
ロシアで7月7日、R.スタロヴォイト運輸相が解任され、同日遺体で発見された。自殺と見られている。そのスタロヴォイト氏がインタビューに答えた6月18日付の記事をこちらで見付けたので、その中から私の関心分野である海運および北極海航路についての発言を以下まとめておきたい。まあ別に内容的に変わったところはなく、ブログタイトルの「遺言」は少々釣り気味だったか。
今日、鉄道や港湾の貨物取扱量は減少している。しかし、これはもっともな現象だ。今日、政府の経済部門は、経済の冷え込みという問題に取り組んでいる。我々はインフレと戦っており、運輸部門はその触媒となる。ただ、それは破滅的なものではない。輸出貨物の落ち込みは、国内貨物のそれほど大きくない。つまり、インフラに対する需要はあるということだ。それはとりわけ、鉄道の東部管区と極東の港湾だ。昨年末、コンテナをロシアに運び込めないという問題が発生した。我々は港湾業者、鉄道事業者、港湾インフラ所有者と協力し、これらの問題を技術的に解決しようとしている。
2024年の海港の貨物取扱量は2.4%減の8億6,380万tだった。石炭と石油製品の量は減少したが、鉱石、穀物、肥料、コンテナ貨物の取扱は増加した。貨物取扱量の減少は、世界における石炭価格の変化、ロシアからの多くの石油製品の輸出禁止、制裁圧力によるものだ。現在、鉄道輸送量は9%程度落ち込んでおり、港湾もほぼ同様だ。しかし、港湾インフラ整備のための投資プロジェクトは止まっていない。ロシア産品に対する需要は莫大である。
当然、新しい港の建設も計画している。これには北西部、ムルマンスク方面、極東が含まれる。2024年の港湾キャパシティの増加は、3,300万t程度だった。2025年には北西部のキャパが1,900万t、黒海が140万t、極東が700万t増加すると予想している。2026年にはウスチルガ、ヴィソツク、ウラジオストク、ワニノ、ノヴォロシースク、テムリュクをはじめ、6,050万tの増加を計画している。
我々が特に重視しているのは国際輸送回廊である。これまでの北極海航路は、すでにサンクトペテルブルグ~ムルマンスク~ウラジオストクという北極海横断輸送回廊へと転じている。ロシアのパートナーである友好国が大きな関心を持っているため、対象は拡大している。彼らはこのプロジェクトへの参加を希望している。ここには巨大なインフラ投資が必要だ。港湾インフラの整備、特殊船団(救難技術船団)の建造と供給などである。
今後数年間の北極海航路の発展に関しては、多くの関心が寄せられている。スエズ運河に比べて大幅な時間短縮になるので、友好国はインフラ整備に関心を持っている。我々は外国のパートナーたちのために試運転を行い、経済効果を実証している。もちろん困難もある。それは4メートルまでの氷を砕くことができる砕氷船団を作ることで、近い将来、そのような砕氷船がラインナップされることになる。また、北極海航路の航行インフラ整備や人材育成も重要だ。サンクトペテルブルグの有名なマカロフカ造船所では、原子力砕氷船の船長を養成している。これは非常に需要の高い職種であり、彼らは無人推進を含む技術や航行における最新の技術革新のすべてを教わる。北極海航路を運航する潜水ガス運搬船についても議論している。クルチャトフ研究所がそのようなプロジェクトを推進しており、近いうちにこの航路に登場する可能性は十分にある。
2025年の北極海航路の貨物輸送量は、6月初旬までの時点で、1,340万tとなっている。原子力船8隻を含む12隻の砕氷船が稼働しており、2隻のアイスクラスのタグボートと救助船、12隻の技術船団を建造した。2024年の北極海航路での貨物輸送量はトランジット貨物310万tを含む3,790万tであった。2030年までには、北極海港湾のキャパシティを3,400万t以上増加させる計画である。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします