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 こちらのページに見るとおり、ロシア統計局が2024年のロシアGDPの速報値を発表したので、拝見してみることにしよう。ただし、統計局のページは、たとえVPNを介してもアクセスしづらくなっており、根性で閲覧する他ない。

 統計局によると、2024年のロシアの実質GDP成長率は4.1%だった。なお、いつの間にか2023年の数字も改定されたようで、くしくも2023年も同じ4.1%成長に修正されたようだ。

 上図は、主な生産部門別に、2024年の生産増減を見たものである。先日の鉱工業統計の際にも触れたが、軍需景気で製造業が伸びる一方、鉱業が沈んでいることが、GDP統計からも確認できる。今回特に目を引いたのは、農林水産業の落ち込みが大きかったことで、これは天候不順等による穀物収穫の低下と関係していよう。

 もう一つ目立つのは、2023年には9.5%も伸びていた建設が、2024年には1.7%増へと減速したことで、これは以前もお伝えした国の支援による優遇ローンの打ち切りで新築住宅ブームが一段落したことに起因しているはずである。

 2024年に伸びがきわめて大きかったのは、金融・保険、情報・通信、ホテル・外食などの新興サービス系であり、2023年から引き続く成長であることから、今のロシアで成長産業になっていると考えてよさそうである。たとえば、こちらの記事に見るように、2024年のロシア国内旅行者は前年から25%ほど伸びたということであり、外国旅行に行きにくくなった影響もあってか、国内観光業が栄えているようである。

 一方、保険に関しては、もしかしてだが、影の船団による石油輸出にロシアが独自に付保していることで、事業が拡大しているとか、何らかの特殊事情があるかもしれない。


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