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 EUはこのほど発表した第16次対ロシア制裁パッケージの一環として、ロシア産アルミニウムに対する制裁を取り決めた。こちらの記事によると、12ヵ月間で27.5万tという輸入割当を導入したものであり、これはEUが2024年にロシアから輸入した量の80%に相当するということである。

 この措置の影響に関し、こちらの記事の中で、ロシアの専門家2名がコメントしている。まず、A.アリエフ氏。EUが2024年にロシアから輸入したアルミニウム地金は34万tで、前年比34%減であった。この数量はルサールの総販売量の約8~9%に相当する。長期的には、金属需要が毎年2~5%増加し、品薄が予想される中国を含むアジア市場に振り向けることが可能。ただ、短期的には、販売市場の再編はルサールにとってコスト増に繋がるかもしれない。アリエフ氏はこうした見方を示した。

 次に、M.フダロフ氏。ロシアからEUへのアルミニウム輸出量は、2024年は34万tだったが、数年前には100万tを超えていた。34万tはわずかな量で、他の市場に振り向けることは充分に可能。リスクにさらされる量が多くないため、今回の規制に対する市場の反応はないだろう。欧州勢は、気候変動への懸念が依然として存在する中で、炭素の観点で最もクリーンな金属を市場から排除することで、偽善者の正体をさらすことになる。フダロフ氏はこのように述べた。


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