
ウクライナ系メディアのこちらの記事が、米戦争研究所の情報等にもとづき、ロシア軍は戦線での装甲戦闘車両の損耗が激しいので、節約するようになっていると伝えている。
記事によると、2024年にウクライナ軍は、ロシア軍の戦車3,000両、装甲車両9,000両を破壊するか、損害を与えた。それゆえ、ロシア軍が戦車・装甲車両の戦闘での使用を縮小せざるをえない場面が、非常に増えている。
ウクライナ軍情報筋によると、ロシア軍はクラホフスキーなどの戦場で歩兵による攻撃に切り替えている。装甲車は歩兵部隊の火力支援としてのみ使用されている。
ロシア軍が装甲車両日投入を縮小している理由として、戦争研究所は3点を挙げている。①装備備蓄の減少:ロシア国防総省保有のソ連製装甲車の備蓄は大幅に減少しており、ロシア軍は残存車両の節約を余儀なくされている。②再装備の難しさ:ロシア軍は装備品の補充という問題に直面している。これは、ロシアが失われた装備に代わる十分な新型戦闘車両を保有していないことが原因である。③機械化攻撃にとって不利な条件:クラホヴォやポクロフスクといった大都市近郊での攻撃は、ロシアが過去に戦った野原と比べ、装甲車両の使用にとって不利である。
ウクライナの中佐が『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄せたコメントによると、ロシア軍はウクライナ東部での攻撃に電動スクーターやバイク、全地形対応車を使うことが増えているという。これは、装甲車の損失を補おうとするクレムリンの試みの一環である。このような車両は装甲車よりも安価で入手しやすいが、戦闘において同等の効果を発揮することはできない。
戦争研究所によると、ロシアが開戦前に保有していた装甲車両のうち、2024年末現在で残っているのは、戦車の47%、歩兵戦闘車両の52%、装甲輸送車両の45%に留まる。
アナリストたちは、2024年に9,000両近くの装甲戦闘車両が失われたことは、戦争開始後2022~2023年の年間損失量の3倍に相当すると指摘している。このため、ロシアが2025年にこのような損失を許容できる可能性は低い。「このレベルの損失はロシアの再装備能力を超えており、ロシア軍はもはや現在の年間装備損失率を維持することはできないだろう」と戦争研究所の報告書は述べている。
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