これは以前から知られていた話ではあったが、レヴァダ・センターによるこちらの調査が、ロシアにおける国民の貯蓄の貧弱さを示していて、興味深い。
上図は、「貴方およびその家族には、現在、何らかの貯蓄、蓄えがあるか?」という質問に対する回答状況の時系列推移である。実に65%が「ない」と答え(赤い線)、「ある」という回答者(青い線)の32%を大きく上回っている。ただ、足元の戦争で貧しくなったわけでなく、過去20年ほど、ほぼ一貫してそんな比率だったことが見て取れる。
今回の調査によると、貯蓄の保有比率は、豊かな社会層ほど高い傾向がある。興味深いのは、日本であれば年齢層が高い方が貯蓄保有額が多いところ、ロシアの場合は若い世代の方がまだしも貯蓄があるという向きが多いことである。
これまた興味深いのは、これだけの高金利でも、「現在は貯蓄のために良い時期だ」と考える国民が28%しかいないことである(上昇傾向にはあるが)。どんだけ貯蓄性向低いねんという話だ。
もう一つ興味深いのは、現在は貯蓄をどんな手段で持っているのが良いと思うかという設問である。おそらく複数回答可能であり、「貯蓄がある」という回答者だけでなく全回答者に対する比率と思われる。以下がその回答状況なのだが、これだけインフレと金利が高くても現金を好む人が多いのは意外。不動産は日本では「貯蓄」という位置付けではないと思うのだが…。
- 銀行ルーブル口座:43%
- 不動産:32%
- ルーブル現金:23%
- 貴金属・骨董・絵画:11%
- 有価証券:6%
- 仮想通貨:5%
- 外貨現金:5%
- 銀行外貨口座:5%
- 貯蓄型保険:1%
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