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 それにしても、ロシアという国で不思議なのは、公式統計で国家機密とされているデータが、わりとあっさり手に入ることである。そのあたりがどうも徹底していないのだ。石油・ガスなどに関しては、ウクライナ侵攻後、生産量も輸出量も統計が発表されなくなったのに、なぜかエネルギー担当のA.ノヴァク副首相がそのデータを堂々と列挙するという、謎現象が見られる。

 そんなわけで、今般、ノヴァク副首相がこちらの論考で2024年の各種のエネルギー関連指標を列挙しているので、主な点を以下箇条書きでまとめておく。

  • エネルギー産業はロシアのGDPの約20%を占める。
  • 2024年の原油の生産量は5億1,600万t、輸出量は2億4,000万tだった。
  • 2024年の製油所における原油の処理量は2億6,650万tだった。得率は前年を上回り84.4%となった。ガソリンの生産は4,110万tに、軽油の生産は8,160万tに拡大した。
  • 天然ガスの採掘は6,850億立米で、前年比7.6%拡大した。パイプラインガスの輸出は1,190億立米で前年比15.6%増、LNG輸出は472億立米相当で4%増だった。
  • 「シベリアの力」を通じた中国へのガス輸出は、12月1日から、契約にうたわれている最大量である年間380億立米を満たす水準に高まった。結果、2024年の中国向け輸出実績は契約量を超えた。極東ルートのパイプライン建設も進んでおり、2027年稼働予定。
  • 2024年の石炭の生産量は4億4,350万t、輸出は1億9,620万t、国内供給は1億7,800万tだった。
  • 2024年の発電力は1兆1,983億kWhで、前年比2.9%拡大した。2024年には1.7GWの発電能力が新規稼働した。

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