今年5月としばらく前の記事になるが、英エコノミスト誌にロシアの軍需工場に関する興味深い調査報道が出たのを思い出した。
当然のことながら、ロシアの軍需工場で戦車や砲弾がどれだけ生産されているか、などということは国家機密なわけだが、英エコノミストはスマホなどの電子デバイスが各時期にどれだけ当該工場にあったかというデータを入手し、電子デバイスが多ければそれだけ労働者が工場でたくさん働いているだろうと考え、それをもとに代表的な軍需工場の稼働状況を推測している。
一例として、装甲戦闘車両の工場として有名なオムスクトランスマシの稼働状況の推移を示したのが、上図となる。なるほど、ウクライナ侵攻を境に、一時は侵攻ショックで同工場も麻痺状態となったが、国家上層部からの指令もあり次第に稼働率を上げていった様子が、浮き彫りとなる。
ただし、他の装甲戦闘車両工場はパターンが若干異なり、たとえばロシア随一の戦車工場であるウラル鉄道車両工場の稼働率を見ると、侵攻前の2021年の稼働率が異常に高く、侵攻後にいったん落ち込んだ稼働率が確かにその後高まってはいったが、ようやく2021年の水準に戻っただけという印象もあり、電子デバイスからの推測が万能の分析方法であるかは分からない。
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