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 こちらの記事がロシアのリチウム資源について伝えているので、以下要旨をまとめておく。

 ロシア天然資源省によれば、ロシアにはリチウムの大規模な原料基盤があり、国内の酸化リチウムの埋蔵量は約350万tで、これは国内経済のニーズを満たすのに充分な量だという。

 同省によると、現在ロシアでリチウムが採掘されているのは、スヴェルドロフスク州のマリシェフスコエ鉱床にあるマリインスキー鉱山の1社である。2023年には27tのリチウムが採掘された。

 さらに、ムルマンスク州のポルモストロフスコエ(アークティック・リチウム社が開発中)とコルモゼルスコエ(ノリリスクニッケルとロスアトムの合弁ポーラー・リチウム社が開発中)の2つの鉱床でのリチウム生産が段階的に拡大し、2030年にフル稼働に達する予定である。ポルモストロフスコエ鉱床では、2025年にリチウム濃縮のためのスポジュメン鉱石の試験採掘を開始する予定。この期間中に、100万tの鉱石(1万2,400tの酸化リチウム、平均酸化リチウム含有率1.24%)が採掘される。一方、ポーラー・リチウム社は、2028年までに最初の製品を生産し、2031年までに採掘・加工工場の建設と試運転を完了する予定。

 ロシア天然資源省は、リチウムのような経済にとって戦略的な原材料の採掘と加工のための強力な生産施設をできるだけ早く立ち上げることが重要であると指摘した。同省は、この課題に積極的に取り組んでいることを強調した。レアメタルの採掘税は10分の1に引き下げられ、支払い開始の方法は更新され、ロシア大統領の個別指示により希少原料の支払い開始を引き下げるメカニズムが法制化された。リチウムは、2050年までのロシア連邦の鉱物資源基盤開発戦略の優先希少金属の一つであるという。

 以前、プーチン大統領は、ロシアは自力でリチウムを生産すべきであり、そのためのすべての能力を持っている、10~15年前にリチウム生産を開始して然るべきだった、と述べたことがある。


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