以前からだが、特に今年に入ってロシアはウクライナの電力インフラに執拗な攻撃を加えており、ウクライナの電力供給体制に深刻な脅威が発生しており、需要の高まる冬に向け不安が広がっている。本件は、戦争の行方そのものも左右しかねない要因になりつつある。
ウクライナの電力網は現在、欧州のそれと接続されているので、国内の供給が低下した場合に、欧州近隣国から輸入するのが一つの対策となる。それに関し、ウクライナの「エクスプロ・コンサルティング」というところがこちらのページで有益な情報を発信しているのに気付いたので、これを取り上げてみたい。同社では上図のとおり、ウクライナの相手国別電力輸入量のデータを毎月更新し、グラフにして発表しているようである。
記事によれば、最新の2024年8月に関しては、電力輸入量は低下した。8月は前月に比べ電力輸入量が43%低下し、47.4万MWhとなった。ポーランドからの輸入が最も減少し、57.5%減の4.8万MWhとなった。ハンガリーは引き続き輸入量の43%を占めている。ただ、2024年8月の輸入量は、前年同月と比較すると、4倍に増加している。2024年6~8月には計210万MWhの電力が輸入されたが、これは2023年通年の総輸入量のほぼ3倍である。今年の電力輸入のピークは6月で、85.8万MWhだった。なお、2024年5月12日以降、電力の輸出は行われていない。
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