18.9%減)だった。中国のロシアからの石油輸入量は8.1%減の7,404万t、金額ベースでは21%減少した。ブレント原油は9か月間で14%値下がりした。価格の下落と数量の減少が重なり、石油取引額が低下した。

 他方、ロシアの鉱石と金属の対中輸出は増加している。1~9月にニッケルの供給量は前年比2倍となり10億ドルに、銅は88%増で20億ドルに、金属鉱石とアルミニウムは1.5倍になり27億ドルに増加した。鉱石と金属の輸出増のうち、非鉄金属が半分、核燃料のスポット供給が4分の1、鉱石が10%を占めている。いくつかの品目における市況が追い風となっている。ロンドン金属取引所(LME)の銅先物は10月末に11,185ドル/tという過去最高値を記録し、アルミニウム先物は2022年以来初めて2,900ドル/tを超えた。

 中国からロシアへの輸出では、自動車と自動車部品が落ち込みの主要因となっている。前年同期が過去最高の190億ドルだったのに対し、2025年1~9月にその輸出額は85億ドルまで落ち込んだ。中国からの自動車および建設機械の輸入は、2024年の過剰購入と2025年の需要低迷により減少した。ロシアでは、1~9月に新車販売台数が22%減少している。ロシアにおけるトラック新車の販売も落ち込んだ。2024年の需要の高まりを過ぎ、KAMAZ社の推定によると、現在は在庫が約3万台が積み上がっている。

 専門家によると、11月初旬現在、ロシアと中国の自動車国境検問所での越境に問題は生じていない。例外はカザフスタン経由の輸送貨物で、このルートではロシアとカザフスタン双方による検査の増加により、9月以降、違法輸入品の移動を防ぐための大きな渋滞が発生しているという。

 10月初旬、祝日のため、中国側で数日間、いくつかの国境検問所が閉鎖された。ロシアと中国の国境にある綏芬河・ポグラーニチヌイと杜寧・ポルタフカは、10月1日から2日まで閉鎖されていた。中国とカザフスタン、モンゴルの国境では、一部の検問所が10月1日から3日まで閉鎖されていた。

 海上物流にも問題があり、運賃は低水準だった。CStar Line(UAE)とSTF Shipping(中国)といった海運会社の動きも悪影響を及ぼした。ロシアの契約相手との決済問題から、ロシア極東および黒海沿岸の港湾でのサービス提供が縮小しており、これが一時的な海上コンテナ輸送能力の不足を引き起こした。

 10月のロシアへの陸上輸送の需要は、9月と比べて2倍に増えた。コンテナ運賃は68%上昇し、1,200~1,300ドルから2,100ドル/TEUとなった。ウラジオストク~モスクワ間の鉄道輸送運賃が10%上昇し、236,500ルーブル/TEUとなることが発表された。中国からの鉄道輸送は10月から25%値上がりして1TEUあたり5,000ドル、上海~モスクワ間のトラック輸送は20tトラック1台あたり35%(15,000ドル)値上がりした。


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