20240711

 本日開催するセミナー「急変する国際環境下のロシア極東・シベリア」にはもうご登録いただけたでしょうか。ZOOMでリモート視聴ができますので、今からでも、ぜひどうぞ。

 上の図は、セミナー用に用意したグラフの一つである。プーチン・ロシアは、「東方シフト」と称し、アジア・太平洋への接近を図っている。それは、経済圏で言えば、APECと同義と言っていいだろう。

 しかし、欧州と決別してアジア・太平洋に接近したとしても、冷静に考えれば、同地域でもロシアが今後の関係強化を期待できない「非友好国」の方が主流である。そこで、APECにおいて、ロシアにとっての友好国と、非友好国に分けて、GDPで測ったそれぞれの経済規模を示したのが上図というわけである。

 APECの友好国では中国が突出しており、他に目ぼしいパートナーは見当たらない。こうした中で東方シフトを強行すれば、対中依存が一層深まる公算が大きい。

 もちろん、APEC域外のアジアにまで範囲を広げれば、インドのような重要パートナーがいることは事実である(ただ、インドの名目GDPは3.5兆ドルと、人口の割にあまり大きなものではないが)。いずれにしても、その場合でも、ロシアの東方シフトは、中印シフトとほぼ同義である。

 最近プーチンが急接近している北朝鮮などは、APEC加盟国でもないし、今回使っている世銀のデータベースにもGDPが出ていないような、経済的には取るに足らない存在である。もちろん、弾薬や労働力の供給源としては警戒すべきだが。

 まあ、本日はそんな談義をしたいと思っているので、よろしくお願いします。


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