Zaporozhje_AES

 欧州最大の原発であるザポリージャ原発は、今般のロシアによる全面軍事侵攻が始まって以来、ロシア側の支配下にある。原発の1号機が稼働開始したのは1984年12月だったので、原発はロシアによる占領という異常な状況下で、このほど稼働40周年を迎えた。

 それで、ウクライナ統治下では原発は「エネルゴアトム」によって経営されていたが、ロシア占領下ではロスアトムの子会社である株式会社「ザポロジエ原発操業機構」=АО «Эксплуатирующая организация Запорожской АЭС»によって管理されているということである。

 そして、その副社長であり、かつ原発の所長を務めているのが、ユーリー・チェルニチュークという人物である。こちらにその経歴が出ているが、ロシア側が派遣したわけではなく、元からウクライナの原子力業界で働いていた人物であり、近年はザポリージャ原発で幹部を務めていたところ、ロシア軍がやってきて、それに協力することにし、2022年11月に現職に就いたようだ。原子力コラボラトゥールといったところか。

 それで、今般TASSのこちらの記事で、ザポリージャ原発40周年を受けたチェルニチューク所長のインタビューが掲載された。あまり詳しく取り上げる余裕はないが、現時点では6つある原子炉のすべてが停止しているところ、2025年には一部でも再稼働にこぎ着けたく、そうなれば「ノヴォロシア」、ドンバス、クリミアの電力需要を全面的に賄えるようになる、といったことを述べている。


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