ウクライナ侵攻開始後、ロシアはまともに貿易統計を発表しなくなったので、たとえばロシアから欧州向けの天然ガス供給が激減していることは明らかだが、なかなかそれを具体的に示すデータは得られない。
ロシア(ガスプロムのと言い換えても同じ)の天然ガス輸出動向に関し、私がデータを色々探してみた範囲内で、一番説得的だったのが、フィリップ・ルドニクという人の書いたこちらのコラムの中に出てくるグラフだった。上図は、その図を転載させていただいたものである。
これが石油であれば、欧州に売れなくなった分をタンカーでインド等に回すことが可能で、ロシアの石油輸出量は落ち込んではいない。それに対し、パイプラインで運ぶしかない天然ガスはそうした転換が至難であり、欧州への供給が減った分、そのまま輸出総量の激減に繋がっている構図が確認できる(2023年のデータは著者の推計ではあるが)。
なお、このデータは、ロシアが言うところの「遠い外国」だけの輸出量であり、バルト三国を含む旧ソ連向け供給は除外されている。
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