こちらの記事が、ロシア鉄鋼業の不振を伝えているので、以下要旨をまとめておく。なお、元データはこちら。
チェルメト・コーポレーションのデータによれば、2024年9月の粗鋼生産は540万tで、前年同月比13.5%減だった。1~9月では5,360万tで、前年同期比6.1%減となっている。鉄鋼部門の生産は9カ月連続で落ち込んだ。その他の主要品目の生産動向は上表を参照。
ヴェレス・キャピタルの主任アナリスト、V.ダニロフによると、高金利で圧迫されている建設業界の需要が低迷していることを背景に、鉄鋼生産は減少している。同氏によれば、2024年通年では製鋼量は前年比3~5%減少し、7,200万~7,400万tになると予測される。
セヴェルスターリ社のA.モルダショフは10月9日、ロシア産業・企業家同盟の理事会で、19%という高金利とそのさらなる引き上げの可能性は、経済を減速させ、インフレ率の上昇につながる可能性があると警告、「金利上昇はあらゆるビジネスの発展を減速させる」と強調した。
フィナムのアナリスト、A.カラチョフ氏は、鉄鋼需要家の投資活動は金利引き上げの打撃を受けており、プロジェクトで期待される利益よりも融資のコストの方が高くなっていると指摘する。これは特に建設業界の企業にとって懸念材料であるという。
さらに、鉄鋼業界は鉄鋼輸出の減少の影響も受けているとアナリストは見ている。2024年1~8月間のロシアの港における鉄鋼の積出は15%減少し、1,250万tになった。ロシア鉄道を利用した鉄鋼の国際輸送も9カ月で15%減少し、1,950万tになった。
制裁措置と世界経済、特に中国経済の全般的な減速は、ロシア鉄鋼メーカーの業績にも影響を及ぼしている、とカラチョフは述べる。建設セクターの危機による国内需要の減少を背景に、中国のサプライヤーが安価な鉄鋼の輸出を増やしている。
2024年の製鋼量の減少は、2023年にロシア鉄鋼業が欧米の制裁から回復を遂げ、同年のベースが高くなっていることからも説明できる。世界鉄鋼協会によると、2023年のロシアの粗鋼生産量は6%増の7,580万tで、前年の過去最高水準をほぼ回復した経緯がある。
経済発展省は、2024年の銑鉄と圧延製品の生産量はそれぞれ前年比0.2%増の5,470万tと6,430万t、粗鋼は0.4%増の7,630万tと予測している。「現在の状況では、鉄鋼メーカーが年末までの残り3ヵ月でギャップを埋めることができるかどうか大きな疑問がある」とカラチョフは指摘する。
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