
こちらの記事が、ロシアからの石炭輸出の不振につき伝えているので、以下主要点をまとめておく。
調査機関Argusのデータによれば、2024年のロシアの石炭輸出は1億9,500万tで、前年比8%減であった。オーストラリア産、コロンビア産の後塵を拝する形で、中国、韓国、トルコ向けの輸出が落ち込んだ。
一部の採炭企業、たとえばクズバスラズレズウーゴリなどは、輸出の低迷を、電力消費増で需要が高まっている内需で補おうとした。そうしたこともあり、2024年のロシアの石炭生産量は4億3,870万tで、前年から0.2%減っただけだった。
輸出の不振の原因となっているのは、対ロシア経済制裁、鉄道インフラの問題、世界市場における価格低迷である。
ロシアの石炭産業の状況は、鉄道の問題によって悪化した。機関車と運転手の不足により、ロシア北西部と南部の港を経由する積み出しが減少した。この原因でロシア企業が2024年下半期に輸出できなかった石炭は、300万t以上に上った。
また、ロシア鉄道の東部管区(シベリア鉄道とバム鉄道)の近代化工事により、極東の港への輸送が制限された。その結果、2024年のロシア鉄道の輸送量は過去15年間で最低となり、合計11億8,000万tに留まった。うち石炭は3億3,140万tで、前年比5%減となった。
さらに、2024年初頭、ロシアの石炭会社は、OTECOターミナルでの積出料金をめぐる紛争により、黒海最大の石炭輸出港であるタマニ港経由の出荷停止を余儀なくされ、これによる輸出減も250万tに上った。
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