
私が研究している旧ソ連諸国にとって、中国との関係の重要性が高まっており、多くの国で中国が最大の貿易相手国という状況となっている。他方、ロシアやベラルーシが統計を出し渋る中で、発表されるのが早い中国の貿易統計は、有難い存在だ。そこで、今般発表された中国の2024年通関統計を利用し、中国と私の関係国との輸出入額を図示してお目にかけたい。本日は、国際的な孤立ゆえに中国に期待するところが大きいロシアとベラルーシを取り上げる。後日、ウクライナ、モルドバ、カザフスタン、ウズベキスタンも取り上げたい。
まず、中国とロシアの貿易動向が上図のとおり。2024年の中国の対露輸出が1,155億ドルで前年比4.0%増、輸入が1,293億ドルで0.7%増だった。一応は拡大し、過去最高を更新はしたが、明らかに伸びは鈍化している。2024年に米バイデン政権が中国の銀行に二次制裁を適用し、中国の銀行や企業が対露取引を見合わせたことが大きかったと思われる。
一方、2024年の中国の対ベラルーシ貿易は、輸出こそ65.8億ドルで前年比12.8%増だったが、輸入は18.1億ドルで30.5%減となった。ベラルーシが欧州で売れなくなったカリ肥料をコンテナに詰めてせっせと中国に輸出していると聞いていたので、中国の対ベラルーシ輸入減は少々意外だった。

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