
ロシア旅行のこぼれ話だが、今回滞在した都市の一つであるスルグトは、外国人観光客が多く訪れるような街ではない。ただ、経済関係者ならば、だれもがロシア民間石油会社の雄、スルグトネフチェガスを連想するだろう。多くの大企業がモスクワに本社を構える中(プーチン政権は最近ではなるべく地方に分散させようという政策を採っているが)、以前からスルグトの名を冠し当地に根を下ろしてきた会社だった。当然、その社屋は、上の写真に見るとおり、市内で最も立派な建物である。
この会社付属の博物館というものがあり、ぜひ見学したいと出向いたのだが、受付で掛け合ったものの、関係者の紹介で事前に申し込まなければいけない由であり、一見の外国人には無理だった。
まあ、予想された展開ではある。以前、ニジニタギル冶金コンビナートの博物館で、飛び込みなのに見学できたことがあったので、再現を狙ったのだが、このご時世で石油大手のガードは固かった。
その代りと言おうか、スルグト市の郊外にあったサルマノフ博物館というやつを見学し、意外にも見応えがあった。サルマノフ氏というのは、アゼルバイジャン出身の地質学者で、1960年代にチュメニ油田の開発に尽力した中心人物である。最終的には、ソ連末期に連邦の地質省第一次官にまで上り詰めたということである。
展示で個人的に面白かったのは、当初はサルマノフ氏ら専門家がケメロヴォ州に送られたという点だった。当時は、石炭資源と石油資源は隣接して賦存すると信じられており、ゆえに石炭のメッカであるケメロヴォ州に石油開発の期待もかけられたと、館員が説明してくれた。
なお、スルグトネフチェガスは、時々企画展示に協力してくれたりはするものの、サルマノフ博物館の維持自体にはお金を出してくれていない由だった。

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